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『投資とは何か?①』三橋貴明 AJER2016.5.24
https://youtu.be/lHfL4Ux_GgY
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今、日本政府は何に「投資」をするべきなのか? デフレーション、実質賃金の低下、東京一極集中、そして総人口の減少といった問題を同時に解決する「(恐らく)たった一つの、解決策」について解説した「全国民が豊かになる 最強の地方創生
」(日本文芸社)、いよいよ刊行になりました。
台湾にいます。暑いです・・・・。
さて、相変わらず、消費税再増税「延期」の報道が流れ続けています。
『公明党が再延期を容認へ 30日にも安倍首相と山口那津男代表が会談
http://www.sankei.com/politics/news/160530/plt1605300009-n1.html
安倍晋三首相は30日にも公明党の山口那津男代表と会談し、来年4月に予定した消費税率10%への引き上げを平成31年10月まで再び延期する方針について説明し、理解を求める。公明党は首相からの方針伝達を受けて党内手続きに入り、再延期を容認する方向だ。ただ自民党内には再延期する場合は衆院解散・総選挙が必要だとの意見があり、最終調整を急ぐ。
山口氏は29日、神戸市内で開かれた公明党会合で講演し、首相が増税再延期の方針を固めたことを念頭に「首相がいろいろと悩みながら考えているようだが、まだ聞いていない。(再延期方針の)話があれば、よく相談していきたい」と述べ、容認に含みを残した。党幹部も「世界経済の不透明感から増税のリスクがあるなど再延期の理屈が立てば、支持者も納得し受け入れる余地はある」と再延期に前向きな姿勢を示した。(後略)』
最近はサミットや消費税増税問題を集中的に取り上げていましたが、4月のインフレ率(コアCPI)は▲0.3%でした。200兆円を超す日本円を発行したにも関わらず、インフレ率がマイナス。
我が国において、消費や投資という「需要」が不足していることは、誰の目にも明らかです。不足しているのは総需要であり、おカネではありません。
デフレは「貨幣現象」とやらではなかったのです。
さすがに、日本の総需要不足を否定する政治家は、最近は消滅しつつありますが、問題が総需要不足である以上、民間最終消費支出という「需要」を抑制する消費税増税は、決してしてはいけません。
2014年4月の消費税増税は、14年度の民間最終消費支出を実質値で2.9%も減らしました。日本の民間最終消費支出は300兆円規模なので、2.9%のマイナスは、10兆円前後の需要抑制効果があったという話になります。
内閣府の計算するデフレギャップは、例により「平均概念の潜在GDP」を使っているため、実態より小さく出ますが、直近の需給ギャップは対GDP比▲1.6%。つまりは、金額にして8兆円規模のデフレギャップがあるとされています。
無論、13年度の民間最終消費支出には、14年3月の駆け込み消費分が含まれています。とはいえ、消費税増税が強行されなければ、民間最終消費支出が「減らない」ことで、対GDP比▲1.6%のデフレギャップが埋まっていた可能性が高いのです。
とにもかくにも、14年4月の消費税増税が諸悪の根源なのでございます。
「アベノミクスです!」
などと三年もやっておきながら、インフレ率が目標の2%に届くどころか、▲0.3%という惨状をもたらした主犯は、文句なしで14年4月の消費税増税なのです。
産経の記事には、
「自民党内には再延期する場合は衆院解散・総選挙が必要だとの意見があり」
とありますが、確かに2014年12月の総選挙の際に、自民党は「17年4月に消費税を10%に引き上げる」と公約を打っていました。しかも、安倍総理も、
「リーマンショック級の経済危機や大震災がない限り、再び延期することはない」
と明言してたため、増税延期は明確な公約違反になります。
というわけで、安倍総理は消費税増税再延期のために、衆議院を解散するべきなのでしょうか。様々な意見があるでしょうが、わたくしはその必要はないと思います。理由は、野党第一党までもが消費税再増税に反対しているためです。
とはいえ、総理は明確に説明をする必要があるでしょう。「リーマンショック云々」ではなく、上記の通り、14年4月の消費税増税が「失政だった」と、国民の前で説明するべきなのです。
そうすることで、ようやく「デフレ期の消費税増税は悪」という認識が広まり、消費税増税の「凍結」や「消費減税」の議論を始められます。
特に、アベノミクスを成功させる会は、5月19日の「消費税率再引き上げ等についての提言」において、
「単純に延期を表明するだけで経済が好転する訳ではないことは、一昨年の延期決定から今日までの状況を見れば明らかである。」
と書いているわけで、実際に総理が消費税再増税の延期を提言した際には、「それだけでは経済が好転しない」以上、再増税の凍結や消費減税の提言に切り替えるべきでしょう。そうしなければ、17日の提言と矛盾します。
いずれにせよ、今回、国民が「デフレ期の消費税増税は悪」という認識を持ち、世論が形成されなければ、来年度にも、
「国の借金で破綻する! 消費税増税だ! 緊縮財政だ!」
という、財務省発のキャンペーンが始まり、財務官僚が数百人体制で政治家や著名人を回り「ご説明」し、元の木阿弥になってしまうことは明らかです。
それにしても、ここまで「増税延期」に持ち込もうとしている以上、総理が14年4月の消費税増税を「失政」として認識しているのは間違いないと思います(失政ですが)。現在の日本経済の低迷は、13年の総理の消費税増税決断(14年4月)が主因なのです。
失政の責任を取るという観点からも、総理には「14年4月の消費税増税が失敗だった」と、国民の前で明言して欲しいと思うのです。
「総理は14年4月の増税が失政であったと認めるべき」に、ご賛同下さる方は、
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