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『新幹線を学ぼう①』三橋貴明 AJER2016.7.12
https://youtu.be/tGkKNbUZ0HE

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 予想通り、新聞社説などで建設国債発行や、公共事業による経済対策に対する「印象操作」が始まりました。


経済対策策定 土建国家に戻るのか
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160714/KT160713ETI090005000.php
 安倍晋三政権の経済政策アベノミクスの限界を、改めて浮き彫りにした経済対策だ。
 首相が関係閣僚に月内に策定するよう指示した。公共事業を柱に据えた内需の下支え策を柱に、中小企業の資金繰り対策や防災対応強化などを打ち出している。事業規模は10兆円を超えるという。
 大型船が入れる港湾や農産物輸出拠点の整備、地震や豪雨に備えた公共事業が並ぶ。いずれも土木、建設事業に税金を投入する対策となっている。
 経済対策を公共事業に頼る旧来の政策に回帰したといえる。公共事業に大量に資金を供給しても一時的な刺激策にしかならない。建設、土木業界では人手不足が続く政策の即効性に疑問も残る。
 過去の政権が経済対策として繰り返してきた公共投資は景気浮揚に十分つながらず、財政悪化を招いた。今回も建設国債を追加発行し財源を補う考えを示している。同じ轍(てつ)を踏むつもりなのか。
 2020年度に基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標は堅持するという。消費税増税の延期に続いて国債を追加発行し、どう達成するのか。説得力はない。(中略)
 政府が安易に国債の追加発行に踏み切るのは、日銀が償還時の損失を容認しつつ、大量に国債の購入を続けているからだ。日銀が保有する国債は発行残高の3分の1を占めているのに、大規模金融緩和の出口は見えない。現状はすでに国の財政を日銀が支える財政ファイナンスに近い。
 日銀はいつまでも現在のペースで国債を購入できない。政府が財政規律を軽んじると、日本経済の国際的な信認が低下し、国債価格暴落と金利急騰を招きかねない。 』


 いやあ、お見事です。これでもかとばかりに抽象用語を詰め込んだ、典型的な印象操作


 この手の社説が問題なのは、「嘘」だからです。データで見れば「嘘である」ことが一発で分かる虚偽情報を、平気で「社説」すなわち「新聞社の意見」として掲載する。


 別に、信濃毎日新聞に限りませんが、この手の嘘つきたちが日本国を「亡国」へと追いやろうとしています

 まずは、公共事業は「旧来の政策」とやらではありません。何しろ、日本政府は公共事業に十分な支出をしていないのです。


 むしろ、旧来の政策だろうが何だろうが、公共事業をきちんと実施してくれていれば、我が国はこれほどまでに落ちぶれることはありませんでした

 「公共事業に大量に資金を供給した」の「大量」がいくらなのか分かりませんが、少なくとも過去十年間で、我が国の公共事業支出が8兆円を上回ったのは、リーマンショックに対する対応で麻生政権が補正予算を組んだ2009年度、ただ一度のみです。


 数字を出さずに「大量」といった抽象的な表現で批判するのは、極めて卑怯です。


【日本の年度別公共事業関係費の推移(兆円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#Kokyo


 ちなみに、2014年度以降は当初予算に社会資本整備事業特別会計の廃止分(約6千億円)が含まれるようになりました。というわけで、安倍政権にしても当初予算で公共事業費を増やしているわけではないのです。

 さらに、
「建設、土木業界では人手不足が続く」
 も嘘です。


【日本の建設労働需給調査結果】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#rodojukyu


 2013年度から14年度にかけ、確かに日本の建設現場は人手不足でした。とはいえ、その状況はとっくに解消しています


 すでに、土木・建設現場は人手ではなく「仕事不足」に悩んでいるのです。

 よくもまあ、信濃毎日新聞の記者は平気で嘘をつけるものです。まさに、息を吐くように嘘をつく、という感じでございます。


 また、
「公共投資は景気浮揚に十分つながらず、財政悪化を招いた。」
 これもまた、明確な嘘です。

 何しろ、本当に公共事業が財政悪化(政府の負債増)をもたらしたというならば、発行された国債は「建設国債」のはずです。ところが、現実には日本は建設国債を発行していません。公共事業を増やしていない以上、当たり前です。


 それどころか、安倍政権は過去三年間、建設国債を一度も新規発行していないのです。それ以前にしても、我が国の建設国債発行残高は、2005年以降は横ばいです。


【日本国債種別発行残高(2015年見込み)の推移(単位:億円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#kokusai


 日本の政府負債増大の原因は、建設国債ではなく特例公債(いわゆる赤字国債)なのです。そんなことは、データを見れば誰でも分かるでしょ。

 そして、なぜ赤字国債の発行残高が増えたのかといえば、もちろんデフレで名目GDPが伸びず、税収が増えないためです。


 信濃毎日新聞に代表される「嘘つき」たちが、
「政府が財政規律を軽んじると、日本経済の国際的な信認が低下し、国債価格暴落と金利急騰を招きかねない」
 といった荒唐無稽な嘘を撒き散らし、政府が公共事業他、財政出動により需要創出し、デフレから脱却しようとする動きを「妨害」し、結果的にデフレが継続。名目GDPと税収が伸びず、赤字国債発行残高が増え続けたというのが「真実」なのです。


 この手の嘘つき新聞社の言説を放置している限り、我が国がデフレ脱却を果たす日は訪れません。皆様も、この手の嘘つきたちには「データに基づき」反論して頂ければと思います。

「信濃毎日新聞に代表される【嘘つきたちに反論しよう」に、ご賛同下さる方は、

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