沈黙の螺旋(後編)

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『ドイツ第四帝国①』三橋貴明 AJER2015.7.21

https://youtu.be/mR1pvzlOzbU

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※三橋も決起人を務めさせて頂いております「全国ふるさと甲子園(8月7日)」のご案内です。三橋も参りますので、皆様、是非、お越しくださいませ。

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 本日も藤井聡先生の「超インフラ論 地方が甦る「四大交流圏」構想 (PHP新書) 」の話題でございます。




 本書を読み、三橋の心に最も印象が焼き付いた言葉は、「沈黙の螺旋」です。


 日本に財政問題(国の借金問題」など、存在しない
 1996年をピークに、日本は公共投資を半減させた。結果、需要不足が終わらず、デフレが長引き、国民が貧困化していった。
 公共投資削減による需要減少と、談合叩きや公共事業の一般競争入札化という規制緩和により、日本の建設企業はピーク(99年)の60万社から、現在は43万社にまで減ってしまった
 同じく、建設関連労働者も、ピークの680万人から、500万人弱にまで減少。世界屈指の自然災害大国で、土木・建設の供給能力が縮小するという、最悪の「亡国路線」が継続している。


 土木・建設の供給能力を回復させるには、政府が長期的なインフラ投資計画を提示し、予算をつけていくしかない。さもなければ、ゼネコンといえども将来不安を払拭できず、人を本格的に雇用しようとしない。
 土木・建設の供給能力不足を補う生産性向上は必須だが、生産性を高める投資にしても、安定的なビジネスが確保されなければ困難


 現在の日本では、東北復興は当然の話として、来るべき南海トラフ巨大地震、首都直下型地震への備えが必須。
 中央リニア新幹線やILC(国際リニアコライダー)など、本来は政府が大々的に予算をつぎ込む必要があるプロジェクトが存在している。(リニア新幹線は、今のところJR東海が自費で建設)


 日本国の最大のリスクは、実は中国の存在よりも「東京一極集中」。東京一極集中を解消するためには、大阪を中心とシア大大阪圏構想や、日本海側の第二国土軸といった「人口分散」のための国土計画が必須。
 実際に大大阪圏構想や第二国土軸を実現するためには、新幹線(リニア含む)や高速道路網といったインフラ整備を進めなければならない
 安倍政権は地方創生を標榜しているが、そのために必要なのは「地方同士を競争させ、格差をつける」ではなく、インフラを整備し、生産性が高まりやすい環境を作り、地方移転の税制を強化すること


 高度成長期に建設された道路、港湾、トンネル、橋梁、上下水道といった基本インフラが老朽化している
 公共投資を減らしてきたため、日本は「保有台数1万台あたり高速道路延長距離」で、主要先進国最低の状況。ドイツに至っては、全ての人口20万人超の都市に新幹線クラスの高速鉄道(ICEなど)が整備されている。日本は・・・・。

 世界の海運の主流は超大型コンテナ船だが、日本には超大型コンテナ船が入港できる港が一つもない(というわけで、韓国の釜山で積み替えて日本に運び込んでいる)。

 日本はすでに、インフラ後進国というのが現実。(20年近くも、インフラ投資をさぼっていた以上、当たり前)


 と、ざっとおさらいをしてみましたが、上記の「データに基づく現実」あるいは「事実」を理解した上で、
「インフラ投資で経済成長など、できるわけがない」
 と、主張する人は、よほど頭が悪いと思うわけですが、実際には「頭の悪い連中」が藤井先生やわたくしなどを「土建屋の手先!」と攻撃し、インフラ投資を「主張しにくい」空気を作ろうとするわけです。


 あのね、藤井先生は土木工学が専門ですが、わたくしは特に専門はありません(強いて言えば「経世済民」が専門)。わたくしの場合、土建屋の手先であると同時に、電力業界の手先でもあり、さらに農協の手先でもあるという話になってしまうでしょう。どんだけ浮気性というか、世渡り上手なんですか、わたくしは。


