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『三橋貴明の台湾報告①』三橋貴明 AJER2015.12.15
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お待たせいたしました! 山手トンネルをこよなく愛する三橋貴明が、首都高速のシールドトンネルを取材して参りました。
さて、昨日の続きです。
昨日は、単にトリクルダウン仮説について解説しただけで、竹中氏の「真意」には踏み込みませんでした。そもそも、竹中平蔵氏はなぜ「トリクルダウンはあり得ない」と語ったのか。
安倍総理は、年頭の記者会見において、フジテレビの西垣記者の「選挙に向けてこの半年、国会が今日から開く中、どういった目標を掲げていかれるお考えでしょうか」という質問に対し、
「将来の老後に備えて、あるいは子育てのためにも使っていくことになるわけでありまして、これは正に成長と分配の好循環をつくっていくという新しい経済モデルを私たちは創っていく。その「挑戦」を行っていかなければいけないと思います」
と、答えました。
「分配」という言葉を総理が使ったのは、初めてのような気がいたします。(少なくとも、わたくしの記憶にはありません)
わたくしは昨年末に刊行した徳間書店「2016 年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本
」において、
『安倍総理は2015年1月28日の参院本会議で、民主党の質問に答えるかたちで、
「安倍政権としてめざすのはトリクルダウンではなく、経済の好循環の実現だ」
と、トリクルダウンを否定した。
だが、実際に安倍政権が推進している政策は、消費税増税をはじめとする緊縮財政にせよ、法人税の実効税率引き下げにせよ、あるいは様々な構造改革にせよ、明らかに特定のグローバル投資家を利する政策ばかりだ。
グローバル投資家に傾注した政策を推進しつつ、トリクルダウンを否定したため、筆者はむしろ総理が国内の所得格差の拡大を歓迎しているかような印象を受けたものである。
すなわち、富裕層やグローバル投資家、大企業を優先する政策を打つ政権は、言い訳としてトリクルダウン理論を持ち出すのだ。法人税減税や消費増税、構造改革など、国内の所得格差を拡大する政策を繰り出しつつ、トリクルダウンすら否定するのでは、余計に問題ではないだろうか。
安倍総理が、そこまで理解した上で、トリクルダウンを否定したのかは不明だが。(P107~)』
と、書きました。
朝生のを見た限り、竹中氏は別に、
「トリクルダウンはあり得ないんです。ごめんなさい」
というニュアンスで「トリクルダウンはあり得ない」と語ったわけではないわけです。
トリクルダウンなど起きえない。政府の政策で富が「滴り落ちる」のを待っている方が悪い、というニュアンスでトリクルダウンを否定したのでございます。すなわち、格差肯定論としてのトリクルダウンの否定なのです。
そもそも、トリクルダウン仮説は民主主義国家において、一部の富裕層や法人企業に傾注した政策をする際、有権者である国民に「言い訳」をするために編み出されたレトリックなのです。
「富裕層や大手企業を富ます政策をやるけど、いずれ富は国民の皆さんに滴り落ちるので、安心してね」
というわけでございます。
もっとも、トリクルダウンは別に民主主義国の専売特許というわけではなく、中華人民共和国の鄧小平が改革開放を始める際に連呼した「先富論」も、まさにトリクルダウン仮説そのものでした。
つまりは、政治家がグローバリズム、新自由主義的な構造改革、緊縮財政を推進し、国民の多数を痛めつける際に「言い訳」として持ち出されるのがトリクルダウン仮説なのです。
竹中氏がトリクルダウンを否定したのは、構造改革を推進するに際し、国民に言い訳をする必要性を感じなくなったのか、あるいは言い訳するのが面倒くさくなったのかのいずれかでしょう。
「面倒くせえな。トリクルダウンなんてあるわけないだろ。政府の政策で、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧困化し、それでいいんだよ。どうせ、負けた奴は自己責任なんだから」
と、一種の開き直りで「トリクルダウンはあり得ない」と竹中氏が発言したと確信しています。
とはいえ、総理が「分配」と言い出したということは、竹中氏はともかく「政治家」にとっては、「トリクルダウンすらない構造改革、富裕層・大企業優遇政策」は、有権者に説明がつかないということなのだと思います。
「竹中氏がトリクルダウンを否定した。へ~え。つまり、あんた(国会議員)たちは富める者がさらに富み、貧困層はますます貧困化する政策を肯定するんだな?」
という突っ込みを受けるのは、安倍総理とはいえどもきついでしょう。
2016年は、政治の季節です。安倍政権の構造改革、緊縮財政路線を転換させるためにも、本日と昨日のトリクルダウン関連のエントリーにおける「レトリック」をご活用下さいませ。
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