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『投資の重要性①』三橋貴明 AJER2015.11.17(5)

https://youtu.be/PLPnW3LWuPQ

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 徳間書店「2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本 」が発売になりました。



 1999年、ある学者が「転換期の日本経済(岩波書店)」を刊行し、社会保障と財政について、以下の通り主張しました。


「社会保障制度の基本に立ち返りどのようなシステムを設計するかではなく、ともかく財政赤字を抑制するためには数字の上でどのようなことがなされなければならないか、という議論が先行してきた。そのために『国民負担率』をめぐる議論と同じように、社会保障を抑制しないと日本経済が『破局』をむかえるというプロパガンダが使われてきた
 
 すなわち、財務省が主導する緊縮財政路線を手厳しく批判し、「財政や社会保障の本質的な意義を思い出すべき」という主張でございます。


 実に真っ当で、納得がいく主張でございます。大変残念なことに、16年後の今も、財務省を中心に「社会保障を抑制しないと日本経済が破局を迎える」といったプロパガンダが横行し、デフレ下の緊縮財政が継続しています。


 結果的に、我が国は成長路線を取り戻すことができず、財政が悪化し、またもや社会保障の抑制、という悪循環が続いているわけです。


『2015年11月25日 読売新聞「診療報酬下げ攻防へ 16年度予算編成 10年ぶり切り込み焦点
2016年度予算編成に向け、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は24日、15年度からの社会保障費の伸びを5000億円弱に抑えることを柱とする意見書を麻生財務相に提出した。財務省は医療機関に支払う診療報酬を引き下げ、財政再建を着実に進めたい考えだ。しかし、厚生労働省と強い政治力を持つ日本医師会は反発しており、激しい攻防戦が予想される。(中略)
 政府は6月、20年度に国・地方の基礎的財政収支を黒字化させる財政健全化計画を閣議決定し、「集中改革期間」とした今後3年間で社会保障費の増加を1.5兆円程度に抑える目安を掲げた。16年度の伸びを5000億円弱に抑えるのは譲れ
ない一線といえる。財政審の吉川洋会長(東大教授)は記者会見で、「最初が肝心だ」と強調した。(後略)』


 代表的な御用学者と言っても過言ではない東京大学の吉川洋教授が会長を務める財政審が、ついに本命たる診療報酬の引き下げに動き出しました。つまりは、財務省が診療報酬削減に進み始めたということです。


 冒頭の「ある学者」の言葉を、再掲します。


「社会保障制度の基本に立ち返りどのようなシステムを設計するかではなく、ともかく財政赤字を抑制するためには数字の上でどのようなことがなされなければならないか、という議論が先行してきた。そのために『国民負担率』をめぐる議論と同じように、社会保障を抑制しないと日本経済が『破局』をむかえるというプロパガンダが使われてきた」


 まさに、社会保障制度の基本を無視し、日本財政破綻論という嘘のプロパガンダに則り、社会保障の抑制を進めようとしているのが、吉川洋教授率いる財政審の御用学者軍団というわけでございます。
 
 さて、上記の実に真っ当な社会保障と財政に関する主張が掲載された「転換期の日本経済」を書いた人物が誰なのか、お分かりですね。


 もちろん、東京大学の吉川洋教授です。すなわち、現在は財政審の会長を務め、社会保障の基本を無視した緊縮路線推進のために尽力を尽くしている、吉川洋教授その人なのです
 
 これが、日本の現実です。


 学者たちが、財務省の緊縮路線を推進するため、平気で「真っ当な主張」を翻す。理由が権力なのか、名誉なのかは知りませんが、学者としての良心の欠片も持たない御用学者たちの存在こそが、我が国の病の象徴なのでございます。


 このまま財務省の診療報酬削減路線が推進されると、我が国の医療サービスの質は下がらざるを得ません。すでにして、現場の医師たちは人手不足の中、過労に喘いでいます。


 ちなみに、OECD諸国の人口1000人当たり医師数の平均は3人ですが、日本は2人です。しかも、日本の医師数は、高齢者や産休でお休みしている女医さんなどを全て含め、水増しした状況でOECD平均の三分の二なのです。実際には、OECD平均の半分強といったところではないでしょうか。


 なぜ、こんなことになってしまったのか。まさしく、1999年の吉川教授が懸念していた通り、社会保障制度の基本を無視した緊縮財政路線が推進されてきたためです。


 そして、16年後の2015年、その吉川教授が自らが手厳しく批判していた、社会保障制度の基本を無視した緊縮財政路線の先頭を走っています。これが「日本の現実」です。


 腐っている・・・・。以外に、表現のしようがありません。


 この手の御用学者が政界を跋扈している限り、我が国が「経世済民」を取り戻す日は訪れないでしょう。



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