続 空論の経済学

テーマ:

株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター  はこちら

人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

   


 本日、配信された「三橋貴明の「新」日本経済新聞」でも書きましたが、わたくしは過去に一度だけ、
デフレは貨幣現象の『貨幣』の定義
 を直接的に聞いたことがあります。


 すなわち、現日本銀行副総裁の岩田規久男教授が、わたくしに貨幣の定義は「マネタリーベースです」と、断言したのです。


 わたくしは聞き違えたのかと思い、
「マネタリーベースですか? マネーストックではなく」 
 と、確認したのですが、岩田教授は「マネタリーベースです」と断言しました。つまり、岩田教授は「マネタリーベースを増やせば、デフレから脱却できる」と明言したことになります。


 結果は・・・。


【日本のインフレ率(コアCPI、右軸)とマネタリーベース(左軸)の推移】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#MBCPI1508


 黒田日銀発足後、日本銀行は180兆円ものマネタリーベースを増やしたにも関わらず、日銀定義のインフレ率(コアCPI)は対前年比▲0.1%に落ち込みました


 そもそも、インフレ率とはマネタリーベースの量では決まりません。インフレ率を決めるのは、モノやサービスの購入に使われたおカネの量なのです。そういう「定義」なのです。

 モノやサービスの購入に使われたおカネの量が増えると、インフレ率は上昇します。すなわち、需要(モノやサービスの購入)が増えることで、初めてインフレ率はプラスに向かうのです。


 つまり、岩田教授は「マネタリーベース拡大」から「需要拡大」までのプロセスを明示しなければならなかったわけで、それが例の「インフレ目標」や「コミットメント」だったのです。


「中央銀行がインフレ目標を設定し、コミットメントすると同時に量的緩和を拡大することで、期待インフレ率が高まりデフレ脱却ができる」

 大雑把に書くと、岩田教授の「理論」は上記の通りでした。ちなみに、コミットメントとは「責任を伴う約束」という意味です。

 現実には、インフレ目標の期間である2年が過ぎたにも関わらず、インフレ率は▲0.1%で、しかも「コミットメント」のはずが誰も責任を取らない。今後、日本銀行の「コミットメント」とやらを信じる人はいないでしょう。


「いや、インフレ率が上がらないのは、消費税増税のせいだぁあああぁぁぁっっっ!!!」
 
 はい、その通り。消費税増税により「需要が抑制された」ことが、インフレ率目標未達の主因の一つです。つまり、デフレは「貨幣現象」ではなく、「総需要の不足」なのです

 デフレ脱却できない原因を消費税増税に求める人(合っていますが)は、
「デフレは貨幣現象ではなく、総需要の不足である」
 と、認めたことになります。

 わたくしに賛同して頂き、ありがとうございます


日銀・黒田総裁「物価の基調しっかり」 首相と会談
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2598633.html
 日本銀行の黒田総裁は安倍総理と官邸で会談し、内外の経済情勢について意見交換しました。
 「物価の基調はしっかりしていると思っている」(日本銀行 黒田東彦総裁)
 およそ4か月ぶりの会談を終えた日銀の黒田総裁は、安倍総
理と内外の経済情勢について意見交換したと述べたうえで、「金融政策について要望はなかった」と語りました。
 ただ、25日に発表された8月の消費者物価指数が2年4か月ぶりのマイナスとなり、日銀が目標とする「2%の物価上昇」から遠ざかっていて、“追加の金融緩和について話題が出たのではないか”との憶測が広がり、東京株式市場では平均株価が300円以上値上がりしました。
 しかし、黒田総裁は、物価低迷はエネルギー価格の下落が主な要因で、「物価の基調はしっかりしている」との認識を改めて示しています。』


 「物価低迷はエネルギー価格の下落が主な要因」だとっ! 

 それも原因の一つですが、そんな「個別価格が一般物価に影響を与える」などという真実を話してしまうと、岩田教授から、
「足し算エコノミストがっ!」
 と、怒られてしまいますよ、黒田総裁


 何しろ、岩田教授らの「経済学」によると、個別価格の変動は一般物価に影響を与えず、物価は「マクロ要因」のみで決まるそうなので。


 ちなみに、日本の消費者物価指数という一般物価は、各種の消費財の「合計」として産出されるため、端から足し算なのですが、なぜか日本には、
「エネルギー価格が下がれば、余ったお金が他の商品・サービスの購入に回るので、物価には影響を与えない!」
 と、荒唐無稽な説を唱える学者が少なくありません。


 あの~、先生・・・。この世には「預金」というものがあるのですが・・・・。余ったお金が預金に100%回らないと、なぜ断言できるのでしょか・・・・。


 結局、過去2年半の「アベノミクス」は、空論の経済学に振りまわされ、デフレ脱却に「失敗した」2年半でした。

 空論の経済学ではなく、「現実」に則った政策に舵を切り直さない限り、我が国がデフレから脱却する日は訪れないでしょう。


 

「空論の経済学から脱却しよう!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキングへ

◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

新世紀のビッグブラザーへ blog
◆関連ブログ


三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

◆三橋貴明関連情報

Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中

新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。