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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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 10月28日発売予定、ヒカリランド「ドイツ第四帝国の支配と崩壊 」が予約開始になりました!




 本日はTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演いたしました


 来日しているフランスのバルス首相が、シリアなどから欧州に難民が殺到している問題(以下、地中海難民問題)について、日本が財政支援を表明したことを受け、
難民問題で国際社会は出遅れたが、日本は責任を引き受けた
 と、評価する発言をしました。


 原子力発電所の問題、安全保障法案の問題と、反対派が感情を優先し、理性に基づく議論ができない状況が続き、そこに地中海難民問題がクローズアップされたため、
「難民さんが可哀想・・・。日本も受け入れるべき。異なる文化、宗教、言語の方々が日本で増えれば、多文化共生で活力ある社会ができ、人手不足も解消する」
 と、思わずこめかみがピクピクなるような感情論的で無責任な意見が日本のマスコミで報じられるのではないかと恐れていたのですが、やはり出てきています。


 しかも、9月17日の日本経済新聞電子版のアンケートによると、地中海難民について、
「難民申請の中身を精査して一部を受け入れるべきだ」
 が、52.4%と最も多く、
「全面的に受け入れるべきだ」
 の11.7%を加えると、何と64.1%が「難民を何らかの形で受け入れるべき」と回答しました。しかも、これまた予想通りなのですが、難民を受け入れるべきと答えた人のコメントでは、「日本の労働力人口の不足」に関する記述が目立ったとのことです。ドイツの産業界を笑えません。


 ラジオ(おはよう寺ちゃん)でも言いましたが、そもそも「日本を目指したい」などという地中海難民などいないでしょうし、加えて特にシリア難民問題では、「難民受け入れ」以外にも日本が先進国としてやるべきことは沢山あります。総理が表明した財政支援もそうですし、さらには「大本」の問題もあります。


 シリア問題は、アサド政権の存続を前提に各国が動かなければ、解決しようがありません。アメリカは(というか、オバマ大統領は)国連演説でアサド大統領を「暴君」と呼び、「アサド政権退陣」を主張していましたが、現実にはアサド退陣でシリアが落ち着くことはないでしょう。


 日本が真の意味で「独立した先進国」であるならば、アメリカにアサド存続を前提に和平案を働きかけるなどの外交努力をするべきだと思うのです。


 日本が「真の意味で独立した先進国」であるか否かは、異論があるところでございましょうが、いずれにせよ地中海難民問題は各国の「「政治」」に影響を与えつつあります


ドイツ:首相、支持率低下…難民問題で国民に不安
http://mainichi.jp/select/news/20151005k0000m030095000c.html
 中東などからの難民・移民の多くが「最終目的地」とするドイツで、当初の難民受け入れムードが影を潜め、不安視する声が広がっている。与党からも「難民受け入れは既に限界」との悲鳴が上がる中、受け入れに積極姿勢を示してきたメルケル首相の支持率にも影響を及ぼしている。
 独公共放送ARDが今月1日に公開した世論調査では「大量の難民流入に不安がある」と答えた人が51%に達し、前月から13ポイント急増した。治安悪化や経済負担増への懸念が背景にあるとみられ、人道的配慮として受け入れを進める政府に逆風になっている。
「メルケル首相の仕事に満足」と答えた人は54%で、常に高支持率を維持してきたメルケル氏にとっては4年ぶりの低水準になった。
 世論の変化は与党の有力政治家にも影響を与える。バイエル
ン州を基盤とする与党キリスト教社会同盟(CSU)のゼーホーファー党首は、メルケル氏に難民の入国規制を要求。連立与党の社会民主党も「受け入れはもはや限界」(同党幹部)とし、欧州連合(EU)に境界管理の厳格化などを求めている。
 独内務省によると、同国に入国した難民らは8月だけで約10万5000人。7月の約8万3000人から急増している。バイエルン州当局は9月の入国者数を最大28万人とみている。政府は今年の入国者数が80万人に達すると予想している。(後略)』


 あれですかね? このままドイツで「大量の難民流入に不安がある」が増えていき、支持率がさらに急落すると、メルケル首相は難民受け入れの姿勢を転換するのでしょうか。つまりは、「世論」というあやふやなものをベースに、国内の移民政策を転換するのか否かです。


 現実には「世論」で「政治」が動くのかも知れませんが、今回のドイツ国民が典型ですが、「世論」は空気や風、あるいは「一枚の写真」で動いてしまうのです。


 そうなると、真の意味で内戦から逃げてきた「政治難民」の運命が、国民の感情や「ノリ」で決められてしまうことになります。


 世の中、そんなものとですよ、言われればそれまでなのですが、せめて各国の政治家は、この手のデリケートな問題に「感情」あるいは「世論」ではなく、実践主義的な態度で対応するようにして欲しいのです。さもなければ、間違いなく将来的に不幸になる人が増えてしまいます。


 日本に限らず、現在は多くの国々で「実践主義的な政治」のパワーが弱まり、「感情」や「教義」に基づき世界が動いているように感じられ、不安を覚えるわけでございます。


政治家に「実践主義的な対応を求める」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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