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『ヨーロッパ―巨大な日本①』三橋貴明 AJER2015.8.11(7)

https://youtu.be/HsWhQE9O7uc

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 藤井聡先生が「おはよう寺ちゃん活動中」に出演され、
インフラストラクチャーとは下部構造のことなのです
 と、日本国民が理解してなければならないはずが、誰も理解していない(ように思える)お話をしていらっしゃいましたが、図で表すとこんな感じでございます。


【国家の階層】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#Kaiso


 先日のチャンネル桜の討論でも話しましたが、我が国は「戦後」に、戦中世代の皆様が2層、及び3層という下部構造(インフラストラクチャー)をかっちりと作って下さったおかげで、それなりに豊かになれたわけです。


 現在、2層の物理的なインフラは老朽化し、さらに質量ともに先進国水準から滑り落ちてしまっている惨状で、3層に至っては安倍総理自ら「岩盤規制の打破」などといって、破壊していっている有様です。このままでは、我が国はハード・ソフトのインフラが共に崩壊し、生産性が極端に下がり、発展途上国化することになるでしょう。


 もっとも、インフラの老朽化問題といえば、アメリカの方が日本の先輩でございます。


老朽化で橋崩落・鉄道脱線…米「インフラ危機」
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150810-OYT1T50021.html
 米国で道路や鉄道などインフラ(社会基盤)の老朽化が進み、橋の崩落や脱線事故などが相次ぐ「インフラ危機」が問題になっている。全米の老朽化したインフラを補修するには3兆6000億ドルが必要との試算もあるが、対策費を確保するための増税に政治家は消極的だ。
■崩落の恐れ
 首都ワシントンでポトマック川に架かる「アーリントン記念橋」。バージニア州とを結ぶ主要道路で、5月下旬から緊急工事が始まり、通行規制されている。米当局の調査で、橋の鉄骨の腐食が想定より速く、重さに耐えられず崩落する恐れがあることが判明した。
 ペンシルベニア州ピッツバーグの「グリーンフィールド橋」は、大小二つの橋が重なる異様な姿だ。橋の下を通る道路にコンクリートが崩れ落ちたため、一回り小さい防御用の橋を設けた。取り壊しは12月に始まる。アンソニー・フォックス運輸長官は「全米の25%の橋で大規模補修か造り直しが必要だ」と訴える。』


 アメリカは80年代に早くも「荒廃するアメリカ」の状況に入り、その後、何とかインフラのメンテナンス費用を拡大しようと努力を続けていますが、老朽化スピードに追い付いていない有様です。

 しかも、アメリカにしても別に需要が過剰になっているわけではないのです。本来であれば、「インフラを補修という3兆6000億ドルもの需要がある」と喜ぶべきなのでしょうが、アメリカでも政治的に対策費を確保するのは難しいようです。(というか、読売新聞がインフラ補修費の財源を、なぜ「増税」と決めつけているのか、分かりませんが


 不思議なことに、日本国内でインフラの老朽化を問題視する論客のほとんどは、(わたくし共を除き)「インフラが老朽化して大変だ! だが、財源がないので対処できない!」と、意味不明な結論を下します。


 そういえば、防衛面の安全保障の問題について、
「中国の台頭を受け、防衛力の強化は必要だ。だが、財源がないので対処できない!」
 と、結論が常に「ザイゲンガー」になっていたので、呆れかえった記憶があります。

 無論、現在が需要が拡大しているインフレ期であれば、老朽インフラの立て直しや、防衛力強化にあまり予算をつぎ込んでしまうと、インフレギャップが拡大。インフレ率が急騰し、国民生活が難を被るという可能性はあります。

 とはいえ、現在はデフレ期なのです。

 デフレという需要不足の時期である以上、政府は国債を発行し、財源を確保。老朽インフラの改修や防衛力強化に、普通に予算を投じれば済む話です。


 「クニノシャッキンガー」論者には、日銀が国債を買い取っているのだから、問題ないでしょ。で、済む話です。そもそも、長期金利が世界最低(現在、0.38%!)をさまよっている国で、クニノシャッキンガーも何もあったものではありません。


 と言いますか、クニノシャッキンガーをはじめとする財政破綻論者、緊縮至上主義者たちは、将来の日本国民に「老朽化し、利用不可能となった下部構造(インフラストラクチャー)」を残すことの意味を、少しでも考えたことがあるのでしょうか。崩壊したインフラを将来に受け渡すということは、わたくし達の子孫に「貧しく生きろ」と言っているのも同然なのです。

 自分たちは、戦中世代が構築してくれた立派なインフラストラクチャーの上で、安楽に暮らし、将来世代には「貧しく生きろ」というわけで、まさに「最低の人間」以外の表現が思い浮かびません。


 荒廃する日本は、すでに始まっています。そして、重要なのは、
「我々は、荒廃する日本の問題を解決し、将来世代に『より豊かに生きることが可能な、繁栄する日本』を残すことができる
 という現実を知ることなのだと思います。


「荒廃する日本ではなく、繁栄する日本を残そう」に、ご賛同下さる方は、

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