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『安倍政権は財政拡大に舵を切るか?(その1)①』三橋貴明 AJER2016.7.19
https://youtu.be/g3_rTVkKcnY
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昨日、札幌を往復し、深夜に帰宅し、本日、6時から文化放送に出演したため、非常に眠いです。この後、本日は広島往復でございます。
ところで、札幌で興味深い話を聞いたのですが、なぜ北海道新幹線の札幌延伸について「北回り(小樽経由)ルート」が優先されたのか、でございます。経済効果を考えた場合、千歳空港と札幌が結ばれる南回りルートの方を早く建設するべきだと思えます。
実は、支笏湖の近くに「樽前山」という活火山があり、樽前山が噴火すると、火山灰で千歳空港が利用不能になる可能性があるのです。千歳空港が使えなくなっても、本州と札幌の連絡を維持するためにも、北回りが優先整備されているとのことです。
なるほど、と思いました。
ちなみに、わたくしは小学校の頃、千歳に住んでいたのですが、
「た~な~び~く、け~む~り~。た~るま~えの~」
で始まる千歳小学校の校歌を、未だに覚えています。記憶力がないので、校歌を覚えている学校は、千歳小学校、ただ一校でございますが。
さて、北海道新幹線ですが、
「札幌まで延伸しなければ、意味がない」
と言われつつ、意外や意外、函館近況の活況をもたらしています。
『続く新幹線開業効果 在来線の昨年6月利用実績の2倍 1日7900人
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0294889.html
北海道新幹線新青森―新函館北斗間の6月の利用実績が1日平均約7900人に上ったことが、19日分かった。大型連休で観光客の利用が多かった5月に比べても、4%ほど伸びたもようだ。在来線の昨年6月の利用実績は同約4300人で、新幹線の利用客は2倍近くになっており、開業効果が定着しつつある。
3月26日に開業した北海道新幹線の利用者数は、4月が約5600人、5月が約7600人。6月は本来、観光シーズンから外れているが、JR関係者によると、JR東日本が運営する50歳以上の会員組織「大人の休日倶楽部」(約200万人)向け割引切符が好調で、数字を押し上げたという。旅行会社による北海道新幹線を組み込んだ旅行商品も堅調だった。(後略)』
北海道新幹線の新函館北斗駅は、
「函館でもなければ、北斗でもない」
と皮肉られるほど、中途半端な位置に作られてしまいましたが、それでも函館市や北斗市の「観光サービス」は拡大しているようです。
例えば、函館朝市「どんぶり横丁」は、以前は閑散としていた午後1時頃(何しろ「朝市」でしたので)から活況を呈するようになりました。東京駅を8時20分に出発する「はやぶさ5号」のお客さんが、新函館北斗駅から在来線に乗り換え、到着するタイミングとのことです。
函館の観光産業の象徴である五稜郭は、新幹線開通後、4月が対前年比30%増、5月が32%増、6月が50%以上の増加と、着実に来場客が増えていっています。
北海道新幹線の開通により、
「函館の観光サービスや飲食サービスの商圏が、東京圏に届いた」
と考えて、間違いなさそうです。
「そんな、わざわざ5時間近くもかけて、函館に新幹線で行く東京圏の住民なんて、ごく一部だろ」
と思われるかも知れませんが、何しろ東京圏の「市場規模」は3500万人(!)と、世界最大なのです。東京圏が世界最大のメガロポリスである以上、その一部でも市場と化すことができれば、地方の観光サービスや飲食サービスのビジネスは一気に拡大します。
現在、函館駅周辺の主要ホテルも、予約ができない状況になっており、金沢同様に民間の建設投資ラッシュが起きる可能性があります。
JR北海道によると、開業から5月末までの北海道新幹線の利用者数は、上下線合わせて44万9600人。前年(15年)の在来線の実績に比べ、ほぼ倍増です。
開業直後には20%程度で、
「大丈夫かな・・・?」
と思ってしまった乗車率も上昇傾向で、GWがあった5月は38%にまで伸びました。夏休みを迎え、更に上昇すると見て間違いないでしょう。
ちなみに、北海道新幹線の新青森-新函館北斗間には、奥津軽いまべつ駅、木古内駅と二つの停車駅があります。これまで「東京圏の住民」が訪れにくかった津軽半島にも、「乗り換えなし」で行けるわけです。
藤井先生の「「スーパー新幹線」が日本を救う (文春新書) 」によると、この「乗り換えなし」が心理的距離に与える影響は極めて大きいそうです。金沢があれほどまでに一気に活況を呈したのは、まさに「東京駅から乗り換えなし」のおかげです。
北海道新幹線が札幌まで開通すると、今度は函館や津軽の観光サービス、飲食サービスの市場が「200万人」超の札幌都市圏にリーチする(届く)ことになります。そうなると、函館や津軽を訪れる人はますます増えることになるでしょう。
日本では、未だに新幹線について、数値データを無視して否定する論調が少なくありません。その手の連中を黙らせるためには、新幹線の「実績」を繰り返し、繰り返し示していく必要があります。
新幹線は各地方の商圏を統合し、我が国の経済成長に貢献する最高のインフラなのです。
北海道新幹線の札幌延伸は2031年の予定となっていますが、さらなる前倒しを望みます。ついでに、南回りルート、特に「千歳空港-札幌」間の新幹線の早期実現を!
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