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『2016年第一四半期を振り返る(前篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.19(9)

https://youtu.be/ZSEfc-5PXhY
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 自民党の宮沢洋一参議院議員といえば、2011年の震災直前に、日本国債の「暴落」に対応するための自民党の検討チーム「X-dayプロジェクト」なる電波なプロジェクトを立ち上げた、現自民党の税制調査会長ですが、相変わらずの適当ぶりをアピールしています。


消費増税、予定通りに=熊本地震は影響せず-自民税調会長
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042100776&g=keq
 自民党の宮沢洋一税制調査会長は21日、来年4月に予定されている消費税率8%から10%への引き上げをめぐり、「一切、引き上げの延期について議論をする環境ではない」と述べ、熊本を中心とした地震は増税判断に影響しないとの認識を示した。党本部で開かれた税調の非公式幹部会合後に記者団に語った。
 宮沢会長は、安倍晋三首相がリーマン・ショックや東日本大震災のような事態が生じない限り、予定通りに増税すると表明していることに言及。今回の地震については「まだまだ余震が続いていて心配なことではあるが、東日本大震災と比
べると、社会的にも経済的にもそれほど(影響が)大きなものではない」と指摘した。』


 正直、こんな頭の弱い人物の給与が、わたくしの税金から支払われていると考えると、「国会議員を減らせ!」と言いたくなる人たちの気持ちが理解できます。無論、国家全体のことを考えれば、国会議員の定数是正は悪影響を及ぼす(国会議員一人当たりの権力が大きくなりすぎる)ことになるでしょうが、ミクロで見れば、こんなの(宮沢議員のこと)が参議院議員で、自民党の税制調査会長をやっているのです。


 ちなみに、宮沢洋一議員は元大蔵官僚です。この手の飼い犬議員を与野党(主に自民党)に送り込み、財務省は財政均衡主義を既成事実化しようとします。


 それにしても、
「ニホンコクサイガボウラクスルゥ~ッ!!!」
 などと、税金使って「X-dayプロジェクト」などとやっていた宮沢議員は、現在の長期金利のマイナス(=国債価格の暴騰)について、いかに評価しているのでしょうかね。何も考えていない、というのが正解なのでしょうが。


 ところで、宮沢議員に代表される財政破綻論者たちは、「国債暴落」の理由として、「外国の投資家が国債を売るから、ボウラクスル~ッ」というレトリックを使います。


【日本国債所有者別内訳(15年12月末速報値、単位:兆円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#Kokusai


 まあ、確かに海外(外国人投資家)も5%ほど持っていますが、日本国債は100%日本円建てです。特に、現在の日本は市中に国債が「ない」ことが問題になっているので、「海外」が国債を売るならば、いや「売ってくれる」ならば、預金の運用先に悩む日本国内の民間銀行が喜んで買うでしょう


 むしろ、国内の銀行は、
「何で外国人が貴重な日本国債を持っているんだよ! さっさと売れよ!」
 という感じだと思いますが、「海外」のほとんどは外国の中央銀行です。つまり、日本円という「外貨準備」を日本国債で運用しているわけで、まず売りません。無知もしくは「嘘つき」の宮沢議員などは、
「もし日本の銀行が、海外が叩き売った国債を買わなかったらどうなるんだ~! コクサイボウラクスル~ッ!」
 と反論してくるのかも知れませんが、「日銀が買えば良くね?」でおしまいです。


 そういえば、以前、某ジャーナリストが似たような反論をしてきたので、「日銀が買えば良くね?」と言ったら、速攻で話を変えられてしまいました。何しろ、現実の日本銀行は純増80兆円という恐るべきペースで国債を買い取っていますので、「日銀が買えば良くね?」に対し、「ハイパーインフレーションが~っ!」で返すこともできません。


 財政破綻論者にとっては生き難い時代ですが、とにもかくにも我が国は財務省主権国家でございまして、間違った説(財政破綻論)はしぶとく生き延び、消費税増税を実現しようとしています。


 ちなみに、わたくしは別に宮沢議員を個人的に憎んでいるわけではないので(無知か嘘つきのいずれかなので、軽蔑はしていますが)、彼が、
「国債暴落X-dayとかバカなことをやっていて済みませんでした。間違っていました」
 と、心を入れ替えれば素直に評価します。いや、べつに謝らなくても、「日本国債の暴落など、あり得ない」と、正しいことを発言するだけで、称賛するつもりです


 人間は、変わるのです。良い方向に変わった政治家について、「お、お前、以前は○○って言っていたじゃないか!」と批判するのは、まあ、建設的ではないですね


 何しろ、政治家は「権力」を持っているのです。権力者が間違ったまま変わらない方が、はるかに問題だと思います。


 変わったといえば、このお方の変身ぶりは凄いです(褒めています)。


20兆円規模の財政出動を=地震対応で自民・山本氏
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042100244&g=pol
 消費税増税に慎重な自民党議員らでつくる「アベノミクスを成功させる会」が21日、党本部で勉強会を開いた。会長の山本幸三元経済産業副大臣は、熊本地震の復興財源や景気てこ入れのため、20兆円規模の財政出動が必要だと訴えた。

 山本氏は、「(復興財源に)東日本大震災の半分とみて10兆円、GDP(国内総生産)ギャップを埋めるための10兆円、合わせて20兆円あれば十分な対策となる」と強調。財源は日銀買い切りの国債発行で賄うとし、今国会中に関連法案を成立させるよう主張した。』


 消費税増税前には、カビの生えた「ワルラス法則」を持ち出して、
「デフレ脱却と消費税増税は全く関係ない。」
 などと主張していた山本幸三議員が、20兆円規模の「国債発行」と財政出動という、実に真っ当な動きに出ています

 人間は、変わります。特に、政治家は「世論」あるいは「票」の動きにより、変わり得るのです。


 というわけで、現在は「無知もしくは嘘つき」の宮沢洋一参議院議員が「財政出動派・増税反対派」に変貌を遂げるほどに、世論を財政出動、増税凍結(最低でも)に持っていければいいなあ、と思います。わたくし一人の力など、本当に小さいものですが、それでもやり続ければ、変わるかも知れません。


「山本議員の20兆円財政出動案を支持する!」に、ご賛同下さる方は、

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