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『高度成長期を知ろう①』三橋貴明 AJER2016.3.15

https://youtu.be/DoOeeMOAMNQ
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 九州で余震が続いています。本稿を執筆中も、大分県由布市を震源とする震度3の地震があったとのテロップが流れています。


 14日以来、震度5弱を超える地震が14回も起きています。信じられません・・・。


 すでに50人近くの方々が亡くなられたことが明らかになりました。胸が痛いです。


 九州は、比較的「地震が少ない」と言われていましたが、現実は違いました。日本国に住んでいる以上、大地震から逃れることはできないのです。


宇土市役所庁舎、崩壊寸前に 「本当に潰れた…」
http://www.asahi.com/articles/ASJ4J2G6BJ4JTIPE00Q.html
 16日未明の地震で震度6強が観測された熊本県宇土市の市役所本庁舎は、鉄筋コンクリート造り5階建ての建物の4階部分が押しつぶされて、崩壊寸前になった。市は本庁舎敷地内への立ち入りを制限した。
 市によると、本庁舎は約50年前に建てられた。十数年前の耐震試験で「震度6や7の地震には耐えられない」との結果が出ていたが、財政上の理由から建て替えを先延ばししてきた。東日本大震災後、建て替え議論が本格化し、職員内での検討が進められていた。
 地震発生時、本庁舎1階の警備室で仮眠を取っていた警備員の村上泰三さん(59)は庁舎の姿を外から見て「本当に潰れた……」と絶句した。』


 メルマガでも書きましたが、今回の地震で宇土市役所や大津町役場などの行政機関、つまりは「救援活動の拠点」となるべき建造物で倒壊の恐れが発生。職員が避難せざるを得ない状況になっています。


 宇土市役所本庁舎は昭和40年5月の竣工から、すでに51年が経過しています。つまりは、三橋が生まれる前に建設された建物なのです。


 実は、2016年2月29日に、宇土市庁舎建設検討委員会が開かれ、


『宇土市役所本庁舎は,昭和40年5月の竣工から51年経過し,老朽化が著しく,更には,耐震性にも大きな問題を抱えております。

 市庁舎とは,高い耐震性や安全性を確保し,防災・災害時の拠点,また,司令塔として機能し続ける重要施設,また,市民が親しみを感じ,市民と協働で活動,交流ができる施設でなければなりません。
 そのような課題もあることから,市では,市庁舎建設についての方向性を検討するため,市民代表や学識経験者などからなる「宇土市庁舎建設検討委員会」を設置し,検討を行っていきます。』


 と、市庁舎建て替えの検討が始まった一か月半後に、熊本地震に見舞われ、建物が半壊状態になってしまったのです。


 大津町役場も同様で、竣工が1969年10月であるため、ほぼ三橋と同い年ということになります。


 なぜ、宇土市や大津町が老朽化した庁舎の建て替えをしてこなかったのか。1981年に耐震基準が大きく変更されたにも関わらず、旧耐震基準のまま放置されてきたのか。


 もちろん、「クニノシャッキンガー」「ムダナコウキョウジギョウガー」といった、財政破綻論、反公共投資論「空気」に影響され、自治体も予算を削減せざるを得ず、非常事態発生時の拠点たる建造物が旧耐震化基準のまま使われ続けてきたのです。


 行政機関を新耐震基準に建て替えたとしても、今後、未来永劫、大地震が発生しないかも知れません。その場合、「無駄な支出だ」という話になるのでしょうか。


 絶対に、違うでしょう。


 来るかどうか分からない。来ないかも知れない。とはいえ、来た時の被害が甚大な災害に備えるからこそ、政府が存在するわけです。


 日本国は早急に病院、市庁舎、学校など、全国の旧耐震化基準の公共建築物を「全て」新基準で建て替えるべきです。そうすることで、将来の日本国民の生命を助けることができます。


 そう考えたとき、我が国に「需要がない」などと考えることが、いかに愚かであるかが分かります。需要がないのではありません。需要から「目を背けている」のが、現代の日本国民や政治家であるというのが真実なのです。


 い加減に「国民を大規模自然災害から守る」という巨大な需要から目をそらすことはやめましょう。


「国民を守るという需要から目をそらすな!」に、ご賛同下さる方は、 

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