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『投資の重要性①』三橋貴明 AJER2015.11.17(5)

https://youtu.be/PLPnW3LWuPQ

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12月20日 第二回チャンネルAJER講演会「2015年を総括する~徹底検証この一年~」に出演します。

https://www.facebook.com/events/1519342045059642/

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 一般参加可能な講演会のお知らせです。

 12月20日(日) 第2回 チャンネルAJER定期講演会「2015年を総括する-徹底検証 この一年- 」に出演します。

 上記、チャンネルAJERの講演会でも同席する渡邊哲也氏との対談本「これからヤバイ世界経済-2016年を読み解く5つのポイント- 」がビジネス社から刊行になりました。



 予め書いておきますが、わたくしは本書で「ぶっちゃけ」ています。しばらく「硬い本」が続きましたが、本書は文句なしで今年一番の「軽く、明るい」本です。
 まあ、明るいのは内容ではなくて、文体ですが。


 タイトルにもある「5つのポイント」とは、以下になります。


●第1のポイント ゼロ成長に向かう中国
●第2のポイント 大量難民で融解化するユーロ圏
●第3のポイント 大構造改革でさらにデフレ化する日本
●第4のポイント 前例踏襲で破滅の道を進む日本
●第5のポイント 利上げに走る米国と途上国化する先進国


 お分かりかも知れませんが、第1のポイントから第5のポイントまで、実は共通の「根っこ」を持っています。すなわち、グローバリズムです

 厳密に書けば、グローバリズムの「限界」ですが、特に2016年の世界経済に多大な影響を与えそうなのが、1と5だと思います。


『NY原油価格一時36ドル台 ダウ平均も下落
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000064027.html
 ニューヨーク市場で原油価格が6年10カ月ぶりの安値となりました。ダウ平均株価も一時200ドル以上下落しました。
 8日のニューヨーク原油先物相場は、先週、OPEC(石油輸出国機構)が減産を見送ったことを受け、供給が過剰になるとの見方から、一時1バレル36ドル台まで下落しました。約6年10カ月ぶりの安値更新です。ダウ平均株価は、石油関連株が軒並み値を下げ、一時200ドル以上下落しました。市場関係者は「原油価格は予測しづらい」と述べ、しばらくは不
安定な相場が続くとみています。』


 ポイントは、原油価格が下がっていることではなく、
原油価格が下がったにも関わらず、需要が増えない
 という点だと考えています。


 経済学的(すなわち「セイの法則」的)な話をすれば、価格が下がった以上、需要が増える「はず」なのですが、現実にはそうはなっていません。

 やはり、これまで原油をドカ食いしていた「中国経済」の失速が、大きな影響を与えているわけです。


 10月13日のブルームバーグ紙は、中国で一部の原油地上貯蔵施設が満杯になっており、200万バレル積みの超大型原油タンカーの荷卸しまでの待機時間が伸びていると報じています。通常、超大型タンカーは港湾到着後1日以内に出港する者なのですが、ブルームバーグの集計によると、少なくとも19隻の超大型タンカーが中国沖合で2週間以上も停泊している有様だとのことでございます。


 中国共産党は、原油の戦略的国家備蓄を増やしていますが、貯蔵施設が一杯になってしまえば、それもできなくなります。すでに、中国には一年分以上の原油在庫が積み上がっている状況です。

 中国の税関総署が12月8日に発表した統計によると、同国の11月の輸入は5.6%の減少。輸入減少は、中国としては過去最長の1年1カ月連続となっています。


 というわけで、新興経済諸国、特に資源輸出に依存している新興経済諸国は、中国の「輸入失速」と資源価格(原油だけではありません)の下落のダメージを受け、通貨が下落する状況になっています。このタイミングで、アメリカのFRBが「利上げ」をした場合・・・。


 16年は、新興経済諸国を中心に、デフォルト(債務不履行)のラッシュになる可能性があるわけです。次回のFOMCは一週間後の12月16日ですが、利上げの可能性は極めて高くなっています。


 小学館「中国崩壊後の世界 」で詳しく取り上げましたが、10月16日のロイターの記事「商品価格安が世界に波紋、「中国の成長は永久」との期待が誤算に」において、HSBCのアジア経済調査共同責任者、フレデリック・ノイマン氏はが、


「『中国は永久に右肩上がりで成長する』との期待から、数千億ドルが原油、天然ガス、鉄鉱石、石炭などのコモディティ採掘につぎ込まれた。その状況はもはや変わった。そのため、政府や企業の投資の多くはいまやひどい失敗だったとみなされており、経済や株価は悪影響を受けた。あれは巨大なバブルだった。巨額の資金が不適切なところに配分され、いま巻き戻しを余儀なくされている」


 と、語っています。

 まさに、今回のグローバリズムの柱の一つは、「中国は永久に右肩上がりで成長するとの期待」だったわけですが、それが幻想だった事実に世界は気が付き始めているわけです。


 そして、同じく今回のグローバリズムの柱の一つ「ユーロ・グローバリズム」もまた、幻想的な社会実験としての役割を終えようとしています。


 明日に続きます。

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