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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)
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本日はチャンネル桜「桜プロジェクト」に出演いたします。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1520
ドイツ東部ドレスデンで、10月19日、移民受け入れに反対するPEGIDA(西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人)に賛成するデモ隊が、反対派のデモ隊と衝突しました。両派共に2万人前後の参加者を集め、衝突により一人が重傷を負いました。
まさに、世界が揺れ動いているという感じですが、カナダでは総選挙で自由党が勝利し、十年ぶりの政権交代となります。
『カナダで10年ぶり政権交代、野党第2党の自由党が単独過半数
http://jp.reuters.com/article/2015/10/20/canada-election-idJPKCN0SE02Q20151020
19日に投票が行われたカナダ総選挙では、ジャスティン・トルドー氏(43)が率いる野党第2党の自由党が過半数議席を獲得し、10年ぶりにハーパー首相率いる保守党からの政権交代が実現した。
ハーパー首相は敗北を認め、党首を辞任する。
自由党は下院の定数338議席のうち184議席を獲得、保守党は100議席で野党第1党、野党第1党だった新民主党は43議席となった。
トルドー党首はピエール・トルドー元首相の息子。選挙戦終盤で支持率トップに躍り出た。同氏は米オバマ政権との関係修復や、過激派組織「イスラム国」に対する軍事行動から手を引き、人道支援などに重点を置くことなどの政策を訴えていた。
自由党が今回の選挙で新たに獲得する議席数は過去最高を更新する。これまでは、保守党が1984年の選挙で新たに獲得した111議席が過去最高だった。(後略)』
自由党のトルドー党首は、TPPについて「自由貿易」は基本的に賛成する立場であるとしつつ、TPPは交渉が透明性に欠けた。
「徹底的かつオープンな討論を議会で実施する」
ことを国民に約束しました。
「世界のGDPの四割を占める巨大経済圏の誕生!」
などと、まるで少年ジャンプの煽りのごとき見出しばかりが紙面を踊り、農業の関税問題にばかり焦点が当てられ、「消費者利益」ばかりが強調される日本と比べ、何とまともなことか・・・。
ちなみに、カナダ経済は現在、リセッションの最中にあります。15年1-3月期、4-6月期と、二期連続で実質GDPが対前年比でマイナスになり、7-9月期もよくは無さそうです。何しろ、カナダの主要輸出品である原油の価格は低迷し、資源エネルギー関連の投資が大きく落ち込んでいます。
要するに、現在のカナダは「不況」というわけで、自由党は、
「公共投資によるインフラ整備」
「財政赤字拡大を三年間容認」
「富裕層増税と、中間層減税」
という、至極真っ当な政策を訴え、有権者の心をつかんだようです。
ちなみに、カナダではバンクーバーなどで中国からやってきた富裕層の移民が、市内の高級物件などを買いあさり、住宅価格が高騰してしまっています。結果的に、マイホームを購入できなくなってしまった若い世代が猛反発するという事態を招いています。
何しろ、バンクーバーで一戸建て住宅を購入しようとすると、平均価格は223万カナダドル(約2億650万円)にも達するわけだから、半端ありません。一般のカナダ人がマイホームを建設することは、夢のまた夢になってしまっているのです。
自由党政権が「中国移民問題」に手を入れるのか、注目しております。
TPPに話を戻しますが、TPPはGDPの合計が85%以上を占める六カ国以上が合意すれば、発効できる規定になっています。カナダがカナダが批准をしなくても、日本とアメリカ+四カ国が合意すれば発効します。
逆に言えば、日本はTPPに対する「拒否権」をもってしまっているのです。分かりやすく書くと、日本ただ一カ国が批准をしなかった場合、TPP全体が失効することになります。
「日本が批准しないと、TPPは発効しない」
という構図が成立してしまっているのです。この状況で、日本が「批准しない」などという決断ができるとは、到底、思えません。アメリカはその気になれば平気でするでしょうが、果たして日本にそんな真似ができるのか、わたくしには分かりません。何となく、この辺も日本のTPP批准を強要する「罠」のような気がいたします。
いずれにせよ、日本もTPPの中身について、「徹底的かつオープンな討論を議会で実施する」べきです。結果的に、日本の国益にならないと判断するならば、TPP全体が失効になるとしても、国会は批准を拒否しなければなりません。
それが、本来の「独立国家」だと思うのです。
TPPについて「徹底的かつオープンな討論」を国会で繰り広げることを、一日本国民として心の底から望みます。
TPPについて「徹底的かつオープンな討論を望む」に、ご賛同下さる方は、
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