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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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月刊WiLL (ウィル) 2015年11月号 」に、連載「反撃の経済学 食料安全保障を揺るがす農協改革」が掲載されました。


 本日はチャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」移民問題とグローバリズム 」に出演します。http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1587


 2012年の自民党総裁選挙以降、わたくしが自民党や安倍総裁(当時)を支持したのは、
金融政策と財政政策の政策パッケージでデフレ脱却を目指す
 と、これまでの政権とは比較にならないほど「具体的」にデフレ脱却策を明示したためです。ポイントは「財政政策」の部分です。


 金融政策とは、要するに量的緩和です。量的緩和とは、日本銀行が国債を買い取り、銀行の日銀当座預金残高を積み上げるわけで、別にモノやサービスが買われるわけではありません。


 デフレとは「総需要の不足」が原因で起きる経済現象です。なぜ、総需要が不足するのかといえば、バブル崩壊で国民が借金返済や銀行預金を増やし、消費や投資が減るためです。消費や投資の合計こそが、まさに「総需要」なのです。


 というわけで、「財政政策」をもデフレ対策として掲げたことで、
「これで、ついに我が国は98年以降、延々と続いていたデフレから脱却できる」
 と、期待したのです。


 ところが、総理は13年5月に国会で「デフレは貨幣現象」と説明するは、消費税増税は決定するは、公共事業は補正予算を含めると、民主党政権期より減らすは、介護報酬は削減するはで、完全に財務省主導の緊縮財政路線に戻りました。さらに、日本の国の形をぶち壊す構造改革を「岩盤規制の打破」と称し、猛烈な勢いで推進し始めます。


 これで日本がデフレ脱却できたら、まさに奇跡ですが、奇跡は起きませんでした。


消費者物価指数 2年4か月ぶり下落
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150925/k10010247191000.html
 先月の全国の消費者物価指数は、原油価格の下落などを受けて変動の大きい生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月を0.1%下回りました。消費者物価指数がマイナスとなるのは、おととし4月以来、2年4か月ぶりです。
 総務省の発表によりますと、モノやサービスの値動きを示す先月
の全国の消費者物価指数は、天候による変動の大きい生鮮食品を除いて、平成22年を100とした指数で103.4となり、去年の同じ月を0.1%下回りました。(後略)』


 無論、日本のインフレ率は「コアCPI(生鮮食品を除く総合)」というおかしな指標(狂った羅針盤)で設定されており、コアコアCPI(食料(酒類除く)エネルギーを除く総合)は0.8%ですが、そもそもわたくしは数年前から、
「日本のインフレ率がコアCPIで設定されているのは間違っている。コアコアCPIに変更するべきだ」
 と、主張し続けてきたわけで、総理なり黒田総裁なりが「インフレ率の定義をコアコアCPIに変更する」とやってくれるならば、拍手喝さいします。


 とはいえ、現時点でインフレ率は「コアCPI」である以上、それに基づき論評するしかありません。2013年4月に日本銀行が掲げた「インフレ目標」も、もちろんコアCPIの上昇率でした。


【日本のインフレ率(コアCPI、右軸)とマネタリーベース(左軸)の推移】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#MBCPI1508


 上記の通り、日本のマネタリーベース(現金・日銀当座預金・硬貨の総計)はすでに327兆円にまで拡大されましたが、インフレ率は▲0.1%。「期待インフレ率」だの「インフレ期待」だの、定量的にコミットできない学者が机上で考えた理論に従った結果が、これです。


 インフレ目標を達成できなければ、辞任します。それが「コミットメント」です。などと、大見えを切っていた岩田規久男大先生はじめ、誰一人、コミットメントを達成できないことの責任を取らず、我が国の物価上昇率は再びマイナスに落ち込みました

 総理が自民党総裁に再任されたことを受け、「経済重視」に立ち返るというならば、実はやるべきことは三つのみなのです。


・インフレ目標の定義をコアコアCPIに変える
・国土強靭化や消費税再増税の凍結など、財政拡大策に転じる
・国民の連帯感を破壊し、物価を押し下げる(競争激化により)構造改革を停止する


 とはいえ、現実に出てきた「三本の矢」は、


●第一の矢、『希望を生み出す強い経済』。
●第二の矢、『夢をつむぐ子育て支援』。
●第三の矢、『安心につながる社会保障』。 


 ふざけているのですか・・・? 


 具体性ゼロ。実現までのスキームもゼロ。まるで、民主党や、かつての社会党の出してきたような「政策もどきの願望」を並べて、三本の矢などと称しているわけです。


 アベノミクスは、2015年9月24日に終わりました

 さて、次はどうするべきでしょうか。わたくしも考えますので、皆様もお一人お一人が是非とも考えてみてください。


「アベノミクスは終わった。次の手を考えるべき」に、ご賛同下さる方は、

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