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『2016年第一四半期を振り返る(後篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.26(9)

https://youtu.be/zOAOYTdAZyY
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 FIT(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)、発送電分離、移民受入、緊縮財政、グローバリズムによる格差社会化。

 ドイツという国は、唯一「デフレーション」を除き、各種の政策で日本の先を進み、そして失敗しています

 ドイツで「誰」がグローバリズム的な政策を推進したのかといえば、皮肉な話ですが、SPD(社会民主党)のシュレーダー政権でした。所得税の最高税率を引き下げ、法人税も25%に引き下げ、緊縮財政法案(未来計画2000)を策定し、法人に対するキャピタルゲイン課税を何と「撤廃」。健康保険の患者負担を増やし、メルケル政権に変わった後に、付加価値税(日本の消費税)を増税。


 もっとも、人手不足を埋めるという理由で「移民」を入れ始めたのは、西ドイツの高度成長期時代です。また、FITは1991年の電力供給法成立で開始というわけで、シュレーダー政権以前から、ドイツは「グローバリズム」の教義に則った政策を進めてきました


 結果、ドイツは欧州で最も資産価格が大きく(ジニ係数0.78。ちなみに日本は0.55。所得格差ではなく資産格差なのでご注意を)、上位0.1%の富裕層が下位85%と同じ規模の貨幣性純資産を持ち、停電が頻発し、電力料金はEU最高、実質賃金は1991年とほぼ変わらず(これは日本の方が酷いですが)という、何というか「ヒャッハーッ!」と叫びたくなる国と化してしまいました


 そこに、2015年だけで100万人を超す移民・難民が流入してきたわけですから、ドイツ国民が価値観の「転換」を始めたのは、無理もない話なのです。


 とはいえ、アメリカのトランプ報道にも見られますが、日本の新聞はこの種の動きを「民族主義」「差別主義」といったレッテルを貼り、情報を歪めようとするので、注意が必要です。


ドイツに民族主義の足音 欧州の新たな不安材料に
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO00145230X20C16A4I00000/
 欧州の盟主ドイツに異変が生じている。2013年に結党したばかりの民族主義政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が3月の地方選で躍進。その後も支持率を伸ばし、17年に行われる連邦議会(下院)選挙で初議席を得る勢いを見せている。国政に進出すれば右派の力が弱かったドイツ政治の地殻変動といえる。難民危機で右傾化したドイツ社会。これは欧州の新たな不安
材料となる。(後略)』


 後略部ですが、東部ザクセン州のクラウスニッツに難民を乗せたバスが到着した際、
我々こそが国民だ
 と、出迎えたデモ隊のエピソードが書かれています。デモ隊がバスを囲み、「帰れ」「出て行け」と叫び続ける最中、警察官がバスに乗り込み、難民を犯罪者のごとき扱いでバスから連れ出し、施設に追い立てました。それ見たデモ隊が大喜びし、拍手が起きました。


 上記の映像がインターネットに流れ、大騒ぎになったのです。ちなみに、AfD(ドイツのためのもう一つの選択)のペトリ党首は、
デモをすることが脅威なのでしょうか
 と、コメントしています。


 川口マーン恵美先生が、AfDについてコラムを書いていらっしゃいました


反ユーロ、反難民、そして反イスラム……ドイツで「極右」政党が急激に支持を広げている もう手遅れ!? 価値観の大転換が始まった
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48596
◆ドイツのためのもう一つの選択
 ドイツの新党AfDは、フランスのマリーヌ・ル・ペン氏率いる「国民戦線」の、まさしくドイツ版といった政党だ。"Altanative für Deutschland"の略で、直訳すると、「ドイツのためのもう一つの選択」。2013年2月にベルリンで結成された。
 ドイツの前回の総選挙(2013年9月)では、生まれてまもないAfDの得票率は4.7%だった。ドイツには5%条項があるので、議席を取るには及ばなかったが、まだ海のものとも山のものともわからぬ新党としては、他党を警戒させるに十分な得票率だったといえる。
 そのAfDが今、思いもかけぬ大発展を遂げている。
 AfDの特徴は、反ユーロ、反難民、そして反イスラムだ。その代わりに、ドイツらしさやドイツ文化を尊重しましょう、伝統や家庭を大切にし、あまり中絶をせず、もう少し子供を産みましょう、というようなことを主張している党大会で国歌を斉唱する、ドイツでは珍しい党


 ただ、この党は、誕生以来今まで、他のすべての政党とメディアから、ひどい扱いを受けている。ニュースでは、必ず党名の前に「右派ポピュリストの」という枕詞が付くし、全方向からの攻撃とネガティブキャンペーンにさらされ続けているのである。
 しかし、そんな不遇にもめげず、着実に支持者を増やしてきたのが特長といえば特長。
 今年3月、そのAfDの人気の高まりが、突然、可視化された。バーデン・ヴュルテンベルク州、ラインランド・プファルツ州、そして、旧東独のザクセン・アンハルト州で州議会選挙が行われ、3州すべてでAfDが躍進したのだ。(後略)』


 ザクセン・アンハルト州におけるAfDの得票率は24.3%で、首位のCDU(29.8%)に迫りました

 5月1日に党大会を開いたAfDは、「左傾化したドイツ社会の是正」を掲げ、
「イスラムはドイツには属していない」
 と、宣言。


 二年前に、ドイツで↑このようなことを宣言した日には、社会的に抹殺されたこと間違いないと思います。無論、川口先生のコラムを読む限り、ドイツのマスコミは日本以上に「偏向」してAfDについて報じているようですが、ジワリ、ジワリと支持が広がっているようです。


 17年の総選挙でAfDが二割以上の得票率になると、CDUとSPDが組んでも過半数を確保できなくなる可能性が高いそうです。とはいえ、CDUもSPDも、AfDとは絶対に連立を組まないでしょうから、ドイツの政治は「超絶」不安定化することになります。結果的に、ユーロやEUの政策も場当たり的になり、難民問題への対処もできず、ますますAfDが支持を伸ばすという構図になるのではないかと予想します。


 いずれにせよ、現在のドイツは、まさに「将来の日本の姿」です。


 将来的に、我が国に「日本のためのもう一つの選択」という政党が誕生し、支持を伸ばしていくことになるのでしょうか。現在の安倍政権のグローバリズム、移民政策が続く限り、間違いなくなると思います。


 特に外国移民政策だけは、これは取り返しがつきませんので、今、止めなければなりません。


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