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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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 チャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 」に出演しました。


1/3【討論!】移民問題とグローバリズム[桜H27/9/26]
https://youtu.be/4atyN3gnOUU
2/3【討論!】移民問題とグローバリズム[桜H27/9/26]
https://youtu.be/6c76_eRheOU
3/3【討論!】移民問題とグローバリズム[桜H27/9/26]
https://youtu.be/ETegrBEVmeo
 
 今回の桜のタイトルが秀逸だと思うのは、「移民問題」と「グローバリズム」の問題をつなげているところです。本ブログの読者の皆様にとっては常識かもしれませんが、移民問題は「グローバリズムの問題」です。


 実は、19世紀後半から1929年(大恐慌)までの「前のグローバリズム」の時代、経営の三要素であるモノ、ヒト、カネが世界を激しく移動しましたが、「ヒト」の移動は今以上に凄かったのです。詳しくは、10月28日にヒカルランドから刊行となる「ドイツ第4帝国の支配と崩壊 亡国の新帝国主義(グローバリズム) 日本人に緊急警告! 」をお待ちくださいませ。


 さて、現在の日本が抱えている「経済問題」、つまりは農協改革や発送電分離、労働規制の緩和やTPPに代表される各種の構造改革、外国移民、緊縮財政は、まさにグローバリズムの問題です。逆に言うと、グローバリズムの問題は外国移民問題に限った話ではないのです。


 日本に先行し、グローバリズムに基づく「改革」を地域内とはいえ完成させてしまったのが、ご存じユーロ圏です。


ノーベル経済学賞・クルーグマン「統一通貨ユーロの失敗は必然だ!」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45419
 ユーロの危機は前もって予測されていた
 ヨーロッパからのニュースにはやや落ち着きが見られるものの、基本的には相変わらずひどい状況だ。
 ギリシャは、大恐慌よりさらに深刻なスランプに陥っており、回復の希望は全く見いだせない。経済がようやく上向きになってきたスペインは、成功談として称賛されているが、失業率は相変わらず22%だ。
 さらに、ヨーロッパ大陸北部は、弧を描く形の経済低迷地帯となっている。フィンランドは南ヨーロッパと匹敵するくらい不景気だし、デンマークとオランダの経済も最悪な状態だ。

 なぜ、こんな悲惨な状態になってしまったのだろうか――。独善的な政治家たちが計算と歴史の教訓を無視すると、こういうことが起こる、というのがその答えだ。
 ギリシャや他の国の左派のことを言っているのではない。ベルリン、パリ、そしてブリュッセルにいる超エリートたちのことを言っているのだ。彼らは四半世紀の間、空論の経済学に基づいてヨーロッパを運営しようとしてきた
 経済をよく知らない人や、不都合な質問を避ける人にとって、ヨーロッパに統一通貨を確立するというのは素晴らしい考えのように聞こえた。統一通貨があれば国境をまたぐビジネスがやりやすくなるし、それはパワフルな統一のシンボルにもなるというわけだ。
 そのユーロが最終的に引き起こしてしまう大きな問題を、誰が予想できただろうか。
 実際には、予想できた人はたくさんいた。(後略)』


 空論の経済学・・・


 まさしく、第二次・第三次安倍政権は、この「空論の経済学」に則り、移民政策、構造改革、緊縮財政を推進し、デフレ対策は金融政策に丸投げという愚かな道を辿り、結果は国民の貧困化と「再デフレ化」という状況になってしまったのです。


 わたくし個人としては、経済学について「崇高な学問」などとは微塵も思いませんが、経済の学問というのであれば、せめて「国民が豊かに、安全に暮らすための経世済民」のために奉仕するべきでしょう。ところが、現実には「一部の企業(グローバル投資家含む)の利益」のための学問と化してしまっています


 経済学が「一部の企業・投資家のための学問」と化してしまったのは、先進国で本格的に始まったのはアメリカのレーガノミクス、イギリスのサッチャリズムでした。もっとも、それ以前、1973年のチリにおけるピノチェトのクーデター以降、発展途上国ではミルトン・フリードマンに代表されるシカゴ学派の経済学が「一部の企業・投資家」の利益拡大のために活用されてきたのです。


 シカゴ学派ら「主流派経済学」の実験は、その後はニュージーランド(ロジャーのミクス)や日本(中曽根政権以降)などに展開され、最終的にはヨーロッパを「共通通貨ユーロ」で統合してしまいました。


 クルーグマン教授がコラムで書いていますが、

緊縮財政のみの大きな負債への対応は、特に同時にハードマネー政策を推し進めた場合は、うまくいった例がない。第一次世界大戦後のイギリスでも、大きな犠牲を払ったにもかかわらず失敗に終わっている。』


 にも関わらず、ギリシャは緊縮財政を強要され、「財政破綻(政府のデフォルト)」の可能性がない日本においてまで、消費税増税、政府支出削減の流れが止まらず、国民が貧困化していっています。


 つまりは、実質賃金が下がっているわけですが、これが、
「国内の人件費を引き下げ、グローバル市場の競争で勝ち、利益を最大化したい」
 人々にとっては、まことに都合がいいのです。


 現在のドイツにおいて、難民流入を「人手不足解消」のために歓迎しているドイツ産業界など、まさに典型です。


 クルーグマン教授は、コラムを、


『ヨーロッパの議論では、実際は間違っているのに欧州大陸のエリートたちが真実であって欲しいと願う考え方が、いまだに主流となっているからだ。
 そしてヨーロッパは、今、その恐るべき独善性に対して多大なツケを払っているわけだ』

 という言葉で締めていますが、これはそのまま現在の日本国民にも当てはまります。


 日本国民はすでに「経済学の恐るべき独善性」に対するツケを「貧困化」という形で払い続けていますが、今後は「ナショナリズムの喪失」という最悪の形で支払いを迫られることになります。
 世界屈指の自然災害大国である日本国で、国民がナショナリズムを喪失したら・・・・。我々はこの日本列島で、生き延びることができないのです。


 グローバリズムに抗うか否かは、日本国民にとっては「生存権」の問題なのだと確信します。


「グローバリズムに抗うか否かは、国民の生存権の問題」に、ご賛同下さる方は、

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