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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)

https://youtu.be/I8KgC0MxR_w

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 徳間書店から「超・技術革命で世界最強となる日本 」が刊行になりました!

 
 


 明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 本日12時から、三橋貴明著『超・技術革命で世界最強となる日本』刊行記念 Amazonキャンペーンが始まります
https://dl.dropboxusercontent.com/u/1730100/japan-innovation/index.html
●キャンペーン期間: 2015年6月2日(火)12:00~6月4日(金)23:59まで
●ネット書店Amazonで本書をご購入され、キャンペーン期間中に本ページの登録フォームから申し込まれた方に、豪華著者特典をプレゼント!
●購入時にAmazonから送られてくる注文番号が必要となります。詳しくはキャンペーン開始後に掲載する「キャンペーン参加方法」をご覧ください。


 さて、上記「特典」では「経済力」「供給能力」「生産性向上」「四つの投資」「経済の三要素」について語っているのですが、経済成長とは基本的には、
インフレギャップ(需要に対し供給能力不足)の状況で、四つの投資により生産性を向上させた場合にのみ起きる
 と、考えて頂いて構いません。


 生産性向上によりインフレギャップを埋めるとは、生産者一人当たりの生産が増えることです。GDP三面等価の原則により、生産者一人当たりの生産増大イコール「生産者一人当たりの所得拡大」になります。


 もちろん、所得分配の問題はありますが、少なくともマクロ的には国民が豊かになるわけです。

 豊かになった国民は、消費や住宅投資を増やします。すると、折角、生産性向上で埋めたインフレギャップが、需要増大によりまたもや開いていってしまうのです。


 それで、いいのです。インフレギャップを埋めるために、再び生産性向上のために投資をし、実際に生産性が向上すると、国民の所得が増え、豊かになります。豊かになった国民は需要を増やし、インフレギャップがまたもや開き、生産性向上のための投資が行われ・・・、と、
インフレギャップ拡大⇒四つの投資⇒生産性向上⇒国民が豊かに⇒需要拡大⇒インフレギャップ拡大
 の循環が延々と続いていくのが「経済成長」なのでございます。
 
 ところで、未来予測で定評がある政治学者、ジョージ・フリードマン(ミルトン・フリードマンでもトマス・フリードマンでもありません)は、著書「続・100年予測(14年9月、早川書房)」において、
次の10年は、技術が必要に追いつかない時代になる。従来技術が限界を迎えているのに、代替技術がまだ確立していないという事態も生じるだろう。」

 と、書いています。


 実は、わたくしもそう考えておりまして、何しろ「グローバリズム」の世界では、企業の所得(利益)の多くが株主に還元され、厳密には「株主に還元される割合が高まり」、将来への利益分配といえる技術開発投資が細ってしまっているためです。技術開発投資が「相対的に」減っている以上、「従来技術の限界」を越えられない状況になっても不思議ではないのです。


 特に、個人的に問題だと思っているのは、企業の自社株買いの拡大です。


日本企業の自社株買い拡大、3年ぶりに公募増資とIPO上回る
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0WY2BF20150403
 株主資本利益率(ROE)改善を求めるアベノミクスなどの要請を背景に、日本企業が自社株買いに急傾斜している。2014年度は公募増資とIPO(新規株式公開)の合計額が2.68兆円に縮小する一方、自社株買いは3.36兆円と6年ぶりの高水準に拡大、それぞれの規模が3年ぶりに逆転した。自社株買いの勢いは15年度も続く見通しだが、市場からは同時に、収益拡大に向けた投資戦略の明確化を求める声も根強い。

自社株買いは09年度以降、2兆円に届かない水準で低迷していたが、野村証券の集計によると、14年度は前年比75%の大幅増となった。それだけでなく、実施した社数も前年比14%増の476社と6年ぶりに増加に転じた。社数はまだピークだった08年度(1188社)の半分以下にとどまっているものの、増勢への反転は自社株買いのすそ野が広がってきた証しとみられている。(後略)』


 企業がROEを高める方法は、二つあります。一つ目は、利益を増やす、つまりは分子を高めることです。

 そして、二つ目は、自社株買いにより分母を小さくしてしまうことになります。2014年度の日本企業の自社株買いは、最終的にはロイターの記事よりも増え、総額4兆3千億円超になったとのことです。


 とはいえ、日本の自社株買いなどまだまだ甘く、2013年決算期のアメリカ企業の配当金と自社株買いの総額は、何と8000億ドル(約96兆円)近くに達したのです(たった一年間で!)。配当金と自社株買いは、ほぼ同じ金額でした。


 ウォール・ストリート・ジャーナルは、近年のアメリカ企業の盛大な自社株買いについて、
紙吹雪のようにキャッシュが降る
 と、表現していました。(2014年1月7日 WSJ「紙吹雪のようにキャッシュをばらまく自社株買い」)


 別に、配当増額や自社株買いで株主に報いることが悪だと言いたいわけではありません。要はバランスの問題であり、現在の主要国の企業は利益という所得の分配について、あまりにも株主に偏っていると言いたいだけです。


 結果的に、「技術開発投資の果実」として所得の分配を受けるはずの「将来の国民」が犠牲になってはいませんか。


 別の言い方をすると、現代に生きる日本国民は、過去の国民の「技術開発投資」の恩恵を被っているのです。そして、現代の日本国民が、リスクがある「技術開発投資」にリソースをつぎ込まない限り、将来世代が恩恵を被ることはありません


 それで、良いのでしょうか?


 絶対に良いわけがない、と確信したからこそ、わたくしは「超・技術革命で世界最強となる日本 」を刊行し、「技術」「投資」の重要性と「おカネの意味」について、改めて世に問いたいわけでございます。


「より重要なのは、おカネよりも技術、投資である」に、ご賛同下さる方は、

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