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『第4次産業革命①』三橋貴明 AJER2016.5.31(3)
https://youtu.be/Jf684kxRGek

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 さて、7月1日にはインフレ率に加え、もう一つ、悪い指標が発表されています。


実質消費支出、5月は前年比1.1%減 家計調査 判断据え置き
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL01HGI_R00C16A7000000/
 総務省が1日発表した5月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり28万1827円で、物価変動を除いた実質では前年同月に比べて1.1%減少した。減少は3カ月連続。QUICKが事前にまとめた市場予想(1.4%減)は上回ったが、4月(0.4%減)からは落ち込み幅が拡大した。総務省は消費支出について「弱い動きがみられる」との基調判断を据え置いた。季節調整して前月と比べると、1.5%減少した。(後略)』


 実質消費支出が下がっているとは、国民が、
パンを買えなくなってきている
 という意味を持ちます。安倍政権の経済政策の失敗により、国民は次第にモノやサービスを「量」(金額ではなく)で購入することができなくなってきているのです。


 まさに、貧困化です


【日本の実質消費支出の推移(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#Jsyohi


 ちなみに、2016年2月は「うるう年」効果を省いてあります。
 実は、うるう年効果を除くと、日本国民は昨年9月から九か月間連続で実質消費を一年前よりも減らしているのです。


 何を言いたいのかといえば、現在はすでに消費税率10%への引き上げが「延期」された状態ということです。2014年11月に、安倍政権は消費税の再増税を延期し、総選挙に打って出ました。


 結果、2015年10月に予定されていた消費税増税は、来年4月に一旦、延期されましたが、それで「これ」なのです。すでに現在は、消費税が延期された状態で、それでも国民は実質の消費を減らし続けています。


 安倍総理は6月1日に記者会見し、消費税率10%への引き上げを、2年半延期しましたが、単なる延期では「現状」が継続することになります。消費税については、少なくとも凍結、できれば「減税」の議論を始めなければなりません。

 消費税減税は、減税が実施されるまでの消費(特に高額消費)を激減させてしまうため、タイミングを見計らうか(早めにやる、という意味)もしくは住宅ポイント、自動車ポイントなどと組み合わせる必要がありますが、日本国民の実質消費を拡大したいのであれば、政治家は真剣に検討しなければなりません。


 ところで、消費税と消費の関係を言えば、
「国民が消費を増やさないのは、将来の社会保障に不安を持っているため。消費税増税で社会保障を安定化させれば、消費は増える
 と、昨日の「デフレは貨幣現象」と同じく、出鱈目あるいは寝言、妄想を撒き散らし、消費税増税を煽っていた連中がいました。財務省の御用学者たちは、ほとんどがそうでした。


 現実は、どうですか?


 14年4月の消費増税は、単に長期の実質消費の減少を引き起こしただけでした。

 当たり前です。


 我々が消費を減らしているのは、「将来不安」以上に実質賃金が下落しているためです。所得が減っている国民が、消費を増やすはずがありません

 そして、14年4月の消費税増税強行は、国民の実質賃金を一気に引き下げました。消費税増税による物価上昇に、国民の給与の伸びは全く追いつかなかったのです。


 消費税増税により実質賃金を引き下げられ、つまりは貧乏にさせられ、
これで社会保障が安定化する。では消費を増やそう
 などと消費拡大に動く国民など、一人も、繰り返しますが「一人も」いないでしょう。

 要するに、日本国民は、
貧乏になっているから、消費を減らしている
 に過ぎないのです。


 昨日の「デフレは貨幣現象」同様に、消費税増税による実質賃金、実質消費の低下についても様々な「言い訳」がなされています。この手の詭弁レトリックを廃し、政治家が現実を素直に見ようとしない限り、我が国の国民の貧困化は終わりません。


「消費税増税の凍結もしくは減税の議論を始めよう」に、ご賛同下さる方は 

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