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『第4次産業革命①』三橋貴明 AJER2016.5.31(3)
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日本の長期金利も、連日「史上最低」を更新していますが、昨日、ついにドイツの十年物国債金利までもが一時的にマイナスをつけてしまいました。
ようこそ、ドイツ。マイナス金利の世界へ。(スイス、日本に続き、三カ国目です)
『欧州国債早朝 独長期金利が初のマイナス 英10年債利回りは過去最低
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HIN_U6A610C1000000/
14日早朝の欧州国債市場で、ドイツ長期金利の指標となる10年物国債利回りが初めてマイナス圏に沈んだ。一時マイナス0.002%程度まで低下(価格は上昇)した。英国時間8時30分時点では、前日18時時点より0.02%程度低い0.002%前後で推移している。(後略)』
ちなみに、事の発端であるイギリスの長期金利も過去最低を更新し、一次1.17%台になりました。
「事の発端」が何かといえば、もちろんイギリスのEUからの離脱の是非を問う国民投票において、世論調査で離脱派がリードを広げていることになります。
結果的に、資金がリスク回避に動き、ドイツ国債やイギリス国債が買い込まれているわけでございます。
この手の「リスク回避」の動きが発生すると、日本円が買い込まれ、円高。円高が進んだ結果、日本株が売り込まれ、日経平均は下がる。同時に、日本国債が買い込まれ、長期金利が下がる。
という、「例によって例による現象」も発生しています。
ちなみに、日本の長期金利は▲0.155%で、一次は▲0.17%にまで下がりました。
現在、欧州諸国は日本並にインフレ率が低下しており、明らかにデフレ化しつつあります。と言いますか、スイス、ギリシャ、スペインの三カ国は完全にデフレになっており、残りの国々が追いかけてきている状況です。
【欧州諸国のインフレ率(対前年比%)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#Euro
上図のうち、数字が入っているのがドイツになります。ドイツの直近のインフレ率は、0.1%に過ぎません。フランス、イタリア、イギリスも同様です。
結局、欧州諸国も「バブル崩壊+緊縮財政」という教科書通りのデフレ化政策を推進し、民間の資金需要が低迷。ついには「盟主」と言われるドイツの長期金利がマイナス化してしまったわけです。(ドイツはバブル崩壊したわけではないですが)
もっとも、国債金利のマイナスや、インフレ率の低迷は、ドイツにとっては居心地がいいのかも知れません。何しろ、利払いの減少により、ドイツ大好きな「財政均衡」が達成しやすくなります。
しかも、イギリスやギリシャなどが混乱すると、ユーロが対ドル、対日本円で下落していきます。本来、デフレの国の為替レートは上昇します。デフレとは「通貨価値の上昇」を意味するわけです。
ところが、ドイツの場合は何しろ「共通通貨ユーロ」でございます。ユーロはドイツの事情とは無関係に、対他通貨で変動します。さらに、ドイツは対ユーロ諸国に対し、為替レートの変動を気にする必要がありません。
改めて考えても、ユーロとは本当に「ドイツの、ドイツによる、ドイツのためのシステム」であることが分かるのです。
ドイツが国債増発や財政出動に背を向けるのは、「ドイツの国益」のみを考えれば正しいわけでございます。もっとも、巻き込まれるユーロ諸国としてはたまったものではないでしょう。
いずれにせよ、日本の株価は(取引の70%が外国人投資家であるため)為替レートで決まります。イギリスの国民投票が終わっても、次はギリシャの(またもや)デフォルト危機が来ます。外国の危機で円高になり、株安になるというお馴染みのパターンが続くことになります。
というわけで、日本政府や日本国民は「為替」に左右される株価ではなく、「実体経済」の方を重視する方向に考え方を切り替えるべきだと思うのです。
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