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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)

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 拓殖大学名誉教授の井尻千男先生が、病気療養中のところ、平成27年6月3日午前1時11分、享年76歳にて逝去されました。心からご冥福をお祈り申し上げます。


 上海株式市場の上海株価指数が5000ポイントに近づいています


 中国経済は、厳密には中国の実体経済は、もはや完全に失速状態にあり、4月の乗用車生産台数は、前年同月比11.2%減少と、リーマンショック直後以来の減少幅となりました。さらに、不動産市場も投資が鈍化しており、鉄鋼等の資材も供給過剰になっています。


 何しろ、中国の場合、「あの、日本経済新聞」が、あれほどまでに日本企業の中国投資を煽り、日本の国益を損なうことを続けてきた「あの、日本経済新聞」が、以下のような記事を出す有様なのです。


『2015/6/2 日本経済新聞「もう逃げるしかない 中国ビジネス変調(ルポ迫真)」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ29HAE_R00C15A6EA1000/?dg=1


 というわけで、例により中国人民銀行は利下げや預金準備率の引き下げといった金融緩和を繰り返していますが、銀行に溢れかえった流動性は実体経済には向かわず、主に株式市場に向かっているわけです


 実体経済が失速する中、株価のみが上昇する。中央銀行の金融緩和にも関わらず、実体経済における投資が増えず、行き場を失ったおカネが証券市場に流れ込む。日本などの主要国と同じ現象が、中国でも起きているわけです。


 もっとも、例により中国の株価上昇ペースは「極端に早い」ため、近々、2008年同様に上海株式市場が暴落する可能性は決して低くないと思います。上海総合指数の時価総額は、6月1日時点で対前年比2.37倍に膨張しました。


 上記の「実体経済が振るわない中、株価のみが上昇する現象」、すなわち所得と資産価値の乖離について、第一生命経済研究所の熊野英生氏が恐ろしく適切なコラムを書いていらっしゃったので、ご紹介。


コラム:カネ余り第二幕、株価上昇の背景=熊野英生氏
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0OI15Z20150602
熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト
[東京 2日] - 2万円を突破した日経平均株価が、目先どんどん株価が上昇していきそうだというストーリーを合理的に説明することは、エコノミストにはつらいところだ。
 何しろ、最近の日本の経済指標は悪いものが目立つ。足元のファンダメンタルズだけでは説明しづらい。4月の消費支出が大きく減少し、生産統計も4―6月にかけて低調だ。5月上旬に発表された決算は良かったが、それは過去の業績拡大である。日本の景気は、「長い目でみて良くなっていく」と婉曲話法を用いて説明せざるを得ない。

そこで発想を逆転させて、「景気が足踏みするから余剰マネーが株価を押し上げている」と説明してみよう。すると、すっきりと説明できる。これは日本のみならず、米国や中国にも共通することだ。
 金融緩和の効果が効いているから、先行きの強気予想に基づき、資産価格の上昇が後押しされるという説明である。株価上昇は、マネタリーな要因なのだ。(後略)』


 ことは「経済学」の大元に関わります。


 実体経済において、経済学の前提である、
供給が需要を創出する、セイの法則
 ならぬ、
セイの仮説
 が成立しているならば、金融緩和により実体経済で投資が拡大するはずです。すなわち、企業が銀行融資を受け、投資を拡大するわけです。


 ところが、現在の世界(日本、ではありません)では需要が不足し、セイの仮説が全く成立していません。結果的に、金融緩和で銀行に「おカネを貸しやすくする」を実施しても、おカネは実体経済には向かいません。株式市場(あるいは土地)に向かい、資産価格を押し上げます。


 反対側で、実体経済の投資は活性化せず、つまりは「需要」が増えないため、GDPがマイナス成長になり(1-3月期のアメリカ)、乗用車生産が激減し(中国)、実質賃金が低迷を続ける(日本)というわけでございます。


 上記の「セイの仮説の誤り」に政策担当者が気が付き、需要創出策という適切な政策を打ってもよさそうなものですが、株価の上昇が「実体経済の不振を覆い隠してしまっている」というのが現状なのでございます。


 リーマンショック前も、ほぼ同じ現象が発生し、株価をはじめとする資産価格が大暴落し、実体経済を一気に痛めつけました。同じことが起きるのでしょうか。


 あるいは、このまま資産価格と所得の乖離が拡大していくのか。まさに、ピケティのいう「r>g」が継続するわけですが、そうなると「持続不可能な格差」が拡大し、社会は不安定化していかざるを得ないでしょう。


 いずれにせよ、主流派経済学の基盤となっている「セイの仮説」は、まさに呪いとして機能してしまっています。各国は、早急にこの「セイの仮説の呪縛」を打ち払う必要があるのです。


「政府はセイの仮説の呪縛を打ち払え!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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