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『人口と経済①』三橋貴明 AJER2016.1.26
https://youtu.be/BHv36JGIezU
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 2月20日(土)の三橋経済塾第五期第二回講義のお申し込み受付が開始となりました。http://members5.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1412

 第二回のゲスト講師は、評論家の中野剛志先生です。

 講義出席には、事前に三橋経済塾入塾が必要です。入塾の受付はこちら から。


 一般参加可能な講演会のお知らせです。


2月6日(土) 14時開演(13時半開場)
【経世済民のため『亡国の新帝国主義(グローバリズム)』を解体する!セミナー 講師:三橋貴明】
http://hikarulandpark.jp/shopdetail/000000000684/


 明日はTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。

http://s.mxtv.jp/morning_cross/


 1月29日、ドイツ南部バーデン・ビュルテンベルク州の難民宿泊施設の敷地に、手榴(しゅりゅう)弾1個が投げ込まれたと、DPA通信が報じました。
 同日、スウェーデンのストックホルムで、反移民を訴えるビラを配っていた覆面姿の男たち約50人が、難民や移民を狙い、次々に通行人らを襲撃するという、信じがたい事件が発生。
 世界の「歪み」が大きくなってきています。
 
 さて、我が国。
 内閣総理大臣が年頭記者会見において、
「「もはやデフレではない」という状況を創り出すことができました。」
 と、宣言した挙句、中央銀行が当座預金に▲0.1%の金利をかけるマイナス金利政策を採用。デフレではないなら、マイナス金利政策なんぞ、採用する必要はないでしょうに。


 総需要の不足であるデフレーションについて、「デフレは貨幣現象」と抽象的かつ間違った理解をした結果、生まれた「歪み」が至るところまで至ったという感じです。


 昨日も軽く触れましたが、我が国の昨年12月の実質消費が▲4.4%と、大きな下落になってしまいました。


12月の実質消費支出4.4%減 4カ月連続マイナス
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL27H5K_X20C16A1000000/
 総務省が29日発表した2015年12月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり31万8254円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比4.4%減少した。前年同月を下回るのは4カ月連続。QUICKが発表前にまとめた市場予想の中央値は2.4%減だった。(後略)』


 ちなみに、昨年11月の実質「賃金」の「きまって支給する給与」は、速報値段階では対前年比0.1%だったのが、確報値で▲0.1%に下方修正されてしまいました。

 というわけで、実質賃金と実質消費をグラフ化しました。


【日本の実質消費・実質賃金(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#Jsyohi


 特に、実質消費の12月に注目してほしいのですが、15年12月に▲4.4%になったのは、別に14年12月の反動とかではありません。何しろ、14年12月の実質消費も、対前年比▲3.4%だったのです。


 3.4%下がり、さらに4.4%下がった。信じられないかも知れませんが、日本国民は消費税増税前の13年12月と比べて、二年かけて実質消費を8%近くも減らしてしまったことになります。衝撃的な数値です。


 我々日本国民は、二年前と比べ、消費が8%近く(実質的、つまり量で)減少するという「貧困化」に叩き落された状況にあるわけです。


 この状況で、
「「もはやデフレではない」という状況を創り出すことができました。」
 と首相が記者会見で明言し、「アベノミクスは成功した」などと政府関係者が発言するわけですから、正気とも思えません


 ちなみに、12月の実質消費激減の理由は、「暖冬で衣料品が大幅に落ち込んだ」ためだそうです。日本経済は何と脆弱なのでしょうか。と言いますか、暖冬で衣料品の購入が落ち込む「程度」で、全体の実質消費が押し下げられてしまうのですか。

 あるいは、実質賃金が堅調に上昇している状況で、実質消費「のみ」が落ち込んだのならば、「暖冬のせい」と説明したとしても、まだ筋が通ります。


 残念ながら、日本国民の実質賃金は、15年5月まで続いた激しい落ち込みこそ終わったものの、その後は横ばいで、全く豊かになっていません。


 なぜ、普通に、
日本国民が貧困化したため、実質的に消費を減らしている
 と、理解しようとしないのでしょうか。


 いや、理解はしているものの、そんな説明をした日には、アベノミクスの「失敗」を認めることになってしまうため、「暖冬のせい」と逃げを打つしかないのでしょうけれども。


 14年夏の「エアコン経済」に続き、今度は「暖冬経済」というわけです。日本経済はやたら「天候」の影響を受けるんですねえ・・・。知りませんでたよ(棒)。アベノミクスだ何だと、経済政策を打つより、「猛暑になりますように」「暖冬になりませんように」と、祈祷師さんに祈りを捧げてもらった方が、よほど効果があるのではないですか?


 などと、揶揄したくなるほどに、政府の政策・説明と「現実の経済」の歪みが大きくなってきています。10-12月の経済成長率がマイナスになることは、ほぼ確実です。 


 アベノミクスは、失敗したのです。理由は簡単。総需要の不足という「デフレーション」に苦しめられている国が、緊縮財政という総需要抑制策を猛烈な勢いで推進したためです。


 すでに手遅れのような気もしますが、とりあえず安倍総理大臣に一言申し上げたいわけです。
 安倍総理、現実を見て下さい



「安倍総理、現実を見て下さい」に、ご賛同下さった方は、 ↓このリンクをクリックを!
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