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『高度成長期を知ろう①』三橋貴明 AJER2016.3.15

https://youtu.be/DoOeeMOAMNQ
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2016年4月10日(日)12時から
日台親善シンポジウム「台湾の対中経済政策を考える」

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 「マンスリーWILL(ウィル) 2016年 05 月号 」に連載「反撃の経済学 「いま」こそデフレ脱却のラスト・チャンス」が掲載されました。


 さて、「財政出動」の必要性が俄かにクローズアップされており、それは大変結構なのですが、次のポイントは「内容」になります


 消費税の再増税については、最低でも「凍結」。できれば(政治的腕力が必要でしょうが)、5%に戻すことが必要です。つまりは、消費減税です。


 「再延期」では、今と変わらないという話になります。と言いますか、今が消費税延期された状態なのです。


 昨日、16年1月の実質賃金の確報値が出たのですが、「きまって支給する給与」が速報値の0から、▲0.1%に落ち込んでしまいました


【日本の実質賃金指数の推移(きまって支給する給与)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#J1K


 少なくとも、今年の1月までは、日本国民の「貧困化」が継続しているということになります


 さらに、内閣府が3月8日発表した2月の景気ウオッチャー調査によると、街角景気の実感をである現状判断指数が前月比2ポイント低下しました。低下は2カ月連続になります。家計動向、企業動向、雇用関連の全項目で指数が悪化し、内閣府は基調判断んついて、
「弱さがみられる」
 と、前月までの「緩やかな回復基調が続いている」から引き下げました。


 消費税増税の「延期」では、現状が継続するという話になってしまいます。消費税増税は凍結、もしくは減税を実施することで、ようやく「増税前」の状況に戻せるという話に過ぎません


 その上で、改めて「デフレ脱却」のために、いかなる手を打つべきなのか。元々、第二次安倍政権発足前に総理(当時は総裁でしたが)や麻生財務大臣が主張していた政策を実施すればいいのです。すなわち、インフラや技術への政府投資の拡大です


 奇しくも(そうでもないかな?)、ジョセフ・スティグリッツ教授が来日時に安倍政権に提案した政策そのものになります。


 今後の日本は、生産年齢人口比率の低下により、「超」人手不足になっていくことは確実です。すなわち、政府は高度成長期同様に公共投資により「生産性向上」を目指す必要があります。公共投資から用地費等を除いたものが公的固定資本形成です。


 公的固定資本形成は、GDP(支出面)の需要そのものです。


 国土強靭化に加え、新幹線「網」やリニア新幹線、高速道路等のインフラ、さらにはILC(国際リニアコライダー)のような技術に政府が投資し、将来の生産性向上を図る。特に、大阪を中心とした新幹線網、すなわち北陸新幹線の大阪延伸に加え、リニア新幹線の大阪までの早期開業、山陰新幹線、四国新幹線の開業を目指せば、東京に集中している民間投資も大阪へ、西日本へと移っていくことになります。(リニア新幹線は、公共投資というよりは、JR東海への無利子融資で建設を早めるべきですが)


 安倍政権が標榜している「地方創生」という目標と合致します。さらに、政府による需要創出で、現在の「デフレ=総需要の不足」という問題も解決できる。


 一体、何が問題なのだろう・・・。


 と、思いたいところですが、なぜか我が国には公共投資、公共事業を「毛嫌い」する連中が少なくなく、財政支出拡大の必要性をようやく認めたと思ったら、今度は「手当」「給付金」と言い出すわけです。


個人消費拡大なるか プレミアム商品券配布を提言
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000071083.html
 政府の経済財政諮問会議で、民間議員がプレミアム付きの商品券の発行など個人消費拡大に向けた対策を提言しました。
 経済財政諮問会議・議員、榊原定征経団連会長:「政府にも様々な支援をお願いしたいと申し上げた」
 24日の諮問会議で4人の民間議員は、GDP(国内総生産)の600兆円の実現に向けて、低迷している個人消費を拡大するため、昨年度も実施された金額以上の商品を購入できるプレミアム付きの商品券や旅行券の配布を行うことを提案しました。
また、商品券の配布に合わせて秋の大型連休などで全国規模のバーゲンセールを実施すれば、より消費拡大につながるとして、経団連が中心となって検討を進めているということです。』


 一時的に商品券を配ったところで、中長期的な実質賃金や実質消費の拡大には結び付きません。しかも、商品券を配り、その分が支出されたとしても、所得がある人が、
「商品券で必要な消費ができた。残った所得は、預金に回そう」
 とやることを防ぐことはできません。もちろん、やらないよりはマシですが、商品券にせよ手当にせよ、支出分がそのままGDP拡大するとは限らないのです。


 しかも、今の日本にとって必要なのは、長期の需要創出です。長期的に、安定的に所得が拡大していくことなしに、「完全なるデフレ脱却」は果たせません。その意味でも、インフラや技術への投資は適切なのです。


 政府はインフラ・技術に投資せよ!


「政府はインフラ・技術に投資せよ!」に、ご賛同下さる方は、このリンクをクリックを!
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