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『第4次産業革命①』三橋貴明 AJER2016.5.31(3)
https://youtu.be/Jf684kxRGek
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6月29日(水) 若者からはじめよう ~主権者としてのあるべき姿を目指して!~https://www.nagoyajc.or.jp/66nendo/schedule/schedule09.html
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6月1日、安倍総理が記者会見を開き、17年4月の消費税増税が30カ月、延期されることになりました。
『安倍首相が消費税増税の再延期を表明、参院選は7月10日
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2787278.html
安倍総理大臣は通常国会の閉会にあわせて記者会見し、来年4月に予定していた消費税率の10%への引き上げを2年半延期する考えを表明しました。
「内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきである、そう判断いたしました」(安倍晋三 首相)(後略)』
総理の発言の全文は以下になります。
『平成28年6月1日 安倍内閣総理大臣記者会見
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/0601kaiken.html
』
総理は会見で、相変わらず構造改革だの、TPP批准だの、日本国の社会を壊す政策の推進についても語っていますが、これまでとは明確に変わった部分もあります。
『最悪の場合、再び、デフレの長いトンネルへと逆戻りするリスクがあります。
今こそアベノミクスのエンジンを最大にふかし、こうしたリスクを振り払う。一気呵成に抜け出すためには「脱出速度」を最大限まで上げなければなりません。』
『新たな低利貸付制度によって「21世紀型のインフラ」を整備します。リニア中央新幹線の計画前倒し、整備新幹線の建設加速によって、全国を一つの経済圏に統合する「地方創生回廊」をできるだけ早く創り上げます。』
『将来の成長に資する分野で大胆に投資を進める。人工知能、ロボット、世界に先駆けた技術革新を日本から起こす。しっかりと内需を支える経済対策を行う考えであります。』
『世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念されます。』
『世界経済がリスクに直面する今、ロケットが大気圏から脱出する時のように、アベノミクスのエンジンを最大限にふかさなければなりません。デフレからの「脱出速度」を更に上げていかなければなりません。』
ちなみに、「リニア中央新幹線の計画前倒し、整備新幹線の建設加速によって、全国を一つの経済圏に統合する「地方創生回廊」をできるだけ早く創り上げます」は、日本文芸社「全国民が豊かになる 最強の地方創生 」でわたくしが提案しているソリューション、そのままです。
三年間も回り道をした挙句、ようやく総理は「需要の問題(総需要の不足)」であることを理解されたのでしょうか。分かりません。
分かりませんが、現在の日本において「消費税再増税の延期」と「技術やインフラへの投資」、さらには、
「デフレからの脱出速度を最大限に高める」
は、正しい考え方であり、発言だと思います。恐らくポール・クルーグマン教授や、藤井聡先生のレクチャーの成果だとは思いますが、過去の日本の経済対策は、クルーグマン教授が著作で書いているように、
「ストップ・アンド・ゴー」
でした。
デフレ脱却のための財政拡大はやるものの、少しでも景気が良くなれば、即座に引き締め。あるいは、財政拡大の反対側で、金融政策を引き締める。さらには、金融拡大の反対側で、緊縮財政。
デフレ脱却のためには、金融政策と財政政策を「継続的」に、「デフレ脱却を果たすまで」実施しなければならないのです。だからこそ、クルーグマン教授や藤井先生は「脱出速度が重要」と主張しているわけですね。
あるいは、中野剛志先生が仰る「レジーム・チェンジ」です。すなわち、政策の基本方針たるレジームの「全て」をデフレ脱却、需要拡大、所得上昇の方向に振り向けなければ、デフレ脱却は果たせないのです。というわけで、「脱出速度」を重視し、デフレ対策を打つとなると、継続的な財政出動が「担保された」と受け止めることもできないことはありません。(総理がそこまで理解しているのかどうかは、分かりませんが)
もちろん、安倍総理の会見内容は、「デフレ脱却」に向けたレジームチェンジとしては、失格です。何しろ、デフレ脱却を主張しながら、デフレ化政策である「構造改革の断行」について、「最も重要」などと表現しているのです。デフレ脱却のためのレジーム・チェンジを図るならば、構造改革(規制緩和、自由貿易)は停止しなければなりません。
さらには、社会保障の財源について質問を受けた総理は、
『民進党のように、赤字国債を発行してその給付を全て賄う、社会保障費を全て賄うということは、私は無責任だと思います。赤字国債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことは、私たちは行いません。』
と発言しており、年に80兆円も中央銀行に国債を買い取らせ、政府の借金を減らしまくっている日本国の総理大臣が何言っているんだ? という話ではありますが、いずれにせよ6月1日以前の状況は、日本のデフレ脱却という目標を考えたとき、夢も希望もない状況でした。
6月1日の会見で、我が国はデフレ脱却の方向への第一歩を踏み出したことになるのでしょうか。分かりません。
結局、総理はデフレ期の消費税増税や緊縮財政について、どのように考えているのかが不明なままです。総理の会見や質問を見ていたのですが、「14年4月の消費税増税」という最悪の失政については、コメントされることがありませんでした。(記者も質問しませんでした・・・)
5月31日の産経新聞「増税再延期 公約より景気「財務省は間違い」」には、
「財務省はずっと間違えてきた。彼らのストーリーに従う必要はない」
という、総理の発言「らしき」コメントが掲載されています。
財務省が間違え続けてきたのは事実ですが、6月1日以降の安倍政権は、インフラ投資を中心とした「継続的な」財政出動を、本当に推進できるのでしょうか。消費税増税の凍結や「消費減税」といった正しい政策の議論は始まるでしょうか。あるいは、真っ当な議論を始めるためには、どうしたらいいのでしょう。
安倍政権に丸投げするのではなく、日本国民一人一人真剣に考えるべきだと思うのです。
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