デンマークの移民政策

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『ギリシャと地方創生①』三橋貴明 AJER2015.6.16

https://youtu.be/kDM_C2YUqHU

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 本日はチャンネル桜「報道ワイド日本ウィークエンド」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1521


 さて、デンマークで新政権が発足しました。


デンマーク、新政権発足で反移民へ転換
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO88794810S5A700C1000000/?n_cid=DSTPCS013
 デンマークで新たに発足した中道右派政権は1日、移民に対する社会保障給付を半減することを発表し、移民排斥を唱える政党の創設者を国会議長に指名した。
 デンマーク国民党の創設者で、スウェーデンの雑誌から「今年の人種差別主義者」に選ばれたこともあるクラスゴー党首が国会議長となる。閣外では最大の要職だ。
 総選挙で第2党となったデンマーク国民党。グラスゴー党首(右)が国会議長に=ロイター
 デンマーク国民党は6月の総選挙で第2党となったが、少数連立政権への参加は拒否した。単独政権となった自由党は、選挙では過去25年間で最低の結果に終わり第3党にとどまった。
■国境管理も強化
 政権に閣外協力するデンマーク国民党は早くも閣僚への影響力を示し、一連の反移民政策を打ち出している。
 政府は1日、今年9月以降の新規移民には社会保障を削減すると発表した。9月以降の移民は「統合給付」を受けるが、実態は給付はほぼ半減となる。例えば、単身者の移民に対する給付は月1万849クローネから5945クローネに、子どものいる夫婦は月2万8832クローネから1万6638クローネに減る。
 シュトルベルク統合相は、「デンマークに押し寄せる難民申請者の波を抑えられるように制限を強める。これは政府が導入する一連の制限策の第1弾だ」と語った。(後略)』


 グローバリズムとはモノ、ヒト、カネという「経営の三要素」の国境を越えた移動の自由を拡大することです。特に、「ヒト(労働者)の移動の自由化」が、現在のヨーロッパに深刻な問題を引き起こしているわけです。


 そもそも、デンマークの移民政策は1960年代に始まりました。ドイツなどと同様に、デンマークもまた「人手不足」を補うために、外国人労働者(主にトルコ人)を受け入れました。


 当然、人手不足解消のための「ゲストワーカー」 の受け入れに過ぎず、ローテーション制などもドイツ同様に採られたのですが、現実にはトルコ人労働者が家族を呼び寄せ、第二世代、第三世代の移民が誕生してきます

 現在のデンマークは失業率が6.3%。人手不足でも何でもありませんが、東欧や中東などから移民が流入し続けています。


 およそ10万人の失業者が存在すると同時に、12万以上のフルタイムな職に「外国人労働者」が就いています


 以前も書きましたが、デンマークはお隣のスウェーデンと比較すると外国人を受けれいていません。2014年のスウェーデンは8万人の難民を受け入れましたが、デンマークは約1万5千人でした。

 とはいえ、社会保障を受けている(これが問題なのですが)外国人を含めると、デンマークの人口562万人の内、移民の割合は11%。日本で言えば、1300万人の移民がいるという話になります。


 デンマーク全体の就業率は73%ですが、西欧以外出身の移民の就業率は、何と47%。就業率の差は「社会保障支出」で埋められていることになります。


 もっとも、働く移民は本当に熱心に働くようで、デンマークで外国人を雇う雇用主たちは、
「デンマーク人は働かない。職があるのに就こうとしない。だから、安い賃金でも懸命に働く外国人を雇うんだ」
 と、どこかで聞いたようなレトリックで外国人の「優先」的な雇用を正当化するそうです。


 結局のところ、問題は「経営」と「経済」の対立、あるいはバランスなのです。「経営」面のみを重視する限り、「安い賃金でも働く」外国人を雇った方が「利益」は増えます


 が、当然ながら国民の実質賃金は下がり、雇用が不安定化し、社会が不安定化していきます(特に、日本の場合)。すなわち、経世済民という意味の「経済」にダメージを与えるのです。


 無論、失業した外国人労働者は社会保障の対象となり、国内に軋轢を生むことになります。仕事が多かった時期に外国人を雇い、仕事が減った結果、外国人を解雇した経営者は、別に最後まで面倒を見たりしません。ツケを「社会」に押し付けるわけです


 それが「悪」だと言いたいわけではありません。利益を求める「経営」の観点から言えば、正しいわけです。 


 とはいえ「経済」から見ると困るという話で、結局「経済と経営をどこでバランスさせるか」という問題なのでございます。 

 現在のデンマークや欧州各国の移民を巡る混乱を見ていると、「経営」「ビジネス」を優先した社会の行く末がいかなるものか、明瞭に示してくれるわけでございます。


 日本は決して、移民国家を目指してはなりません。


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