続 技術と需要

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『ギリシャと地方創生①』三橋貴明 AJER2015.6.16

https://youtu.be/kDM_C2YUqHU

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 徳間書店「超・技術革命で世界最強となる日本 」が増刷になりました。これで三刷でございます。ありがとうございます。


  欧州原子核研究機構、すなわちCERN(SERNではありません)のLHC(大型ハドロン衝突型加速器)及びその前身のLEP(Large Electron-Positron Collider)という大型粒子加速器の研究、開発、製造により、二つの技術が大きく発展しました。すなわち、WEB(LEP開発時)及びグリッド・コンピューティング(LHC開発時)です。


 細かい話を書いておくと、LEP開発時に世界中の技術者たちがコミュニケーションをとる必要があったのですが、メールでやり取りするのではらちが明かず、というよりもメールが飛び交い、混乱する状況になったため、一カ所に情報を集積し、多くの科学者が同時に参照するWEBが開発されました。


 さらに、LHC開発時に膨大な処理を処理する必要があったため、グリッドコンピューティングが発展しました。

 すなわち、
「世界中の技術者が情報共有しなければならない」
「多数のコンピュータで並列に情報処理しなければならない」
 という需要が大型粒子加速器の開発の際に生まれ、需要を満たすために「技術」が開発されたのです。


 日本の歴史上、最大のプロジェクトが始まろうとしています。すなわち、2027年に東京-名古屋間(現時点では)を結ぶ超伝導リニア新幹線です。

 リニア新幹線は、品川-名古屋間約285キロメートルのうち、およそ250キロ、つまりは約88%がトンネルになる予定となっています。すなわち、日本史上最大、いえ、人類史上最大の土木工事が今、始まろうとしているのです。


 当然ながら、幾多の困難が立ちふさがることになるでしょう。それでも「200キロを超えるトンネルを、山脈の下に掘り抜かなければならない」という需要こそが、我が国のインフラ技術を圧倒的な水準へと導くと確信しているのです。


 需要こそが、技術発展をもたらすのです。


 そして、需要を生み出すものは、人間の「意志」になります。カネではないのです。「成し遂げようとする心」こそが、需要と技術発展をもたらすのでございます。


<ILC>人材確保策検証作業部会を設置
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150626_33028.html
 超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」計画に関する文部科学省の有識者会議は25日、同省であった第4回会合で、計画に必要な人材の確保・育成方策を検証するための作業部会を設置した。
 作業部会では施設の建設や運営に必要な人員と、将来必要となる研究者、技術者の確保と育成の見通しなどを検討する。8月にも初会合を開き、2015年度内の報告を目指す。

 有識者会議としての中間的な取りまとめも行った。ヒッグス粒子以外の新粒子が発見される可能性の見極めや、コスト増のリスク低減に向けた積算見通しの明確化など、3項目を文科省に提言することを決めた。』


 6月25日、ILC計画に関する有識者会議が開催されましたが、例により全国紙は全く報じていません

 ILCプロジェクトを日本で実施するか否かの決断は、最終的には日本政府(というよりも政治家)に委ねられています。現時点でのボトルネックは、二つ。


 一つ目は、過去に「日本主導」で国際的なプロジェクトを推進した経験がないという点です。日本は他国が作った国際プロジェクトの枠組みで成果を出すことは得意なのですが、枠組みを作ったことは「無い」のです。


 ILCに関連する主な官庁は、文部科学省、経済産業省、国土交通省、そして外務省(外国とのやり取りがあるため)、取りまとめが内閣府なのですが、省庁が連携して「国際プロジェクト」の枠組みを作ったことは、少なくとも「戦後」の日本は一度もないのです。


 そして、二つ目は、言うまでもないですが「財務省」です。財務省が例により予算を出し渋り、話がなかなか前に進まないのでございます。


 現在、中国が五年後に建設開始という事で、円周70キロの円形粒子加速器のプロジェクトを進めようとしています。円形加速器なので、直線型のILCに比べると、レベルは落ちます。しかも、未だに設計もスタートしていない段階ですが、日本がモタモタしていると、中国の粒子加速器が「国際プロジェクト」として始まってしまいます。そうなると、「日本人を含む」世界中の科学者、技術者は中国の加速器の国際プロジェクトに参加する事態になってしまいます(マジです)。


 さて、日本がILCを建設したとして、いかなる派生技術が誕生し、発展するのか、現時点では誰にも分かりません。とはいえ、CERNのLEPやLHCによりWEBやグリッドが発展したのは紛れもない事実なのです。


 日本は果たして、人類史上最大の電子エネルギーを産み出すILCを「建設する意志」を示すことができるでしょうか。「日本」が意志を示すためには、日本国民がまずはILCについて知らなければなりません


 というわけで、チャンネル桜の番組を含め、日本国民へのILCの周知を続けたいと思います。我が国が国家として、ILC建設の「意志」を示す、その日まで。


「日本は国家としてILC建設の意志を示そう」に、ご賛同頂ける方は、

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