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『2016年第一四半期を振り返る(前篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.19(9)

https://youtu.be/ZSEfc-5PXhY
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 今週は4月25日(月)から29(金)までの五日間、17時20分からテレビ東京「なるほどストリート」に出演します。

http://www.tv-tokyo.co.jp/naruhodostreet/


 本日はチャンネル桜「Front Japan桜」に出演します

http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651


 予想通り、日本銀行の追加緩和はなく、金融市場では円が3円上昇。日経平均が600円以上も下がりました。


 改めて考えてもさっぱりわからないのですが、4月22日以降に「日銀が追加緩和する!」という期待が金融市場に流れ、円安株高になりましたが、あれは一体何だったのでしょう。というか、日銀がいかなる追加緩和をすると思ったのでしょうか

 量的緩和の拡大はできず、マイナス金利もデフレ脱却に効果なし。というか、「銀行から政府への所得移転」になってしまうため、金利が安くなり、政府が得をした分を「支出」に回さない場合、ただの緊縮財政になります。


 皮肉なことに、今回の熊本・大分地震は、まさに国債金利低下で日本政府が得をした分が、復旧復興予算の財源になっています。ということは、日銀のマイナス金利政策がなく、長期金利のマイナス化といった現象がなかった場合、財務省は復旧・復興に予算措置を講じなかったということなのでしょうか。

 もうこの期に及んではどうでもいい話ですが、日本銀行はインフレ目標達成の期日を、2017年度末へと先送りしました。当初の目標期間の二倍にまでローリングターゲットというわけですが、誰も責任を取らないのでしょう。


 コミットメントとやらは、どこに消えたのでしょうか。


 さて、金融政策が完全に行き詰った反対側で、実体経済が悪化していっています。昨日、インフレ率(コアCPI)が▲0.3%に落ち込んだ件を取り上げましたが、同じ日に3月の実質消費が発表になりました。 

 マイナス5.3%・・・


3月実質消費支出5.3%減 予想より落ち込む
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL28H8A_Y6A420C1000000/
 総務省が28日発表した3月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり30万889円で、物価変動を除いた実質では前年同月比5.3%減少した。QUICKの市場予想(4.2%減)より落ち込んだ。2カ月ぶりにマイナスとなり、減少率は2015年3月(10.6%減)以来1年ぶりの大きさだった。自動車や衣料品などへの支出が減った。総務省は消費支出を巡り「弱い動きがみられる」との基調判断を変えなかった。季節調整値の前月比では0.5%増加した。
 消費支出の内訳(実質)をみると、昨年4月の軽自動車税の影響などで「交通・通信」が前年同月比12.1%減少した。洋服やシャツ、セーター類などの「被服及び履物」は12.2%減。3月中旬以降に肌寒い日が続き、春物衣料の販売が振るわなかった。教養娯楽サービスは4.5%減った。(後略)』


 というわけで、例により実質消費支出をグラフ化します


【日本の実質消費支出の推移(前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#JCMar16


 2015年3月の実質消費は、消費税増税前の駆け込み消費の反動ということで、対前年比▲10.6%という大幅なマイナスになりました。


 その15年3月と比べてさえ、16年3月は▲5.3%になってしまったという話です。


 実質消費が下がっているとは、国民が、
「パンを買えなくなっている
 という話になります。あるいは、「パンを買わなくなっている」のかも知れませんが、いずれにせよ2016年1-3月期の経済成長率がマイナスになった可能性が高まってきました。

 2015年10-12月期はマイナス成長だったので、またもやリセッション。しかも、下手をすると2014年度に続き、2015年度もマイナス成長。日本の憲政史上、経済を二年度連続でマイナス成長に叩き込んだ総理大臣は存在しません。(大抵、すぐ辞めるため)


 しかも、熊本・大分地震の影響で、九州での生産が停止し、4-6月期もマイナス成長の可能性が濃厚です。

 さらに、金融政策はもはや「打つ手なし」。このままでは、経済が停滞し、デフレが継続したまま銀行の国債が尽きる日を迎え(厳密には国債が尽きる日が「見える」)、その時点で超円高。世界経済をまたもや金融危機に突っ込ませる可能性があります。(それ以前に、ドナルド・トランプが共和党の大統領候補になる、あるいは大統領になるだけで、超円高になりそうですが)

 全ての諸悪の根源は、財務省の財政均衡主義であり、プライマリーバランス黒字化目標です。このバカげたドグマ(教義)のせいで、日本のみならず、世界経済までもが危険にさらされています。

 もはや、安倍政権に残された道は、一つしかありません。

 プライマリーバランス目標を破棄し、大々的な財政出動路線に舵を切るのです。さもなければ、安倍総理大臣は悪い意味で「歴史に名を残す」ことになります。


「プライマリーバランス目標を破棄せよ!」に、ご賛同下さる方は、このリンクをクリックを!
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