 実際には藤井先生もわたくしも、「○○の手先」などということはなく、単に「事実」を述べているに過ぎません。事実が間違っているというならば、それを指摘し、批判すればいいのです。


 そういえば、先日「日本ほど農業を保護していない国はない」という、最近の日本では「過激」な印象になってしまうタイトルのエントリーを二日続けてアップしましたが、ついに一度も「具体的」な批判はありませんでした。あのグラフの「数字」には、誰も勝てないようですね。


 上記の土木・建設、公共投資関連の「情報」も、具体的な反論は出来っこないのです。なぜなら、単なる事実だから。


  というわけで、事実を突き付けられた「彼ら」は、藤井先生やわたくしなどを誹謗中傷し、個人の信用を貶めることで否定しようとしてきます。「超インフラ論 地方が甦る「四大交流圏」構想 (PHP新書)  」のP86に藤井先生が書かれていますが、大阪都構想を否定した藤井先生の信用を貶めるため、
「藤井氏の言っていることは、最初から最後まで土木関係者の利権を守るためだけ」
「藤井の提案では、明るい大阪の未来を作ることはできません。なぜなら既得権益者を守ることを第一に考えているからです」
 などと、攻撃し、「藤井=既得権益=利権」という印象操作を行い、藤井先生の「事実」に関する主張の信用を引き下げようとしてくるわけです。


「(P87)こうした構造を通して、インフラ論者に対する嫌がらせが繰り返されることで、インフラ論自体がますますメディア上で語られなくなっていく一方で、批判する声(例えば、シロアリ論)だけが声高に喧伝されるようになっていく。そうすると今度は、そうしたメディア状況それ自身がますますインフラ論者に対するバッシングを加速させていくことになる。
 一般に、社会心理学ではこうした社会現象は「沈黙の螺旋」と言われている。
 すなわち、いったん上記のようなインフラ論に対するバッシングが始められると、仮に多くの人々がインフラ論の重要性を理解していたとしても、「沈黙」して口をつぐんでしまう。そうすると今度はその「沈黙」それ自身が、さらにインフラ論について発言をしにくくさせる圧力を生む。つまり「沈黙」がさらなる「沈黙」を呼び、沈黙が螺旋状に進行していく。そしてこうした「沈黙の螺旋」を通して、こわばった空気が形成されてしまうのである。」


 まさに、上記の状況に陥っているのが現在の日本です。しかも、インフラ論のみならず、エネルギー安全保障論(電力関係)、食料安全保障論(農協関係)、TPP論、雇用規制緩和論などなど、あらゆる「構造改革」において沈黙の螺旋が生じつつあり、我が国は亡国への道を突っ走っています。


 当然、「三橋は既得権益の手先!」といった誹謗中傷以外にも、様々なレトリック、レッテル貼りが行われます。例えば、労働者派遣法改正やTPPに反対すると、
「共産党も労働者派遣法やTPPに反対している。三橋もひょっとして・・・」
 と、やってくるわけです。


 もちろん、彼らはいやしい卑怯者たちです。特に「いやしくて卑怯」な連中は、明らかにわたくしや藤井先生を指している文脈で、名指しを避けます(告訴されるのは怖いのでしょう)。二重の意味で卑怯な、人間の屑たちが大勢、実在するわけです、

 そして、その卑怯な人間の屑たちが産み出した「沈黙の螺旋」により、日本は亡国へと一歩、また一歩と進んでいっています


 さあ、どうしますか?


 とりあえず、絶対に確実なのは、「沈黙」することは状況を悪化させるだけ、という話でございます。「事実」を理解している国民一人一人が「発言」し、沈黙の螺旋を打ち破るしかありません。


 本問題は、決して藤井先生や三橋貴明という個人の問題ではないのです。「亡国」の影響を受けるのは、上記の「卑怯者たち」を含む全ての日本国民であるという事実を、理解する必要があります。


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