株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから

三橋貴明のツイッター はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『2016年第一四半期を振り返る(後篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.26(9)

https://youtu.be/zOAOYTdAZyY
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 夕刊フジで「断末魔の中韓経済」連載中です。


【断末魔の中韓経済】明らかに習近平路線に逆らう動きも 中国は政治闘争の季節に突入

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160519/frn1605191140001-n1.htm


 恐るべき執念としか言いようがありません。

 実質の民間消費支出が、55年以降では初めて二年度連続で減少し、
国民が買えるパンの数が減っている
 状況で、ついに野党までもが消費税再延期の見送りを主張し始めた中、未だに「予定通り増税を」と叫ぶ財務省の飼い犬たちが(特に)自民党に大勢います


自民・山本氏ら議連、大規模財政出動付き増税実施提言へ=関係筋
http://jp.reuters.com/article/ldp-abenomics-idJPKCN0YA35M
 自民党の議連「アベノミクスを成功させる会」(会長:山本幸三氏)が、来年4月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて、予定通り実施すべきとの提言をまとめたことが明らかになった。
 2016年度に15━20兆円規模の補正予算を実施、3年間で37兆円規模の財政出動を実施することで増税の影響を緩和する措置と組み合わせるのが望ましいとし
ている。
 20日以降に安倍晋三首相へ提出する方向で調整している。関係者が20日明らかにした。(後略)』


 例により「関係筋」の話なので、実際のところは分かりません。一応、「アベノミクスを成功させる会」の会長である山本議員は、
「消費の状況はリーマン・ショック以来の事態」
 と発言し、増税延期を提言していました。(厳密には、リーマン・ショック時以上に悪くなってしまっていますが)

 アベノミクスを成功させる会では、先日、藤井先生が、安倍政権が掲げた名目GDP600兆円の目標を達成するために、


●増税延期
●政府は「所得ターゲット」政策を改めて宣言すべし
●政府はデフレ完全脱却こそが最大の財政健全化策、と宣言すべし
●「脱出速度」確保のための、3年限定の積極財政を
●デフレ脱却後は、PBでなく債務対GDP比を基準とした中立的財政を


 を提言されました。その通りにしておけばいいのに、それでも「予定通り増税」と提言するとしたら、アベノミクスを成功させる会は「アベノミクスを失敗させた会」として記憶されることになるでしょう。


 本質的におかしいのは、少なくとも山本会長らは、
「デフレは総需要の不足である」
 を、今では理解しているはずなのです。総需要の不足が問題である以上、財政出動による需要創出は当然として、民間最終消費支出という需要を縮小させる消費税増税は「決してやってはならない」政策になります。


 総需要の拡大を訴えながら、総需要縮小策を提言するのでは、整合性が全くありません。


 まだしも、14年4月の消費税増税時の山本議員の「デフレは貨幣現象」の方が整合性がありました。当時、山本議員はワルラスの法則に則り、
「デフレは貨幣現象であるため、消費税増税はデフレを悪化させない」
 と主張していたのです。


 ワルラス法則はひっこめたようですが、今度は「財政出動と消費税増税」というわけで、結局は「間違えている」という点では同じです


 実際の「成功させる会」の提言がいかなるものになるのか分かりません。とはいえ、繰り返しますが、本当に「予定通り提言」した場合、今後の「成功する会」は「アベノミクスを失敗させた会」と名乗るようにしてください。



「2017年4月の消費税再増税に反対する!」にご賛同下さる方は、

このリンクをクリックを!
新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキング
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。 新世紀のビッグブラザーへ blog
◆関連ブログ
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba


◆三橋貴明関連情報
Klugにて
「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。