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『日銀の袋小路①』三橋貴明 AJER2016.2.9

https://youtu.be/vuII-j8bE90
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 2月20日(土)の三橋経済塾第五期第二回講義のお申し込み受付が開始となりました。http://members5.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1412

 第二回のゲスト講師は、評論家の中野剛志先生です。

 講義出席には、事前に三橋経済塾入塾が必要です。入塾の受付はこちら から。


中国崩壊後の世界 (小学館新書) 」が、またもや増刷になりました! 
 これで第四刷になります。ありがとうございます!


 何度も繰り返していた通り、マイナスになると予想はしていましたが、これほどまでに早いとは・・・
 2月9日。ついに、日本の長期金利が「マイナス」になってしまいました


長期金利 初のマイナスに
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160209/k10010403371000.html
 国債の市場では、世界経済の先行きに対する懸念からリスクを避けようと、買い注文が広がり、長期金利の代表的な指標になっている、満期が来るまでの期間が10年の国債の利回りが初めて0%を下回り、マイナスの金利をつけました。
 9日の国債の市場では、取り引き開始直後から買い注文が広がりました。国債が値上がりすると金利は下がる関係にあり、長期金利の代表的な指標になっている満期までの期間が10年の国債の利回りは、一時、マイナス0.035%まで低下しました。
 長期金利は、その後、0%に戻ることもありましたが結局、マイナス0.025%で9日の取り引きを終えました。
 長期金利が0%を割り込んでマイナスとなるのは国内では初めてです。
 これは投資家の間で、今後も国債の値上がりが続くという見方が出ているためで、背景には、日銀が金融機関から預かっている当座預金の一部の資金にマイナス金利を導入すると決めたことがあるうえ、ここに来て世界経済の先行きへの懸念が強まっていることもあります。
 市場関係者は、「世界経済を引っ張ってきたアメリカ経済への懸念が広がっているため、投資家がリスクを避けるならば、株式などより、さらにもうけが出そうな国債に資金を移す動きが一段と強まった」と話しています。(後略)』


 長期金利がマイナスに陥ったのは、スイスに次いで二カ国目になります。スイスは昨年1月15日、スイス国立銀行がスイスフランの対ユーロ為替レートを、1ユーロ=1.2スイスフランとして無制限介入を行う為替方針を突然撤廃し、スイスフランショックを引き起こしたときから、長期金利がマイナスの状況になっています。


 直近のスイスの長期金利は、▲0.307%で、▲0.035%を記録した日本と、低金利(というかマイナス金利幅)競争で激しいデッドヒートを繰り広げています


 現在の世界では、中国を含む新興経済諸国の経済が失速し、先進国から投じられた資金が巻き戻ってきています(厳密には、資金が戻るのではなく、新興経済諸国の通貨が外貨に両替されている)。金利が低く、世界最大の対外純資産国である金主「日本国」にも、資金が巻き戻り、円高になりやすい環境になっているわけです。


 加えて、アメリカの15年10-12月期の経済成長率が失速し、FRBが今後しばらくは再利上げをできないという思惑も、円が買い込まれる一因になっています。


 円高になると、日経平均は下がります。何しろ、日本株の取り引きの71%(2015年)は外国人投資家によるものなのです。


 さらに、日銀のマイナス金利政策により、銀行の収益が悪化することが見込まれ、銀行株を中心に日本株には「売り」が入りやすい環境になっています。


 というわけで、昨日の日経平均は918円も下がり、「日本円」は今や「金(きん)よりも価値が高い」と言われている国債に殺到。日本銀行が量的緩和政策を継続しているため、
「日銀という最終的な買い手がいる」
 という安心感もあり、今や海外投資家までもが必死に「日本国債」を追い求めている有様になっています。


 そして、ついに昨日、10年物国債の利回りが0%を切り、マイナスに突入してしまったのです。マイナス金利、つまりは額面よりも高い金額で国債が買われたため、満期まで保有していると損をします。とはいえ、何しろデフレ継続で民間の資金需要が乏しく、日本円のめぼしい投資先がないため、結局は「国債」に向かわざるを得ないのです。


「クニノシャッキンデハタンスル~ッ!!!」
 はずの日本国の国債が、長期金利でマイナス・・・。もはや、乾いた笑いしか出てきません


 結局、デフレという総需要の不足、つまりはモノやサービスの購入、あるいは消費・投資(全部、同じ意味ですが)が不足している国の政府が、デフレ対策を中央銀行に丸投げし、
「政府によるモノやサービスに対する消費・投資としての支出」
 すなわち、財政出動から顔を背け続けてきた結果、政府、中央銀行共に「袋小路の終点」に追い込まれたというのが、現在の日本の姿なのです。


 それにも関わらず、メディアや政府の諮問会議では、相変わらず「破綻脳」のコメンテーターや評論家、学者が幅を利かし、長期金利マイナスの国において、
「クニノシャッキンデハタンスル~ッ!!!」
 を続け、愚かな政治家が影響を受け、唯一の正解である「国債発行と財政出動」に辿りつけない。


 冗談でも何でもなく、ラブクラフトのクトゥルフものを読んでいるような「不気味さ」を感じます。全ての事実や指標が「国債発行と財政出動」を求めているにもかかわらず、大手マスコミや政界では誰も語ろうとしない


 今の日本国は、狂っています。


「政府は国債発行と財政出動を!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを! 
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