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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)
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14年4月の実質消費、つまりは「消費税増税から一年後」の実質消費が発表になりました。
『4月の実質消費支出、前年比1.3%減 市場予想は3.0%増 家計調査
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL27HIB_X20C15A5000000/?dg=1
総務省が29日発表した4月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり30万480円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.3%減少した。前年同月を下回るのは13カ月連続。QUICKが発表前にまとめた市場予想の中央値は3.0%増だった。季節調整して前月と比べると5.5%減少した。(後略)』
3月の実質消費は、対前年比10.6%のマイナスという衝撃的な数字だったわけですが、あれはまあ、14年3月の駆け込み消費の反動と説明できないこともありません。
とはいえ、今度は違います。
消費税増税により消費が大きく落ち込んだ14年4月の数字よりも、一年後にさらに消費が実質的に落ち込んでしまったという話です。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#Jcon
結局、政府が主張していた、
「消費税増税の悪影響は一時的。すぐにV字回復する」
あるいは、
「消費税増税の影響は、金融緩和でカバーできる」
といった論調は、全て「ウソ」だったのです。
14年4月の極端な実質消費の落ち込みから一年が経過し、さらに消費が落ち込んでいるのです。消費税増税の悪影響は継続しており、収束の見込みは現時点ではありません。
何しろ、政府が今や完全に財務省路線に乗り、緊縮財政のあの手この手を繰り出してきているのです。消費という、GDPの6割に達する大需要が縮小している反対側で、政府がさらに支出を絞り込もうとする。まんま、橋本政権の再来です。
橋本政権期と違うのは、唯一、金融政策だけですが、消費税増税という「財政の失敗」を金融政策でカバーすることは、少なくとも「充分」には不可能です。と言いますか、金融政策で財政の失敗を十分にカバーできるならば、消費税増税後の急激なインフレ率の落ち込みの説明が付きません。
先日、5月13日。黒田日銀総裁が参議院のデフレ脱却・財政再建調査会において、14年4月の消費税率引き上げの景気への影響について
「駆け込み需要とその反動、税負担増による実質所得の減少が、やや予想を超えた大きさだったことは認めざるを得ない」
と発言しました。とはいえ、反動減の影響はすでに収束しつつあるとも語っているわけで、今年度の日本経済の再デフレ下の可能性がますます高まっているとしか言いようがありません。
消費税の悪影響が大きかったというのであれば、当然、解決策は「消費税減税」もしくは「財政拡大」です。財政の失敗により、一年経っても反動減の影響が「収束していない」にも関わらず、政府からは景気を楽観視する声しか聞こえてきません。
ちなみに、タイトルに貼っている「衝撃」とは、4月の実質消費の落ち込みの話ではありません。個人的には、良くてゼロ成長だと予想していました。
衝撃とは、記事にもある通り、QUICKの市場予想の中央値が3%だったことです。実質賃金が落ち込みを続ける中、何をどうすれば実質消費が増えるという見込みが立つのでしょうか。謎です。
さらに衝撃的なのは、上記の結果を受け、総務省が消費の基調判断を、
「このところ持ち直している」
に据え置いていることです。
もはや、日本語の使い方から学び直すべき、という段階だと思います。
政府は早急に財政出動を拡大し、実質消費と実質賃金を直接的に拡大する政策を推進しなければなりません。さもなければ、今年度の我が国は普通にデフレに舞い戻るでしょう。
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