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『高度成長期を知ろう①』三橋貴明 AJER2016.3.15
https://youtu.be/DoOeeMOAMNQ
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2016年4月10日(日)12時から
日台親善シンポジウム「台湾の対中経済政策を考える」
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本日は12時30分からラジオ日本「マット安川のずばり勝負」に出演します。
http://www.jorf.co.jp/?program=yasukawa
さて、ノーベル経済学者のポール・クルーグマン教授が、来日時の官邸とのやり取りを公開し、話題になっています。
『クルーグマン教授 安倍首相の「オフレコ」発言を公開
http://mainichi.jp/articles/20160401/k00/00m/010/080000c
3月22日に首相官邸で開かれた「国際金融経済分析会合」に招かれたポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授が、会合での安倍晋三首相の「オフレコ」発言を含む議事録をネットで公開し、政府が困惑する事態となっている。 (後略)』
日刊ゲンダイなどは「安倍首相赤っ恥 クルーグマン教授が極秘会合の中身を暴露」といった記事に仕立てていますが、内容を見る限り、
「世界経済は弱さが蔓延している」
「金融政策だけでは足りず、財政出動が必要」
「マイナス金利をこれ以上進めるのは難しい」
など、極々当たり前の話ばかりであり、後半の質疑応答にしても、そもそも「極秘」にするほどのレベルとは思えません。一応、官邸側は「首相の発言は極秘でお願いします」と最後に言ったそうですが、極秘にするような話なのですかね。
総理がドイツについて「財政出動の余地が大きい。説得する方法はないか?」と聞いたことが問題なのでしょうか。よく分かりません
それはともかく、スティグリッツ教授にしても、クルーグマン教授にしても、外国人の方が「日本の経済」について適切な分析、提言をしているのは、まことに情けない限りです。日本で発言力が大きいのは、財務省の飼い犬である財政均衡主義者、今回、明確に間違いが明らかになった「デフレは貨幣現象」派、そして特定企業のビジネス拡大を欲する構造改革主義者と、この三派しかいません。
与野党の政治家にしても、
「アベノミクスは失敗した!」
「いや、失敗じゃない!」
と、抽象的な議論ばかりを続けており、「金融政策+財政政策+成長戦略」という政策パッケージが、「金融政策+緊縮財政+構造改革」に変貌してしまった点が問題視されることはありません。中身について議論せずに、アベノミクスの成功も失敗もあったものではありません。
本当に情けない話ですが、またもや「外国」のメディアが上記の「中身」について真っ当な記事を書いていました。
『[FT]安倍首相は消費増税を見送るべきだ(社説)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99086540R30C16A3000000/
安倍晋三首相が2012年に打ち出し、アベノミクスの名で知られる「3本の矢」の経済刺激策における最大の問題点は、日本がそれを十分に実行していないことだ。それは第1の矢の金融政策について言える。日本銀行は今年1月にマイナス金利の導入を決定するまで、昨年の夏から秋まで経済データが下向くのを座視していた。
第2の矢、財政政策についてはなおのことだ。安倍氏は13年に財政出動を開始したが、消費税率が5%から8%に上がった翌14年は大幅な財政引き締めに一転した。需要の弱さに財政引き締めが加わって日本は景気後退に陥り、いまだ完全に回復していない。
安倍氏は再び同じ選択に直面している。日本経済は中国の減速に痛手を受け、なお低迷しているが、消費税は来年春に10%に上がる運びだ。国民は増税を見越し、すでに消費者心理と需要に下押し圧力がかかっている。(後略)』
なぜ野党は、14年度以降の安倍政権の変心、つまりは財政政策から緊縮財政への転換について追及しないのでしょう。もちろん、ほとんどの野党の政治家にせよ「クニノシャッキンデハタンスル~」を信じており、消費税増税は「ショウライセダイニツケヲノコサナイ」ために必須だと考えているからです。
結局、現在の日本にとっての不幸は、
「国民を豊かにする経世済民という意味における『経済』を正しく理解している政治家、政党」
が、あまりにも少ないというか、政党としてはほとんど存在しないも同然という話なのです。
例えば、「消費税」「公共投資」「構造改革」という三つのイシューを考えたとき、デフレ脱却のために必要なのは、
「消費税増税は凍結。公共投資は拡大。構造改革は中止」
という組み合わせになるのですが(スティグリッツそのままですね)、上記を主張する政党は一つもありません。共産党にしても、消費税増税や構造改革に反対するのはともかく、なぜか公共投資まで猛烈に批判します。彼らは要するに「反日本」なので、日本政府の事業は公共投資だろうが原子力発電だろうが、全て嫌いなのでしょう。
結果的に、外国の経済学者、メディアばかりが「日本にとって正しい政策」を主張するという、奇妙な状況になってしまっているのです。
とはいえ、ぼやいていても始まりません。現実には、与野党の区分なく、政治家や政党に「まともな意見」を届けることで、少しずつ、少しずつ状況を改善していくしかないわけです。三橋も、一日本国民としてできる限りの努力を続けますので、皆様もご支援くださいませ。
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