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『ドイツ第四帝国①』三橋貴明 AJER2015.7.21

https://youtu.be/mR1pvzlOzbU

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※三橋も決起人を務めさせて頂いております「全国ふるさと甲子園(8月7日)」のご案内です。三橋も参りますので、皆様、是非、お越しくださいませ。

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 最近は土日含めてほぼ毎日、地方出張(講演)のお仕事をしているのですが、それで思い出したので話を変えますが、チャンネル桜の討論番組に、
「三橋が出ていない。桜側が出したくないんだ(何故に「出したくない」という話になるのか分かりませんが)」
 などと、妙な邪推をする人がいますが、毎回わたくしは「呼ばれて」はいるのですよ。ただ、現実問題として収録の日に講演が入っている可能性が極めて高く、出演できないだけです(何しろ、年間200回近く講演をしているのです。しかも、過半が地方出張です)。


 講演は一年前から決まりますが、テレビの収録は早くて二週間前なので、偶々「その日は空いている」状況でなければ、出演できません。そして、空いている確率は間違いなく五割を切ります。


 チャンネル桜は、まだしも二週間前に声をかけて下さるのでマシなのです。民放系に至っては、三日前とかに「出てくれませんか」と連絡してきます。当たり前ですが、ますますスケジュールが空いている確率は下がります。


 というわけで、地方出張に話を戻しますが、地方在住の若い世代の経営者が、
「私の地元も、若い人たちの流出に悩んでいます。このまま衰退するのではないかと、心配です」
 と、こぼされるので、毎回、わたくしは、
「あの、若い人たちが流出するということは、皆さんのビジネスの『競合』が減るという話ですよね。つまりは、需要ではなく『供給能力』が不足することになります。ということは、皆さん一社当たりの市場は大きくなるし、むしろサービス価格を引き上げて儲けるチャンスが来た、というだけの話ではないですか」
 と返すわけでございます。大抵は、「あ、言われてみれば・・・」という表情をして(ほぼ)必ず、
「目から鱗が落ちました。そんなこと、考えもしなかった
 と、感想を仰います。


 これが、逆に「高齢者が流出する」場合は、話がまるで逆になります。供給能力に対し、需要が減ることになり、若い世代の競争は激化します。賃金は下がり、失業率も上昇するでしょう。


 また、若い世代の流出で、「残った若い世代」の所得が増えていけば、婚姻率や出生率が上がり、人口もそのうち底を打つでしょう。と言いますか「地方の方が儲かる」という状況になれば、むしろUターンやIターンが増えると思います。


 というわけで、政府は、
「地方から人口が流出している。大変だ~っ!」
 と、的外れな煽りをするのではなく、淡々と「地方に」インフラを整備し、競争条件(モノやサービスの生産の容易さ、という意味)を引き上げ、あとは地方移転の減税政策を拡大すれば、日本の地域間格差は縮小に向かうでしょう。


 地域間格差が縮小し、特に東京一極集中が緩和されれば、「首都圏の住民」の安全保障も強化されます。何しろ、首都直下型地震が発生した際に、首都圏の被災者を助けてくれるのは「地方の日本国民」なのです。


 無論、逆に地方で大規模自然災害が発生した際には、首都圏の住民も被災者を助けなければなりません。
困ったときはお互い様」」
 という、健全なナショナリズムの精神
を維持しなければ、この国では生きていくことができないのです。


 ところが、現実の安倍政権は各地に「競争させ、格差を認める地方創生策」を推進しています。何しろ、石破地方創生相自身が、今年1月29日にブルームバーグ・ニュースのインタビューに答え、各自治体に競争原理を導入することが地方活性化に不可欠だとして、結果として格差が生じることも止むを得ないとの認識を示しました。


 挙句、地域間格差の問題に比べれば、明らかに優先順位が低い「一票の格差」を是正し、むしろ地域間格差を拡大する方向に舵を切っています


自民と野党4党の「10増10減」案 参院可決
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000055388.html
 参議院の一票の格差を是正するため、自民党と維新など野党4党が提出していた選挙制度の改革法案が参議院本会議で可決されました。
 可決された改正案は、鳥取と島根、徳島と高知をそれぞれ統合する「合区」を行うなどして、参議院での一票の格差を3倍程度に縮小させるものです。ただ、公明党が一票の格差を2倍以内にする独自案を民主党とともに提出したうえに、自民党案には反対票を投じるという1999年の自公連立以来、初めての事態となりました。また、自民党内からは、合区の対象となっ
た選挙区の議員6人が「賛成できない」として採決を前に退席しました。法案は、28日に衆議院で採決されて可決・成立する見通しで、来年夏の参議院選挙から適用されることになります。』

 
 競争原理を導入した「地方創生」策にせよ、一票の格差の是正にせよ、地域間格差を拡大し、我が国の国家全体としての安全保障を弱体化させる政策になります。


「一票の格差を是正します」
 とだけ聞くと、普通の国民は「良いことだ」と思うでしょう。結果的に、地方の衰退が進み、都市部の住民の安全保障までもが脆弱化していくという「現実」を知って欲しいのです。

 日本政府が優先すべきは、一票の格差是正でも「地域間競争の激化」でもなく、地域間格差の解消なのです。


「地域間格差の解消を!」に、ご賛同下さる方は、

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