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『亡国の農協改革①』三橋貴明 AJER2015.9.8(13)

https://youtu.be/DFdJv4-dous

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 飛鳥新社「亡国の農協改革 ――日本の食料安保の解体を許すな 」、早速、大増刷になりました! ありがとうございます。

 現在、Amazon在庫切れの状況ですが、明日には大増刷分が入る予定になっています。


 ドイツに引き続き、オーストリアもついに国境管理を復活させました。チェコ、スロバキア、オランダの三カ国も、国境管理開始の準備を表明。シェンゲン協定が、崩れていきます。


 こうなると、難民の玄関と化しているハンガリーも、強硬姿勢にならざるを得ません(元々、強硬でしたが)。ハンガリーはセルビア国境に4000人以上の兵士を展開。本日、許可のない越境を犯罪とする法律を施行する予定になっています。


 「人権」「人道」「寛容」等をテーゼとしたユーロ・グローバリズムに基づくドイツ第四帝国が、終焉に向けて走り始めたように思えてなりません。


 さて、話は変わりますが、鬼怒川の堤防決壊で、「民主党の事業仕分けのせい」「いや、そうではない。デマだ」などと、「バトル」としか表現のしようがない議論が始まっていますが、個人的な意見としては、事業仕分けの影響云々と関係なく、
コンクリートから人へ
 という、おぞましいスローガンを採用した時点で、民主党などこの世から消えてしまえと思っていますが。


『民主・枝野氏 「スーパー堤防の事業仕分けは全く関係ない!」
http://www.sankei.com/politics/news/150914/plt1509140009-n1.html
 茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊をめぐり、専門家がテレビ番組で「(堤防補強などの)予算を(民主党政権が)事業仕分けで切った」と指摘したほか、インターネット上でも民主党批判が起きていることを受け、民主党の枝野幸男幹事長(51)は14日、「今回の災害とは関係ない」と反論した。事業仕分けを推進した蓮舫議員(47)も「デマだ」としている。

 事業仕分けの弊害を指摘したのは、国の治水関係の委員会などで役員を多数務めてきた中央大理工学部の山田正教授(64)=防災工学。11日のテレビ朝日番組で「(気象変動に対応した雨量想定などの)見直しは学会でしてきたが、事業仕分けで予算を切った。反省してほしい」と話した。またネット上でも決壊後から「民主党のせい」とする書き込みが相次いだ。(後略)』


 先日のチャンネル桜の「明るい経済教室」でも話しましたが、「コンクリートから人へ」とは本当におぞましいスローガンです。何しろ、
「将来世代のためのインフラ投資(コンクリート)など、どうでもいい。 今、自分(人)にカネを寄越せ」
 という話なのです。


 日本が経済成長しないのは、国民が「将来のための投資」に否定的になってしまったためです。投資縮小は、民間セクター、公共セクター問わず、98年以降は顕著に見られる特徴です。


 デフレで利益を上げにくい環境下において、民間が投資を絞るのは理解できないでもありません。経営者なら誰でも、儲からない環境でリスクを取りたくはありません。

 だからこそ、政府が投資を増やさなければならないのです。ところが、我が国では土木・建設業叩き、「クニノシャキンガー」、そして「コンクリートから人へ」といった一連の公共投資叩きキャンペーンにより、公共投資は減り続けました。勘違いしないで欲しいのですが、公共投資、公共事業、あるいは治水事業費を減らしたメインは、橋本政権と小泉政権です。そして、民主党政権「も」減らしたというのが事実でございます。


 民主党を引き合いに出したところで、公共投資を滅茶苦茶に減らした歴代の自民党政権(小渕政権、麻生政権のみが例外)の罪を相対化することはできません。自民党も、民主党も、国民を危険にさらす公共投資削減に邁進したのです。


 そのあたりの話は、明日に回しますが、いずれにせよ我が国では奇妙な「反公共投資キャンペーン」が展開され、デフレ脱却のために必要な需要創出が実現できなかったのです。結果、名目GDPが成長せず、税収が増えず、政府の負債が膨らみ、
このままではクニノシャッキンで破綻する! 公共投資を削れ!
 と、デフレ脱却から遠ざかる公共投資削減が実施され、国民が貧困化し、そして今回の鬼怒川が典型ですが、「必要な投資」すらもが削られ、国民の生命が危険にさらされてきたわけでございます。


 災害列島である日本国で、しかも需要が不足している「デフレ期」に公共投資を削減する。国家的自殺、としか呼びようがありません。


 最後には、「コンクリートから人へ」というおぞましいスローガンを、日本国民が熱狂的に支持するに至りました。自分たちを貧困化させ、危険にさらす政策を支持する。「愚民」以外に表現のしようがないのです。


 まあ、過去のことを今更グチグチ言っても仕方がありませんので、明日は「現在」の状況について確認してみましょう。


「コンクリートから人へ」のおぞましさをご理解頂けた方は、↓このリンクをクリックを!

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