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『2016年第一四半期を振り返る(後篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.26(9)

https://youtu.be/zOAOYTdAZyY
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 明日は文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 夕刊フジで「断末魔の中韓経済」連載中でございます。


 もっとも、実際に断末魔を上げているのは、むしろ日本経済の方でございますが、1-3月期の経済成長率の発表を明日に控え、悪い指標が次々に出てきています。


工作機械受注、32カ月ぶり1000億円割れ 4月26.4%減
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ16IAS_W6A510C1TJC000/
 日本工作機械工業会(東京・港)は16日、4月の工作機械受注額(速報値)が前年同月比26.4%減の991億4700万円だったと発表した。好不況の目安とされる1000億円を32カ月ぶりに下回った。(後略)』


企業物価指数4.2%下落 4月、6年5カ月ぶり低水準
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF16H05_W6A510C1MM0000/?dg=1
 企業が取引する物価の下落基調が強まっている。日銀が16日発表した4月の国内企業物価指数(速報値、2010年平均=100)は99.3と前年同月比4.2%下落した。マイナス幅は2009年11月以来6年5カ月ぶりの大きさ。原油などの商品市況の長期的な下落と円高傾向が主因だ。(後略)』


 2009年11月以来、6年5か月ぶりの激しいマイナスということは、要するにリーマンショック級の「惨事」が起きているという話です。

 16年1-3月期の経済成長率は、もしかしたら2月の「うるう年」効果で、若干のプラス、「うるう年」効果を除くとマイナス「程度」で済むかも知れませんが、4月以降、むしろ状況は悪化しています。
 ちなみに、企業物価指数の99.3とは、まさしく09年11月と同じ水準でございます。企業物価指数に限れば、日本経済はリーマンショック後に「戻ってしまった」というのが現実なのです。


 この状況で、17年4月の消費税増税を容認できる政治家は、もはや「政治家」ではないので、さっさと職を辞してほしいと心から思います。国民が迷惑します。


 総理は16日の衆院予算委員会において、2017年4月の増税強行について、熊本・大分地震が「先送りの条件」となる大震災級に該当するかどうか質問を受け、
「答える段階にない」
 と、否定も肯定もしませんでした。


 それはまあ、「大震災級ではない」と明言してしまうと、「熊本・大分地震があったため、消費税増税を延期する」というレトリックが使えなくなってしまいます


 さて、問題の伊勢志摩サミットが近づいて参りましたが、ドイツのショイブレ財務大臣は、5月15日、日本経済新聞の書面インタビューに答える形で、日本政府からの追加財政出動の具体的な要請について、
「ない」
 と、明言しました。

 26日に始まるサミットに先駆け、20日に仙台で財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。仙台の会議に出席するショイブレ財相は、
目先の効果にこだわり、借金を積み上げるだけになってしまう事態は避けたいと(G7)のみんなが思っている
 という認識を示しました。


 まさに、財政均衡至上主義者です。日本の狂気的な財政破綻論者たちと、全く同じ認識を示しているのです。これは「国際協調的」な財政出動の合意が得られるのかどうか、なかなか難しそうです。


 そのドイツですが、最近、すごぶる「まとも化」しているFTに、こんなことを書かれていました。


『[FT]ユーロ圏はドイツのものか
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H6J_U6A510C1TZN000/
 マクロ経済に関するドイツの考え方はなぜかくも奇妙なのか。そして、これは重要な問題なのだろうか。そう、非常に大切な問題だ。奇妙である理由の一部はドイツが債権国だからだ。金融危機はドイツにユーロ圏の問題に対する支配的な発言権を与えた。債権者の利益は重要だが、それは一部の利益であり全体の利益ではない。
 最近のドイツによる批判は欧州中央銀行(ECB)の金融政策、特にマイナス金利と量的緩和に集中している。ショイブレ独財務相は、反ユーロ政党「ドイツのための
選択肢(AfD)」の台頭の責任の半分はECBにあるとまで言う。これは尋常でない攻撃だ。(後略)』


 いやいや・・・。AfDがドイツで台頭しているのは、間違いなくメルケル政権の移民政策に起因しているでしょうに・・・


 ちなみに、後略部にありますが、2015年第10-12月期のユーロ圏の実質需要は、08年1-3月期期より2%少なかくなっています。しかも、ドイツの長期金利はわずか0.14%と、スイス、日本に次いで低い状況です。


 国内が、あるいはユーロ圏が需要不足、資金需要不足にも関わらず、現実を見ず、予算均衡と物価の安定(低インフレ)にこだわる。


 国民がひたすら貧困化することを「経済の失敗」としてとらえるならば、今回もまた、ヨーロッパに「失敗」をもたらすのはドイツなのかも知れません


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