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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)
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今週は、夕刊フジで短期集中連載「断末魔の中韓経済」を連載しています。
明日は文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/
ようやくのことで、まともな方向の議論(意見ではなく)が報じられ始めました。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のみですが。
『金融緩和より財政出動を=本田内閣官房参与
http://jp.wsj.com/articles/SB12707975987092023884404581310451683937480
【東京】安倍晋三首相の経済顧問を務める本田悦朗内閣官房参与(明治学院大客員教授)は、停滞する日本経済の再生のためにも、最大5兆円規模の追加的な財政出動策を打ち出す必要があるとしたが、日銀が新たな措置を講じなければならない状況にはないとの見方を示した。(後略)』
もっとも、本田参与の「財政出動」とは、
「低所得・無収入家庭に属する2200万人に最大5万円の現金を給付する措置を補正予算」
が中心のようで、何故にそこまで「銀行預金になる可能性がある給付」に固執するのか、よくわかりません。別に、現金給付や手当系を否定するわけではありませんが。
とはいえ、
「確実にGDP(需要=所得=雇用)になる、政府最終消費支出&公的固定資本形成の5兆円」
と、
「消費性向によっては、GDPにならない可能性がある給付系の5兆円」
とでは、確実に前者の方が経済効果(GDP拡大効果)は高いわけです。
現金給付などの場合、消費性向によっては、例えば5兆円政府が支出したとしても、GDPは5兆円増えないケースもあり得ます。無論、5兆円を超えるケースもありますが、事前に消費性向を断定できる人はいません。
それに対し、医療・介護や公的インフラの整備等の公共サービス(政府最終消費支出&公的固定資本形成)の場合、政府が5兆円を支出したとき、その瞬間にGDPが5兆円増えます。もちろん、政府の支出を最初のひと漕ぎとして、民間の雇用や支出が増えれば、GDPは当初の支出金額以上に増えます。
もっとも、本田参与としては、そんな話は百も承知で、その上で、
「医療や介護を短期の補正予算でやっても仕方がない(長期で支出するべき)し、公共事業はプロジェクトを選定するのに手間がかかる。現金給付なら、対象を決めたら、後は予算を通すだけなので、早期に景気対策を打てる」
と、考えているのかも知れません。
政治、という面を考えた場合、確かに公共事業について「どこを、いくらやるのか?」を議論するくらいならば、給付系の方が「話が早い」のかも知れません。そういえば、高橋洋一氏が以前、わたくしと対談本を出した際に、
「公共事業は色んな政治家が財務省に口を出してくるので、財務官僚は基本的に好きではない」
という主旨のことを仰っていたのを思い出しました。要は、政治家と官僚とで揉めなければならないので、手間がも時間もかかるわけですね。まあ「それが政治だろ」といわれれば、その通りだとは思いますが。
いずれにせよ、今の日本に必要なのは「まともな方向の議論」です。デフレ対策について、「デフレは貨幣現象」などという定義不明な視点から脱却し、「総需要の不足」と正しい認識を持ち、政府の総需要創出策(財政政策)の中身を議論しなければならないのです。
もちろん、財政出動を支持する政治家にしても、「何を、いくらするべきなのか?」については様々な意見があるわけで、民主的な議論のプロセスを踏まなければなりません。
わたくしにしても、
「現在の日本にとって必要なのは、将来の生産性向上をもたらす、現在の需要創出(財政出動)。
具体的には、リニア新幹線東名阪同時開通、北陸新幹線の新大阪延伸、ILCなど」
と、繰り返していますが、上記が「短期で政治的なプロセスを進められる」のかといえば、分かりません、としか言いようがないわけです。何しろ、三橋は政治家ではありません。
政治的なプロセスを考えると、より「ベター」な解があるのでしょうが、議論の方向性(緊縮財政、あるいはデフレは貨幣現象論)を間違えてしまうと、何をやっても効果はプラスになりません。というわけで、本田参与の発言をきっかけに、「まともな方向の議論」が日本の「政治」で始まることを願ってやみません。
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