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チャンネルAJER更新しました!
『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)

https://youtu.be/I8KgC0MxR_w

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 さかき漣:著「顔のない独裁者 」を原作としたスピンアウト作品、平松禎史:監督「イブセキヨルニ 」が公開となりました。



 

ねえ進・・・。結局、顔のない独裁者って、誰のことだったと思う? (CV:林原めぐみ)」


 さて、昨日はチャンネル桜の経済討論の収録があったわけですが、高橋氏と松田氏という財務省出身のお二人が、「超」ぶっちゃけましたので、大変面白かったです。是非、三時間目までご覧ください。(土曜日放映です)


 経済討論の面白さとしては、桜最高、つまりは日本史上最高のような気がいたします。まあ、民放では絶対に、ぜ~ったいに放映できない討論なのですが。


1-3月GDP 2期連続のプラス
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150520/k10010085291000.html
 ことし1月から3月までのGDP=国内総生産は、消費増税の反動減の影響が一巡し住宅投資が伸びたことなどから、前の3か月と比べ実質でプラス0.6%、年率に換算してプラス2.4%となり、2期連続のプラスとなりました。
 内閣府が発表したことし1月から3月までのGDPの伸び率の速報値は、物価の変動を除いた実質で前の3か月と比べてプラス0.6%となりました。この伸びが1年間続いた場合の年率に換算しますと、プラス2.4%となり、2期連続のプラスとなりました。
 主な項目では、消費増税の反動減の影響が一巡し雇用や所得環境も改善していることなどから、「個人消費」がプラス0.4%と3期連続のプラスとなりました。「設備投資」も、企業業績の改善を背景にプラス0.4%と1年ぶりのプラスとなりましたが、「個人消費」とともに小幅な伸びにとどまりました。また、「住宅投資」はプラス1.8%と、1年ぶりのプラスとなりました。一方、「外需」は、天然ガスや化学製品などの輸入が増え、輸出の増加を上回ったことから、GDPを0.2%押し下げました。
 これで、昨年度1年間のGDPの伸び率は実質でマイナス1.
0%と、リーマンショック後の平成21年度以来、5年ぶりのマイナスとなり、マイナス0.5%程度としていた政府の見通しを下回りました。(後略) 』


 経済討論においても、もちろん話題になっていますが、1-3月期のGDP速報値が出ました。

話が分かりにくくなるので、数字はとりあえず全て「前期比%」で解説します。


 実質GDPが対前期比プラス0.6%。名目GDPがプラス1.9%。全体の数字を見る限り、「おおっ!」という感じですが、中身を見ると愕然としてしまいます。


【日本の名目GDP(十億円、年換算)と実質GDP成長率(対前期比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#GDP


 何しろ、実質GDP0.6%成長のうち、0.5%が「在庫の増加」によるものなのです。何度か書きましたが、在庫の増加はGDPを押し上げます。


 無論、在庫の増加が「将来の需要拡大」を狙ったものである場合もあるわけですが、1-3月期の実質消費が対前年比7%減(無論、駆け込み消費の反動もあるのでしょうが)だったことに鑑みるに、将来の需要期待ではなく、
「需要不足により、作り過ぎてしまった」
 可能性の方が高いわけです。

 ということは、次の四半期(つまりは今期)に在庫減少となり、GDPを押し下げることになります。


 そして、名目GDP。対前期比1.9%成長のうち、在庫増加分が0.3%、そして「輸入の減少」分が何と1.4%です。在庫増と輸入減少の寄与度が1.9%の内、1.7%を占めるのでございます。


 輸入の減少ですが、実質値ではプラスなのですが、名目値で大きなマイナスとなりました。(輸入の減少も、在庫の増加と同じくGDPを押し上げます)

 理由はもちろん、原油安です。

 そして、以前、何度か解説しましたが、輸入金額の減少はGDPデフレータを押し上げます。というわけで、1.3%のプラスになりました。


参考【見当違いなGDPデフレータ 】
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11911471239.html
『ちなみに、GDPデフレータはリーマンショック後もプラス化していますが、これはリーマンショックにより輸入物価が大幅に下落し、見かけ上の交易条件が改善されてしまったためです。(あまり深く考えず、輸入物価の下落はGDPデフレータを押し上げる効果があるとだけご理解ください)』
 
 というわけで、今回のGDPの主役は「在庫増」と「輸入金額減少」だったのです。この中身を見ずに(あるいは、見たのか)、例えば甘利大臣が、
較的初期段階でこの数字が確保できれば、目標以上に経済が回復してくる
 などと語っているわけで、まずいなあ、という話です。在庫増と輸入金額減少にGDPが押し上げられたのを受け、政府が間違った自信を持ってしまい、補正予算等の需要拡大策が打たれない可能性が高まっているように思えてならないのです。


 本当に危ないことは、経済がほとんど成長していないことではありません。危ないことを「危ない」と政策担当者が認識できないことこそが、本当に危ないのです。


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