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『三橋貴明の台湾報告①』三橋貴明 AJER2015.12.15
https://youtu.be/-sSCuFZnEfU
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 日本を亡国(国民が主権を失う、という意味)に導く「三大嘘」は、以下三つであると確信しています。
「国の借金で破綻する~っ!!!」
「日本は公共投資をやりすぎた(もしくは「人口が減るから公共投資は不要」)」
「日本は人口が減って衰退する~っ!!!」


 無論、他にも色々と嘘(日本は輸出依存国!とか)はありますが、とにもかくにも上記三つは影響(悪影響)が大きすぎるのです。


 というわけで、わたくしは言論活動を始めた当初から、上記の「嘘」について繰り返し、繰り返し否定してきたのですが、特に日本国で暮らす日本国民に「閉塞感」「絶望感」を与えるのは、人口問題(に関する嘘)でしょう。


 何度も書いてきましたが、日本の「人口問題」(問題があるとして)は、
「日本は人口が減って衰退する~っ!!!」
 といった情緒的かつ意味不明な話ではなく、生産年齢人口対総人口比率の低下です。


【図 日本の総人口(左軸、千人)と生産年齢人口比率(右軸、%) 】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_51.html#Jinko


 図の通り、日本の生産年齢人口比率はバブル期には70%程度だったのが、直近の15年7月のデータで60.78%。少子高齢化が継続している以上、60%を割り込んでくるのは確実です。
「だから大変だ~っ!」


 ではなく、今後の日本は(恐らく)人類が経験したことがない「超人手不足」の時代に突入すると理解するべきなのです。


 そして、人手不足を解消するための「解決策」を間違えさえしなければ、我が国は再び繁栄への道を歩み始め、少子化の原因である若い世代の実質賃金低下も食い止められ、所得増と雇用安定化が定着すれば少子化が解消し、そのうち人口も戻り始めることになるでしょう。


 人手不足解消のための正しい「解決策」は、もちろん「外国人労働者を~」ではなく、生産性の向上です。同じく「超人手不足」だった高度成長期と同様に、生産性向上で人手不足(あるいはインフレギャップ)の解消を図れば、我が国は普通に高い成長率を取り戻せます。


 生産性の向上のためには、設備投資、人材投資、公共投資、技術開発投資という四投資を「リスク」を受け入れた上で拡大する必要があります。生産性向上でインフレギャップが埋まれば、GDP三面等価の原則により「イコール生産者の所得拡大」となり、国民が豊かになります。豊かになった国民は、消費や住宅投資を増やすため、需要(=名目GDP)が拡大し、またもやインフレギャップ、人手不足の環境になります。


 生産性向上により、またもや人手不足になる。という話なのですが、そのとき、どうするべきなのか。もちろん、さらなる生産性の向上です


 断言しますが、経済成長は、特に日本のような人口大国では「インフレギャップ(=人手不足)」環境下における生産性の向上以外では起きません。そして、我が国は人口構造上、国内の全ての産業、企業、そして地域が「超人手不足」になることが確定しているのです。何と、幸運な国なのでしょうか。


 すでに、介護や土木・建築、運送など、一部の業界で「超人手不足」が始まっており、インフレギャップを埋めるための生産性向上に向けた「現場の努力」が始まっています。


介護職員不足25万人 さらに5万人増 20年代初頭推計
http://www.asahi.com/articles/DA3S12155807.html
 厚生労働省は12日、2020年代初頭の介護職員の不足数について、これまでより約5万人多い約25万人とする新たな推計を公表した。安倍政権が「1億総活躍社会」に向けて掲げる同時期までの「介護離職ゼロ」を実現するには、人材を増やす必要性が生じた。(後略)』


 後略部の朝日新聞の記事に書かれているのですが、介護職場の生産性向上を目指す有識者懇談会では、介護ロボットの活用などが議論されています。介護分野の「機械化」は、生産性向上のみならず、労災(介護職員の方は腰を痛めがちなのです)を減らす意味でも重要です。


 同時に、公的サービスである介護分野では「介護報酬」を引き上げ、介護職員の所得と雇用の安定化を実現する必要があります。介護分野の人手不足解消は、「介護報酬引き上げ」と「生産性向上」のパッケージこそが正しい解決策になるのです。


 ところが、現実の安倍政権は介護報酬の引き下げ(耳を疑いました)を断行。さらに、介護分野における「外国人労働者受入」を推進しています。


 二重の意味で間違っているのです


 結局のところ、冒頭の「三つの嘘」がボトルネック(制約条件)になり、
「ザイセイハタ~ンするから、介護報酬は増やせない。生産性向上のための交通インフラの整備もできない。日本はこのまま人口減少で衰退してハタンする~っ!」
 という「シナリオ」が成立してしまっており、官僚や政治家もシナリオに沿った形で我が国を「亡国」の状態に引きずり込もうとしているわけです。


 ならば、どうすればいいのでしょう。


 とりあえず、国民や政治家が冒頭の三つに代表される「亡国の嘘」が嘘であることを認識しなければなりません。逆に言えば、それだけでいいのです。


 正直、現在の欧州や中国の問題に対する「正しい解決策」を出せと言われても、「無理です」としか言いようがありません。繁栄への道が存在しない可能性が高い他国と比べ、我が国は信じられないほど幸運であるという事実を、是非とも知ってほしいのです。


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