おカネの話(前編)

テーマ:

株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター  はこちら

人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『ギリシャと地方創生①』三橋貴明 AJER2015.6.16

https://youtu.be/kDM_C2YUqHU

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

   


 チャンネル桜「報道ワイド日本ウィークエンド」に出演しました。


【ギリシャ危機】7月5日国民投票、長期デフレかユーロ離脱か?[桜H27/7/3]
https://youtu.be/fsrlehvbywo
【明るい経済教室】緊縮財政のための、財政破綻論と構造改革の物語[桜H27/7/3]
https://youtu.be/hKintSP0JTo
【報道しない自由】亡国の農協改革、危機に晒される全農と食料安保[桜H27/7/3]
https://youtu.be/OAEr945LXHo


 上海総合株価指数が暴落(と表現して構わないでしょう)しておりますが、まだまだ5000ポイントから3686ポイントに落ちただけ。前回の第一次上海株式バブル崩壊のときは、6000ポイントから2000ポイントを割りこむところまで暴落致しましたので、まだまだこれからでございます、中国株におカネを投じたギャンブラーの皆さん。諦めたら、そこで試合終了ですよ。

 
 さて、日本銀行が15年3月末時点の資金循環統計を発表いたしましたので、グラフをアップデートします。


【2015年3月末時点(速報値)日本の国家のバランスシート(単位:兆円) 】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#15Q1BS


 おカネとは「債務と債権の記録」です。皆さんが自身の負債として「100万円札」を印刷したとして、それを100万円の買い物の際に使用でき、譲渡性が保障されると、おカネになります。その場合、債務者は「皆さん」で、債権者は「100万円札を持っている誰か」という事になります。


 100万円札の印刷はできませんが、譲渡性がある約束手形は、普通に「おカネ」です。債権者は手形の保有者、債務者は手形発行者です。

 というわけで、皆さんの現金紙幣も日本銀行の約束手形になります。債権者は現金紙幣の保有者、債務者は日本銀行というわけでございます。


 政府(日銀ではありません)の通貨発行によるシニョリッジを除き、債務と債権は必ず「同額」ずつ増えていきます。そのため、国家のバランスシートは必ず左右対称となります。

誰かの資産は、誰かの負債
誰かの黒字(資産増、もしくは負債減)は、誰かの赤字(資産減、もしくは負債増)
 にならざるを得ないのです。


 日本国内で「財政破綻」などと煽っている連中は、信じがたいことに上記の「統計的な原則」をすら理解していません。政府が負債(借り入れ)「だけ」を増やすことができると考えているようで、異世界(というか異次元)の世界の住人なのです。


 結果、
「政府の負債(1206兆円)が家計の資産(1708兆円)を超えると、破綻するウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥッッッ!!!!」
 などという、オモシロ破綻論まで飛び出す有様なのでございます。

 政府が負債を増やすと、同時に必ず「資産」も増えます。おカネを借りるとは、そういうことです。政府は借りたおカネ(資産)を、国内で使います。


 すると、おカネという資産は政府から企業、家計へと移っていきます。すなわち、
政府がおカネを借りると、民間(家計、企業)の資産が必ず増える
 のです。

 無論、政府が借りたおカネ(資産)を使わず、銀行預金か何かで持ち続ければ上記のプロセスは生じませんが、それではそもそも「何のためにカネを借りたのか」という話になってしまいます。
 というわけで、
「政府の負債が家計の資産を超えると、破綻するウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥッッッ!!!!」
 論者には申し訳ないのですが、現在の日本では政府が負債を増やせば増やすほど、家計の資産も増えていき、いつまで経っても「超えると」の状況がやってきません。当たり前です。


 また、日本政府がプライマリーバランスを黒字化し、負債を減らしたとき、反対側で必ず誰か(家計、企業、外国)の赤字(資産減、負債増)が増えます。これはもう、統計的原則により、そ必ずうならざるを得ないのです。


基礎収支の赤字額、9.4兆円より減少へ 内閣府が試算改定へ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H2Z_T00C15A7EE8000/
 内閣府は月内にも、経済財政に関する中長期試算を改定する。黒字化を目指している2020年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字額は、2月に試算した9.4兆円よりも減少する見通しになった。14年度の税収が1月時点よりも約
2.2兆円上振れし、20年度の税収見通しが押し上げられるためだ。(後略)』


 内閣府は相変わらず、政府「だけ」に話を絞り、プライマリーバランスが黒字だ、赤字だとやっていますが、本来は「国家全体のバランスシート」を意識したシミュレーションをやらなければなりません。政府がプライマリーバランスの赤字を減らすということは、その分、別の誰かの負債が増えるか、資産が減るのです。


「誰かの資産は、誰かの負債」
「誰かの黒字(資産増、もしくは負債減)は、誰かの赤字(資産減、もしくは負債増)」


 という原則を理解するだけで、現在の日本国内(あるいは世界)の財政論が、いかに「レベルが低いか」が理解できると思います。官僚(内閣府)までもがこの程度ですから、国民自らおカネに関する「知識」「知見」「知恵」を身に着け、議論全体をレベルアップしなければならないと痛切に感じるわけでございます。


今後も三橋貴明の言論活動をご支援下さる方は、 

↓このリンクをクリックを!
新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

新世紀のビッグブラザーへ blog
◆関連ブログ

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

◆三橋貴明関連情報

Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中

新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。