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『ドイツ第四帝国①』三橋貴明 AJER2015.7.21

https://youtu.be/mR1pvzlOzbU

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※三橋も決起人を務めさせて頂いております「全国ふるさと甲子園(8月7日)」のご案内です。三橋も参りますので、皆様、是非、お越しくださいませ。

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 本日から夕刊フジで「断末魔の中韓経済」連載が始まります。


 久々に、問答無用で嬉しいニュース


 現在、スーパーコンピュータの「勝負」は、単純な計算速度だけではなく、「消費電力性能速度」に絞られています。


 実は、中国の「天河2号」がTop500の首位に輝いている云々いったところで、技術的には大した話ではないのです。(そういう意味では、「京」も同じ) コンピュータを並列に並べ、電力を食いまくり、力技で強引に稼働させれば、Top500の首位は獲得できるのです。(だかっらといって、京の技術がムダだと言っているわけではありません。念のため)


 しかも、中国の天河一号の場合は、ハードウェアの大半をアメリカのインテル社及びエヌヴィディア社から購入しています。それに対し、11年6月のTOP500で首位の座を奪った日本の「京」は、ほぼ全てのハードウェアについて、富士通を中心とする日本メーカーが製造しているわけです。すなわち、京は「純国産」のスパコンなのです。


 中国方式で「外国」から資材をかき集め、マンパワーを大量に動員し、強引にスパコンを組み立てて、
「世界一!」
 などとやるなど、もはや滑稽でしかないのです。


 中国のやり方は、
「外国から資材や部品を調達し、力技で統合する」
 というスタイルで、真の意味で技術力が高いとは、お世辞にも言えないわけです。まあ、中国っぽいといえば、中国っぽいのですが。


 次世代のスパコンの「勝負」は、力技の性能速度ではなく、「消費電力性能速度」に移っています。特に、エクサスケール(京の100倍)の計算速度を実現するためには、消費電力性能速度を高める以外に方法がありません。


 1京フロップス(10ペタ・フロップス)のスパコン「京」ですら、消費電力の膨大さがボトルネックとなっています。「京」の百倍である100京フロップス、すなわち「1エクサ・フロップス」のスパコンが製造されたとして、本当に稼働できるのか。現状の消費電力性能のまま「エクサスケールスーパーコンピュータ」が開発された場合、日本の一般家庭300万世帯(!)分の電力を消費することになってしまいます。これはほとんど、「奇想天外」と表現しても構わないほどの電力消費になるのです。


 分かりやすく書くと、スパコン一基動かすのに、原子力発電所が必要になってしまうのです(分かりにくいかな?)。


 アメリカ政府は「エクサスケールスーパーコンピュータ」開発の条件として、システムの消費電力に20Mワットという上限を設定しました。現在、Top500の首位である中国の天河二号よりも「少し多い」程度の消費電力で、エクサスケールを実現せよというわけだから、なかなか厳しい条件になります。現在のトップクラスのスパコンの省エネ性能を、25倍から50倍にまで引き上げなければ実現できない数字です。


 省エネ性能が主戦場になりつつあるため、スパコンの性能競争も、TOP500以上に「Green500」の方が重視されるようになってきました。Green500とは、2005年に発足した「世界で最もエネルギー消費効率がいいスーパーコンピュータ」をランキングするプロジェクトである。日本では「スーパーコンピュータの省エネ性能ランキング」と呼ばれたりします。


 そして、2015年8月公表のGreen500において、何と日本のPEZYグループが開発したスパコン(菖蒲、青睡蓮、睡蓮」の三機が「首位から三位までを独占」という快挙を成し遂げたのです


スパコン省エネランキング「Green500」で1~3位独占、国内ベンチャーのPEZYグループ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150801/430380/?n_cid=nbptec_tectw&rt=nocnt
 米国時間の2015年7月31日に発表された、スーパーコンピューターの単位消費電力当たりの演算性能ランキング「Green500」で、日本のベンチャー企業、PEZYグループが開発したスパコンが1~3位を独占した(発表資料)。1位になったのは、同グループが理化学研究所に納入した「Shoubu(菖蒲)」(関連記事1)で、7031.58MFLOPS/Wを記録。7GFLOPS/Wを超える初めてのスパコンになった。
 2位の「Suiren Blue(青睡蓮)」と3位の「Suiren(睡蓮)」はいずれも高エネルギー加速器研究機構に納入したもので、それぞれ6842.31MFLOPS/W、6217.04MFLOPS/Wだった。後者は2014年11月発表の前回のGreen500で2位に入った機種である(関連記事2、関連記事3)。6GFLOPS/Wを超えるスパコンもこれらが初めてである。  PEZYグループが開発しているスーパーコンピュータの特徴は、同グループのExaScalerが開発した液浸冷却技術と、同じく同グループのPEZY Computingが開発した独自プロセッサー「PEZY-SC」を採用していること。このうち液冷技術は、富士通がクラウドサーバー向けに採用を検討している。(後略)』


 ちなみに、今回のGreen500のベスト10は以下の通り。


The Green500 Top 10 June 2015

#1 Shoubu-RIKEN
#2 Suiren Blue-High Energy Accelerator Research Organization /KEK
#3 Suiren-High Energy Accelerator Research Organization /KEK
#4 GSI Helmholtz Center
#5 TSUBAME-KFC-GSIC Center, Tokyo Institute of Technology
#6 XStream-Stanford Research Computing Center
#7 Storm1-Cray Inc.
#8 Wilkes-Cambridge University
#9 Taurus GPUs-TU Dresden, ZIH
#10 Financial Institution


 PEZYグループのスパコンがGreen500で首位から3位までを独占した以上、エクサスケールコンピューティングの実現は、問答無用で「日本国」が先頭を走っているという事になります。とはいえ、例により日本国内メディアは本件をあまり報道しないのではないかと予想しています。


 皆様のご協力が必要です。(チャンネル桜でも、特集番組を組んでもらうつもりです)
 とりあえず、PEZYグループ(完全な日本の民族資本の企業グループです)の快挙を讃えて下さいませ。


 ちなみに、8月15日に開講予定の三橋経済塾第四期第八回講義のゲスト講師は、PEZYグループ代表の齊藤 元章様でございます。

http://members4.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1151

 塾生の皆様、ご留意くださいませ。


「PEZYグループの偉業を讃える」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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