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『第4次産業革命①』三橋貴明 AJER2016.5.31(3)
https://youtu.be/Jf684kxRGek

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一般参加可能な講演会のお知らせ!

6月29日(水) 若者からはじめよう ~主権者としてのあるべき姿を目指して!~https://www.nagoyajc.or.jp/66nendo/schedule/schedule09.html

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 明日は文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演いたします。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票まで、十日を切りました。イギリス紙ガーディアンによると、直近の世論調査で「離脱すべき 53%」「残留すべき 47%」と、離脱派がリードを広げてきています。


 アメリカのフロリダ州の事件も、「離脱派」の説得力を増してしまいそうです。そもそも、EU離脱問題の発端は「移民問題」なのです。

 厳密には、移民政策を自国の主権で管理・制限できないという問題ですが、いずれにせよ91年のソ連崩壊以降に始まった「グローバリズム」は、世界的に維持不可能な状況になってきているように思えます。

 ところで、自民党が参院選の公約に、事業規模30兆円の財政投融資を5年間かけて実施すると謳うとの報道が流れています。


『自民参院選公約:ゼロ金利活用で事業規模30兆円-財投、5年間で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-03/O86KBB6TTDS001
 7月10日投票の参院選に向けた自民党の公約の全容が分かった。ブルームバーグが入手した資料によると、「一億総活躍社会」実現のため、政策を総動員して国内総生産(GDP)600兆円を目指すと表明。ゼロ金利を活用した「超低金利活用型財政投融資」の制度を早急に具体化し、今後5年間で官民合わせて30兆円の事業規模を目指すことなどを盛り込んだ。 
 安倍晋三首相が表明している経済対策については速やかに断行し切れ目ない対応を取る方針を明記。超低金利の財投は対象事業としては、奨学金やリニア新幹線などを挙げている。リニア中央新幹線の東京-大阪間の早期全線開通を目指すことも打ち出した。また住宅ローン減税などを継続して住宅投資を活性化するとしている。ゆうちょ銀行の「限度額のさらなる引き上げ」も目指す。

 2017年4月に予定していた消費増税の19年10月への2年半延期と軽減税率の導入も明記。社会保障財源は赤字国債に頼らず可能な限り確保するとしている。20年度までに国・地方の基礎的財政収支を黒字化する目標も堅持した。(後略)』


 「超低金利活用型財政投融資」ですか・・・。
 別に、反対する気はないのですが、焦点の「建設国債発行による長期プロジェクト(新幹線整備など)」は、今のところ曖昧なままです。しかも、2020年度までのPB目標も堅持


 う~む・・・。という感じです。


 なぜ、建設国債や新幹線整備にこだわるかといえば、複数の方々(政治家含みます)から、
財務省は16年度補正予算を5兆円程度にとどめ、プロジェクト系ではなく、(例により)給付金でお茶を濁そうとしている
 という情報が入っているためです。


 給付金であれば、「一回限り」ということになります。しかも、規模が5兆円程度では、デフレギャップは埋まらないでしょう。

 その分、PB目標と無関係の財政投融資を「30兆円!」と華々しく打ち出し、結局、建設国債は発行されないまま。長期のプロジェクトも(リニア新幹線以外は)進まず、土木・建設業の供給能力回復もない。


 という、オチが見えてくるわけです。

 冗談でも何でもなく、臨時国会の補正予算において、PB目標を破棄もしくは「曖昧」にしてしまい、国債発行で整備新幹線前倒し、基本計画のある新幹線の整備計画化、事業化を進められるか否かは、我が国の運命を変えることになります


 昨日、ご紹介した奥羽新幹線、羽越新幹線、四国新幹線、山陰新幹線などが整備計画化されると、少なくとも15年は需要が維持される(もしくは拡大する)ことになります。そうなれば、土木・建設企業もようやく本格的に人材雇用に乗り出し、若年層への技能継承も進んでいくことになるでしょう。


 逆に、短期の給付金でお茶を濁され、長期のプロジェクトが(リニア新幹線以外)見えない場合、土木・建設業の人手不足は解消に向かわず、若年層への技能継承も進みません。

 このまま現役世代が引退していくと、二十年後くらいに、我が国は、
「自国の企業・人材では橋梁を建設できない、高層ビルを建てられない」
 国へと落ちぶれていることでしょう。すなわち、発展途上国化です

 日本のような自然災害大国が、土木・建設の供給能力を毀損していくことは、これは「防災安全保障」上も、重大な問題になっていきます。簡単に書くと、我々は「次の震災」を生き延びることができなくなるわけです。


 というわけで、安倍政権が秋の臨時国会で「国債発行+インフラ整備」という、普通の政策を推進できるか否かが、決定的に重要なのでございます。

 日本の発展途上国化を避けるためにも、あるいは防災安全保障を維持するためにも、日本には「長期のプロジェクト」が必要なのです。


「日本には長期プロジェクトが必要だ」に、ご賛同頂ける方は、↓このリンクをクリックを!

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