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『投資の重要性①』三橋貴明 AJER2015.11.17(5)

https://youtu.be/PLPnW3LWuPQ

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 現在、日本語に基づく各種のコンテンツ、例えばコミック、アニメ、ゲーム等が、戦略的にソフトパワー拡大を推進するアメリカのコンテンツ超える水準にまで、世界に受け入れられつつありましょう。なぜなのでしょうか。


 理由の一つに、日本語が世界にも稀に見るほどに曖昧性に富み、抽象的かつ多様的な表現に秀でた言語であることがあると思います。たとえば、英語の「私」は「I」以外には存在しません。それに対し、英語の「I」に該当する日本語は、果たしていくつあるでしょうか。私、僕、あたし、我、拙者、小生、自分、それがし、わっち、おいどん、俺、おいら、手前、我輩、余、身ども、ウチ、わちき、当方、わらわ、俺様、わし、おら、あっし、こちとら、などなど、ざっと上げただけでも十種類以上もあります。しかも、それぞれの(日本語の)「I」には、TPOがあります。それぞれの言葉に、「使うべき場所」「使うべき環境」「使うべき状況」が定められているのです。


 大陸諸国の言語は、「一つの意志」について多種多様な表現ができないように作られています


 なぜか。

 大石久和先生の著作などを読むと、理由は、大陸諸国の人々が、いつ、なんどき、地平線の向こう側から騎馬に載った異民族が押し寄せ、住民が「皆殺しにされる」という事態が起きるか分からない環境下で生き抜くことを強いられたためとのことです。ユーラシア大陸の「都市」は、必ず城壁に囲まれています。次の瞬間、地平線の向こう側から殺戮者たちが殺到するか分からない「都市」に居住していた人々は、いざ事があった際には「兵士」として、城壁の守護の任務に就かざるを得なかったのです。


 ユーラシア大陸の都市の住民は、異民族の襲来などの非常事態の際には「兵士」として城壁を守るために戦う必要がありました。さもなければ、城壁内の同僚や家族はもちろんのこと、自らも命を失いかねないわけです。

 結果的に、欧州や支那の言語は、命令の際に誤解が可能な限り生じない形で発展しました。すなわち、抽象性や曖昧性を切り捨てたわけです。


 それに対し、我が国は歴史的に異民族の襲来を経験したことがほとんどありません(元寇が唯一の例外)。というわけで、世界において日本語のみが唯一、「非常事態発生時の命令」を意識することなく多様的な発展を遂げ、抽象性や曖昧性を含有しつつ進化しました


 結果的に、我が国では他国を軽く凌駕する多様性に富んだ、包容性に満ち溢れた各種のコンテンツが発展することになります。日本のコンテンツが今日、世界に受け入れられ始めているのは、我が国の言語が極端なまでに抽象的、曖昧的な表現が可能であることと、絶対に無関係ではありません。

 とはいえ、日本のコンテンツを世界に羽ばたかせようとしている日本語は、一つ、重大な欠点を持ち合わせています。すなわち、「問題」を解決しようとした際に、抽象的な言語は甚だしい困難をもたらしてしまうのです


「雇用・所得環境は改善しており、緩やかな回復基調は続いていると考えているが、この結果をよく分析したいと思う」
「一部に弱さが見られるものの、企業収益は過去最高水準にあり、雇用・所得環境の改善が続くなど緩やかな回復基調が続いている」
「日本経済は一部に弱さが見られるものの、穏やかな回復基調にある」


 上記が何かといえば、2015年7-9月期の実質GDPが対前期比で▲0.2%(年率換算▲0.8%)となったことを受けた、政府要人の発言になります。初めから順番に、それぞれ安倍総理大臣、甘利経済再生担当大臣、菅官房長官の発言です


 緩やかな回復基調とは、果たして何なのか?


 日本銀行は19日の金融政策決定会合で、金融政策について現状維持を決めましたが、やはり「緩やかな回復基調」だそうです。


日銀、金融政策を現状維持 景気の基調判断も据え置き
http://www.asahi.com/articles/ASHCL6QK9HCLULFA02W.html
 日本銀行は19日の金融政策決定会合で、金融政策の「現状維持」を決めた。国債などを買う額を増やした昨年10月末からの大規模な金融緩和を継続する。「緩やかな回復を続けている」としてきた景気の基調判断も維持した。』


 二期連続で実質GDPがマイナス成長になり、リセッションに突入したにも関わらず、「景気の基調判断」について総理も、経済担当大臣や官房長官といった閣僚も、中央銀行も、全員が、
「緩やかな回復基調にある」
 と、表現する。


 この手の言葉による誤魔化しを続ける限り、我が国がデフレから脱却し、本格的な成長軌道に乗ることはないでしょう。日本国民は、政治家に対して、
「抽象的な表現ではなく、数字で語れ」
 と、強く要求していく必要があると確信します。

「抽象表現ではなく数字で語れ!」に、ご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!
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