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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)
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あまりにも、あまりにも愚かな安倍政権、そして自民党首脳部は、
「歳出改革にひるんではならない!」
と、バカバカしい(しかも逆効果の)ヒロイズムに則り、緊縮財政一本やりの新たな財政健全化計画を出しました。
『自民特命委最終案の全容判明、「歳出改革にひるんではならない」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OQ1IA20150610
自民党の財政再建特命委員会(委員長:稲田朋美政調会長)の最終報告案の全容が10日、明らかになった。
政府・与党が6月末に策定する新たな財政健全化計画では、中間年度となる2018年度における歳出額の目標を設定し、16年度予算から手を緩めることなく集中的に歳出改革を行うことを求めている。
報告書案では、歳出改革の目安の設定を避け、税収弾性値の議論などを引き合いに出して歳入改善を強調する政府の経済財政諮問会議の議論をけん制。「不確実な税収増の議論や歳出抑制の先送りの議論は、政府・与党としての責任放棄として国民や市場からの信頼を失う」と指摘。(後略)』
「不確実な税収増の議論や歳出抑制の先送りの議論は、政府・与党としての責任放棄として国民や市場からの信頼を失う」
あまりにも、あまりにも愚かしく、もはやコメントしたくないのですが、とりあえず「国民や市場からの信頼」って具体的に何ですか? 何のデータが、どうなれば、「信頼を失った」ということになるのですか?
事実やデータから目を逸らし、「抽象論」「スローガン」で、「やらねばならない!」。こうやって、国家というのは衰退していくんだなあ、という見本みたいなものです。政府が「歳出改革にひるんではならない」などと、的外れな方向に突っ込んでいく限り、我が国の再デフレ化は「確定」という話になります。
稲田政調会長がまさに代表株ですが、政治家とは、ここまで愚かなのでございます。と、絶望したくなるかも知れませんが、一応、自民党の(特に若手)には、緊縮財政の愚かさに気が付いている国会議員が少なくありません。
問題は、彼らが声を上げないこと。厳密には、「声を上げる空気がない」ことです。彼らの多くは小選挙区で選出された国会議員であるため、公認権を持つ党首脳部に逆らうことが困難になってしまっているのです。
正しい意見を発するための「空気」がない。現在の自民党は、日本経済と共に沈滞、衰退していく状況にあると確信します。
とはいえ、それでも「財政の正論」を発言する政治家は存在するわけでございます。(小選挙区とは関係がない、参議員議員でございますが)
『財政収支黒字化に異論=自民・西田氏が意見書-特命委
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201505/2015052800934
自民党の財政再建特命委員会(委員長・稲田朋美政調会長)の有力メンバーである西田昌司参院議員は28日、政府が目指す基礎的財政収支を2020年度に黒字化させる目標について、「デフレ脱却の大きな足かせとなる」と異論を唱える意見書を特命委に提出した。西田氏は歳出削減による財政再建に否定的な見解を示し、積極的な財政出動を求めた。
政府は基礎的財政収支の黒字化を前提にした財政健全化計画を今夏に策定する方針。特命委は6月中旬にも政府への提言をまとめるが、異論が出たことで作業が難航する可能性もある。
西田氏は意見書で、黒字化目標に関して、「こだわり過ぎると政府支出を抑制し、必要な財政出動ができなくなる」と主張。「(低金利が続く)今こそ積極的な財政出動を長期的計画の下で行うべきだ」と訴えた。
その上で「財政出動を抑制することは、景気と将来的な基礎的財政収支(の両方)を悪化させる愚挙だ」と論じた。さらに「歳入改革を避け、歳出削減ばかりの議論は経済をデフレ化させる」と強調している。』
野党が「あの」体たらくでは、安倍政権の緊縮財政路線にストップをかけることができるのは、現実的には自民党の国会議員しかいません。
わたくしは現在、「亡国の農協改革(仮)」という書籍を書いていますが、本書でも「官邸や党中央部に国会議員が逆らえない」問題を重要視しています。現在の日本は、民主主義がまともに機能していないのです。
だからと言って、「諦める」ことは、主権の放棄以外の何物でもありません。
わたくしは、この国の主権者として政権の緊縮財政路線に、国民を貧困化させ、国家を衰退に追い込む緊縮財政路線に反対します。同時に、緊縮財政推進派を批判し、西田先生をはじめとする緊縮財政反対派の国会議員の皆様を精一杯、支援するつもりです。
我が国が再び「デフレ化路線」を採り始めた今こそ、わたくし達日本国民は「主権者として、どのように行動するのか」を問われることになるのだと思うのです。
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