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『三橋貴明の台湾報告①』三橋貴明 AJER2015.12.15
https://youtu.be/-sSCuFZnEfU
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【2016年元旦に、モーニングCROSSに出演した際の一枚】


 昨日のTOKYO MX「モーニングCROSS」でも取り上げましたが、新幹線整備のポイントは、
高速鉄道により地域同士を短時間で結びつけることで、経済成長(集中)と安全保障(分散)を両立させる
 ことにあります。


 距離的に離れており、非常事態(大震災など)発生時に助け合うことが可能な「分散」が成立していたとしても新幹線で短時間で行き来ができれば、商圏的には統合することができるです。


 以前、北陸新幹線開通により、金沢の企業さんが、これまでは大阪を見ていたのが、東京ばかりを見るようになってしまった。すなわち、仕入先を大阪から東京に切り替えてしまった、という話をしました。 


 東京-金沢間が短時間で結ばれた結果、「東京の企業」にとって、商圏が金沢まで広がったのです。その分、大阪の企業の商圏が縮小してしまいました。だからこそ、北陸新幹線は早急に新大阪まで延伸しなければまずい、と主張しているわけです。


 昨日のMXの番組では、北海道新幹線(新青森-函館・北斗間)開通について、東京でインタビューを受けた方々が、
「函館まで四時間はちょっと・・・・」
 という答えが多く、わたくしと山口さん(山口真由さんは北海道出身)がプリプリ怒っていましたが、別に北海道新幹線は東京都民の利便性向上のためのみで建設されたわけではありません


青函に時速200キロ「貨物新幹線」検討 新幹線は東京へ最速3時間台
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0218692.html
 国土交通省とJR北海道、東日本、貨物の3社などは、コンテナを直接載せる方式で、最高時速200キロで走行できる新幹線仕様の貨物列車を開発し、3月開業の北海道新幹線新青森―新函館北斗間(約149キロ)に走らせる方向で検討を始めた。いわば「貨物新幹線」と言える構想。北海道新幹線の高速化が可能になり同区間の所要時間を18分短縮できる上、貨物輸送のスピードアップにもつながる。積み込むコンテナの左右に「側壁」を設けて対向車両の風圧を防ぐ。新年度以降、車両の開発を急ぎ、2020年代前半の実用化を目指す。(後略)』


 北海道新幹線は青函トンネルなど約82キロの在来線貨物との共用区間で、貨物の荷崩れ防止などが理由で、最高時速が140キロに制限されてしまいます。だからこそ、東京-函館・北斗間が4時間かかってしまうのです。

 もっとも、新幹線仕様の貨物列車への切り替えが進めば速度制限が緩和され、新幹線は260キロ、貨物新幹線も従来の110キロより格段に速い200キロで走行できるようになります。すると、新青森―新函館北斗間の所要時間は最短1時間1分から43分に、東京―新函館北斗間が開業時の最速4時間2分から3時間44分へと縮まります


 注目すべきは、東京-函館北斗よりも、新青森-新函館北斗間の方です。現在、青森から函館までは、特急スーパー白鳥で2時間くらいかかります。これが、最終的には「43分」になるとなると、影響は大きいです。


 もちろん、そもそも新青森や函館北斗が町中から離れている、という問題もあるわけですが、とりあえずは「考え方」ですね。地域同士が新幹線により短時間で結ばれることで、お互いがお互いの商圏を標的市場とすることができる点が「ポイント」なのです。 


 つまりは、函館の企業は青森や東北で、青森の企業は函館や北海道でビジネスを拡大しやすくなるという話です。すなわち、新幹線は「商圏の人口規模」を拡大することになるわけです。

 ビジネスを拡大し、経済力(モノ・サービスの供給能力)を蓄積するためには、ある程度の「市場規模」が必要です。商圏の人口規模の拡大は、間違いなく経済力の蓄積に貢献します。


 そう考えたとき、我が国の地方が「人口減少」に悩んでいるから、もはや公共投資や新幹線整備は不要だ。ではなく、人口減少に悩んでいるからこそ、商圏の人口規模を拡大することが必要で、そのために新幹線が打ってつけであるという「事実」が理解できるはずです。


 新幹線整備は、地方経済の再生のために不可欠なのです。


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