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『投資の重要性①』三橋貴明 AJER2015.11.17(5)

https://youtu.be/PLPnW3LWuPQ

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 徳間書店「2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本 」が発売になりました。



 「月刊WiLL (ウィル) 2016年1月号 」に連載「反撃の経済学 新・アベノミクス、三つの「的」」が掲載されました。


 11月25日、日本銀行が10月30日の金融政策決定会合の議事要旨を公開しました。
 もう、何が何やら・・・。


国民はデフレ脱却と評価、政策現状維持重要=日銀議事要旨
http://jp.reuters.com/article/2015/11/25/idJPL3N13K07S20151125
- 日銀が25日公表した議事要旨によると、10月30日の金融政策決定会合では、物価上昇率がゼロ%であっても家計は物価が上がっていると認識しており、デフレから脱却しつつあるとの指摘が出ていたことが分かった。同会合で日銀は2%の物価目標達成時期を延期し、事前には市場で追加緩和観測も出ていたため、議論の内容が注目されていた。
<追加緩和手段に限界ない>
  議事要旨によると、委員らは「2%の物価目標は安定的に達成すべきで物価の基調的な動きを重視すべき」点で一致。一人の委員は「物価の改善基調を維持するように金融政策を運営すれば日銀への信認は失われない」と指摘した。仮に追加緩和に踏み切る場合も「手段に限界はない」と一人の委員は述べた。

 日銀が本来政策運営の目安としている消費者物価指数で生鮮を除くコアCPIが前年比ゼロ%近傍で推移しているにも関わらず、物価が基調的に上昇しているとみる根拠として、多くの委員は、生鮮食品をエネルギーを除いた消費者物価指数(日銀版コアコア指数)が前年比1.2%まで上昇していることを挙げた。コアCPIの上昇品目比率から下落品目比率を差し引いた指標がはっきり上昇している点も取り上げた。(中略)
 日銀は2013年4月にQQEを打ち出した際、2年程度で2%の目標達成を掲げたが、現実には目標達成時期の延期を繰り返している。この点について委員らは「予想物価上昇率を2%にアンカーし直さなければならない日銀にとって、(2年との)コミットメントは必要な措置」との認識を示した。これに対して、2017年度末までの見通し期間中での目標達成は無理とみる一人の委員が、2年とは、「常に(現時点から)先行き2年程度を念頭に置くローリングターゲットと考えている」との見解を述べた。』


 もはや、どこから突っ込んでいいのか分かりませんが、
物価上昇率がゼロ%であっても、物価が上がっていると認識している
 とは、これいかに・・・。日本国民の99.99999%は理解できないように思えるのは、わたくしだけでしょうか。

「物価の改善基調を維持するように金融政策を運営すれば日銀への信認は失われない」
 って、すでにしてコミットメント(責任ある宣言)を反故にしてしまっている以上、日銀への信任も何もあったものではありません。現在の日本で物価上昇率が上昇しないのは、別に「日銀への信任」云々ではなく、単に需要が不足しているためです。


 さらに、「生鮮食品をエネルギーを除いた消費者物価指数」(コアコアCPI)が、いつの間にかインフレ率になっているようですが、一切の国民への説明はなし、と。別に、コアコアCPIをインフレ率に定めるのは構わないと思いますが、それならば、
「なぜ、コアCPIからコアコアCPIにインフレ目標を変えるのか」
 を説明し、今後、原油価格が上昇に転じた際に、いきなりインフレ率の定義を「コアCPI」に変更したりはしない、というコミットメント(笑)が必要な気がいたします。原油価格の変動次第で、インフレ率の定義をコロコロと変えるのでは、政策目標も何もあったものではありません。


 そして、問題の「ローリングターゲット」。 
 ローリングターゲットとは、これ、いかに? 転がる目標?


 つまりは、達成できなかった時は「先送りを続けます」というコミットメント(笑)というわけなのでしょうか。もう、わけが分かりません。


 先送りを前提にした目標など、立てる意味があるのでしょうか。別に、立てるのは勝手ですが、それこそ「日本銀行の信任」に関わるような気がいたしますが・・・。


「明日から、真剣に働く!」
 と、宣言した人が、次の日、
明日から本気出す!
 と、言い続けるのと、一体、何が違うのでしょうか。


 いずれにせよ、今回の金融政策決定会合で、日本銀行にはもはやデフレ脱却のためのイニシアティブ(主導権というよりは、主導する力)がないことが明らかになったように思えます。日本銀行は、劣化しました。

 政府がデフレ対策について日銀丸投げの姿勢を改めない限り、我が国が本格的にデフレから脱却し、国民が豊かになる日本は取り戻すことができないでしょう。デフレ脱却のためには、政府が主導力を発揮しなければならないのです。


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