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『第4次産業革命①』三橋貴明 AJER2016.5.31(3)
https://youtu.be/Jf684kxRGek

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6月29日(水) 若者からはじめよう ~主権者としてのあるべき姿を目指して!~https://www.nagoyajc.or.jp/66nendo/schedule/schedule09.html

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【Front Japan 桜】三橋貴明・浅野久美:真・地方創生と第4次産業革命 / シンギュラリティ その後 ほか[桜H28/6/8]
https://youtu.be/ARXBdv0Z098


 「クニノシャッキンでハタンする~っ!!!」
 はずの日本政府の国債の価格が高騰し、金利が下がり続けています


 昨日、日本の長期金利は▲0.155%と、過去最低を更新してしまいました。


長期金利 一時マイナス0.155% 過去最低更新
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160610/k10010551931000.html
 10日の国債の市場では日本国債を買う動きが強まり、長期金利の代表的な指標になっている満期までの期間が10年の国債の利回りが、一時、マイナス0.155%まで低下し過去最低を更新しました。
 10日の国債の市場は、日銀が続けている大規模な金融緩和策を背景に今後も国債に対する投資家の需要は強まるという見方から価格が上がりました。
国債は価格が上昇すると利回りが低下するという関係にあるため、長期金利の代表的な指標になっている満期までの期間が10年の国債の利回りは、一時、マイナス0.155%まで低下し、過去最低を更新しました。(後略)』


 もっとも、国債金利が下がっているのは日本だけではありません。9日にはドイツやスイス、オーストラリアなどでも、国債の利回りが過去最低を更新しました。

 ちなみに、スイスの長期金利は▲0.453。ドイツは0.02%と、マイナス金利突入寸前です。

 イギリスのバークレイズ・インデックスが集計したところ、世界の国債の平均利回りは、わずか0.73%と、総じて低金利状態に陥っています。スイスやドイツ以外の欧州諸国にしても、短期国債はとっくにマイナス金利です。


 なぜ、国債が買われるのかといえば、もちろん民間がおカネを借りないためです。日本のみならず、先進国の企業は過去最高の現預金を保有していますが、設備投資は増えていません。


 家計や企業がせっせ、せっせと預金し、銀行は預金の運用先として国債を選定せざるを得ないわけです。結果、国債金利が下がる。

 世界総カネ余り状態。もしくは世界総需要不足状態と呼べばいいでしょうか


 問題は「カネ不足(貨幣現象)」ではない。需要不足であるという認識を世界の政治担当者たちが持たない限り、世界経済はかなりまずい状況になるように思えます(総日本化でございます)。

 そういう意味で、サミットにおいて、総理が、
「先進国経済は、ここ数年、慢性的な需要不足によって、デフレ圧力に苦しんできましたが、これに、新興国の経済の減速が重なったことで、世界的に需要が、大きく低迷しています。
 最も懸念されることは、世界経済の「収縮」であります。」
 と、語ったのは、実は的を射ていたわけです。

 ドイツは、結局は賛同しませんでしたが、現在の世界は主要国、特に低金利諸国が財政を拡大する必要があります。民間が借りない以上、政府がおカネを借りて使う以外に、経済を成長路線に戻す方法はないわけです。


 すなわち、「デフレは貨幣現象」「問題は財政赤字」といった過去の考え方を、
デフレは総需要不足であり、必要なのは政府の財政出動
 へと大転換する必要があるのです。 


 実は、すでに変化は始まっています。「デフレは金融緩和政策で脱却できる」と主張していたアダム・ポーゼン氏が、失敗を認めました


『日本の賃金低迷は経済学者の失敗=ポーゼン氏
http://jp.wsj.com/articles/SB10852749850658553280504582117942519701850
 日本の安倍晋三首相がデフレからの脱却を公約し日本銀行が大規模な緩和措置を導入してから3年余りたつが、この試みを特に楽観していた一人が戸惑いを示した。
 ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューに対し、予想に反してインフレは上昇しておらず、賃金はあまり上がっていないと認め、「これは日銀や日本にとってだけでなく近代マクロ経済にとって現実の試練だ」と語った。
 ポーゼン氏は「これは安倍首相の失敗ではなく、私自身や経済学を専門とする仲間たちの失敗だと思う」と述べ、「われわれが言おうとしたことの多くが、考えたほどの良い効果をあまり上げなかった」と話した。(後略)』


 アメリカの経済学者は、クルーグマン教授にしても、ポーゼン氏にしても、「過ちを過ちとして認める」ところが好感を持てます。

 日本の「デフレは貨幣現象」派の経済学者や、「ザイセイハタンガー」の皆様は、果たしてどうするのでしょうか。



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