株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから

三橋貴明のツイッター はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『高度成長期を知ろう①』三橋貴明 AJER2016.3.15

https://youtu.be/DoOeeMOAMNQ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


【緊急追加】平成28年4月6日付倉山満HP掲載記事について

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/20160407.pdf


 ↑しばらく、トップに掲載しておくことに致します。


 安倍政権が消費税増税を強行したことを受け、当時のわたくしは、
これで日本は【国民経済の崖】に突っ込む
 と、書きました。


 代表が実質賃金指数ですが、消費税増税で大きく落ち込み、そこから這い上がれない状況が続いています。


【日本の実質賃金指数の推移(きまって支給する給与)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#J1K


 最近、政治家から、
「アベノミクスは失敗した」
「いや、失敗していない」
 といった話が聞こえてきていますが、改めて書いておきます。問題は「アベノミクスが失敗した」ではなく、「アベノミクスが変わった」ことなのです


 そもそも、2012年の安倍総理はデフレ脱却策として、「金融政策」に加え、
インフラ投資を中心とする財政出動
スーパーコンピューター京や再生医療など技術への投資という成長戦略
 と、三つの政策を掲げました。上記三つを「三本の矢」と評し、アベノミクスと呼ばれるようになったのです。


 ところが、政権が発足した途端、「成長戦略」は「構造改革」へと顔を変え、昨日のエントリーからも分かる通り、2014年度以降は「超緊縮財政」になってしまいました。


「金融政策+財政政策+成長戦略」
 が、
金融政策+緊縮財政+構造改革
 へと変身してしまったのです。


 要するに、
デフレは貨幣現象なんでしょ?(ね、岩田教授。浜田教授) ならば、日本銀行にお任せし、財務省が望む緊縮財政、竹中平蔵氏ら構造改革派が望む構造改革を推進しよう」
 と、バリバリとインフレ対策(緊縮財政、構造改革)を実施してきたのが安倍政権なのです。つまりは、安倍政権は財務省、構造改革派という「声のでかい」あるいは「権力がでかい」勢力のために、本来は「国民のため」であったアベノミクスの中身を入れ替えてしまったのです。


 この手の議論が国会でなされるべきだと思うのですが、現実には「アベノミクスは失敗した」「いや、成功した」と、抽象的な議論ばかりが行われており、情けない限りです。


 ともあれ、14年の消費税増税後に、わたくしは「デフレにはいかなる総理大臣も勝てない」と何度も書きましたが、17年4月の再増税は「見送り」になる可能性が高まってきています


民進党、消費税再増税で新たな見解発表へ 先送りの方向
http://www.sankei.com/politics/news/160407/plt1604070046-n1.html
 民進党は7日の執行役員会で、平成29年4月の消費税率10%への引き上げに関する新たな党の見解をまとめる方針を決めた。行政改革など再増税の前提条件が満たされていない上、今の経済情勢下での引き上げは困難とみて再増税先送りの方向になる可能性が高い。
 見解は党内で議論し、衆院北海道5区補欠選挙(24日投開票)前に発表する。江田憲司代表代行は執行役員会に先立つ記者会見で、再増税に関して「身を切る改革という前提が満たされていない。軽減税率は逆進性緩和にならない。おのずと結論は明らかだ」と先送りを示唆。「近いうちに岡田(克也)代表から党の見解を示したい」と述べた。
 岡田氏はこれまで増税の是非をめぐり賛否が分かれる党内世論に配慮し、態度を明確にしていない。共産など野党3党は民進党を加えた4党で再増税凍結法案の提出を目指している。』


 消費税増税の「見送り」の政治的な空気は、着々と醸成されようとしています。今後のポイントは、三つ。


一. 消費税増税の見送りが「延期」か「凍結」か「減税」か


 もちろん、現在の日本にとって最も適切な政策は「消費減税」です。長期で、国民の可処分所得を増やす必要があるのです。


二. 財政出動(補正予算)について、長期の需要が見込める公共インフラ、技術への投資に踏み込めるか


 「子育て世代への給付金」などと、例により効果が少なく、しかも短期で終わる「一時的な急場しのぎの財政拡大」をどれだけやったところで、我が国のデフレ脱却は果たせません。


三. プライマリーバランス目標の破棄


 とにもかくにも、↑これが諸悪の根源です。目標破棄が政治的に難しいならば、
インフラが残る建設国債は、プライマリーバランス目標から外す」(信じられないことに、今は入っています)
特別会計や特別基金を設置し、プライマリーバランスと無関係に財政の継続的な拡大を可能とする
 といった逃げ方もできますが、いずれにせよ「プライマリーバランス目標」はそもそも経済的におかしいのです。何しろ、「財政健全化の定義」はプライマリーバランスの黒字化ではありません。
政府の負債対GDP比率の引き下げです。 


 というわけで、
「プライマリーバランスではなく、政府の負債対GDP比率の引き下げという、より真っ当な目標に変えます。テヘッ!」
 とやってもOKです。


 いずれにせよ、民進党までもが増税先送りに転じました。せめて本ブログを読んでいる政治家の皆様だけでも、上記「論点」を理解した上で、建設的な「デフレ脱却の議論」を進めてほしいと、切に願うものでございます。



今後も三橋貴明の言論活動をご支援下さる方は、

このリンクをクリックを!

新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキング
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。 新世紀のビッグブラザーへ blog
◆関連ブログ
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba


◆三橋貴明関連情報
Klugにて
「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。