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『高度成長期を知ろう①』三橋貴明 AJER2016.3.15

https://youtu.be/DoOeeMOAMNQ
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2016年4月10日(日)12時から
日台親善シンポジウム「台湾の対中経済政策を考える」

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 【三橋経済塾第五期 第三回】がアップされました。インターネット受講の皆様、お待たせいたしました。
http://members5.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1500
 ゲスト講師は青木泰樹先生、テーマは「リフレの終わり~リフレ政策とは何だったのか?」でございました。


 北海道新幹線が無事に開業いたしました!


 これといったトラブルもなく、東京-新函館北斗間を4時間2分で結び、一日16往復。

 何度も書いていますが、別に北海道新幹線は東京都民のために作ったのではありません。函館市や北斗市の交流人口を拡大し(新青森側も同じ)、各地域のサービス産業の商圏拡大により「経済成長=所得を増やす=豊かになる」ために整備したわけです。(もちろん、観光サービスも「サービス産業」の一つです。)


 もっとも、北海道新幹線は札幌あるいは旭川まで建設しなければ真価を発揮できません。東海道新幹線で東京-浜松間を先行開業したようなものです。「名古屋、大阪まで延伸しなければ意味がない!」と、誰でも思うでしょ?


 政府の財政出動が必要とのコンセンサスが取れつつあるのです。今こそ、北海道新幹線の早期札幌延伸のために予算を使うべきです。財源は「「マイナス金利」」でよろしいでしょ?


 さて、長期金利でマイナスになるほどに銀行が国債発行を切望している状況でありながら、
「ザイセイガ~」
 と、一部の政治家たちが抵抗を示しています。このままでは、日銀の量的緩和が不可能になり(国債が市中銀行から尽きる)、預金金利や生命保険会社の予定利率が下がり、更に銀行の経営も悪化し、国債が投機商品と化し(化しています)、青木先生が経済塾で仰ったように「金融の死」の状態になりかねません。


 特に問題だと思うのは、メルマガでも書きましたが、「オオカミ(財政破綻)は必ず来る」で有名な伊藤元重大先生を代表とする御用学者たちが(訴えて下さって結構ですよ、伊藤先生)、
「政府の借金が、家計の金融資産を上回ると破綻する!」
 といった、ファンタジックな理論を、政治家にインプットしていることです。石破茂地方創生大臣などは、冗談抜きで、この「地球上ではあり得ない理論」を信じています。


 伊藤元重大先生も、石破大臣も、地球圏外に居住している異星人、ということになります。


【日本国家のバランスシート(15年12月末速報値、単位:兆円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#BS15Q4


 あのね。政府がおカネを借りると、負債も増えるけど、資産(現金・預金)も増えるでしょ。おカネを借りるとは、そういうことです。


 政府がおカネを借りると、国内で消費や投資、所得移転として使うため、政府が借りた「資産」は、家計の「資産」に移ってしまうのです。すなわち、政府が国内で日本円を借りれば借りるほど、最終的には家計の金融資産が増えます


 これはもう、地球に住んでいる以上、決して逃れられない原則なのです。


家計・企業の金融資産、12月末は過去最高 現預金の積み増し続く
http://jp.reuters.com/article/household-saving-idJPKCN0WR0D2?sp=true
 日銀が25日に発表した2015年10─12月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は昨年12月末時点で1741兆円と過去最高となった。企業の金融資産も1117兆円と最大。そのうち現金・預金が過去最高の246兆円に増加している。
 12月末の家計の金融資産残高は前年比1.7%増となり、これまで過去最高だった昨年6月末の1734兆円を上回った。前年から29兆円増加したが、このうち株式などの評価額の上昇分は8兆円程度となった。(中略)

 国庫短期証券や財融債を含めた国債残高は1036兆円。償還が発行を上回ったことから、過去最高だった9月末の1040兆円からはわずかに減少した。
 保有者の内訳をみると、大規模な国債買い入れを中心に金融緩和を進めている日銀が331兆円と最大の保有主体。残高に占める比率は32%と約3分の1に達している。(後略)』


 ちなみに、グラフの「政府の負債」は、ロイターの国債・財融債・国庫短期証券の合計よりも大きくなっていますが、これは地方政府分を含んでいるためです。


 バランスシートの「バ」の字も理解していないであろう伊藤元重大先生(繰り返しますが、訴えていいですよ、伊藤先生)に騙され、
「政府の借金が、家計の金融資産を上回ると破綻する!」
 と信じ込んでいる政治家の皆さん。政府の負債が増えれば増えるほど、反対側で家計の金融資産が膨張し、いつまでたっても「政府の借金が、家計の金融資産を上回る」状況が来ないことを、不思議に思いませんか?


 実は、不思議なのは皆さんの頭の方で、落ち着いて考えてみれば誰にでも分かることについて「思考停止」に陥り、伊藤元重らに騙されていたというのが真相なのですよ。


 ちなみに、三橋が「政府の借金が、家計の金融資産を上回ると破綻する!」を信じている政治家の皆さんを、「地球圏外に居住している異星人」と嘲笑していることについて、三橋を恨むのは筋違いです。恨むなら、皆さんに出鱈目を教え込んだ伊藤元重大先生らにして下さいね


 むしろ、三橋には「真実を教えてくれて、ありがとう」と感謝すべきです。


 その上で、責任を「騙した御用学者」たちに押し付け、前説を翻し(修正し、でもいいです)、国民のための財政政策に邁進して下さいませ。
 


今後も三橋貴明の言論活動をご支持下さる方は、

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