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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)
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さかき漣:著「顔のない独裁者
」を原作としたスピンアウト作品、平松禎史:監督「イブセキヨルニ
」が公開となりました。
「ねえ進・・・。結局、顔のない独裁者って、誰のことだったと思う? (CV:林原めぐみ)」
本来であれば、本日から通常営業(経済の話)に入りたいところなのですが、さすがに看過できない「異常な言論」がまき散らされている状況なので、昨日の続きです。
昨日までのエントリーで、大衆を「無知」に追い込む全体主義については、ある程度はご理解頂けたのではないかと思います。
「突破力がある、橋下市長が推進する大阪都構想だから、賛成」
といった「主旨(幅広くとって下さい)」の発言をしていた自称保守系言論人たちは、まさしく大阪市民を「無知なる大衆」に追い込む手助けをしていたわけでございます。
さて、世の中には役回りというものがあります。三橋貴明には三橋貴明の、藤井聡先生には藤井聡先生の、中野剛志氏には中野剛志氏の、柴山桂太先生には柴山桂太先生の、施光恒先生には施光恒先生の、さかき漣にはさかき漣の、役回りというモノがあるのです。
わたくしの役回りは、少なくとも現在は、
「誰が正しいかではなく、何が正しいのか」
について、特に経済分野で「見える化」することだと思うのです。というわけで、今日は桜の討論の収録(経済討論)もあることですし、頑張ってきたいと思います。
ちなみに、上記の六名は、東日本大震災直後の11年5月に、京都の藤井先生の自宅に集まった「メンバー」になります。先日の「イブセキヨルニ」のニコ動番組で、藤井先生やさかき漣がちらりと話していましたが、あの時、集まった六名は、
「数年後、自分たちのほとんどは生きていないだろう。(女性の)さかき漣だけが生き残るのだろうなあ」
などと、酒肴を傾けながら、語り合ったのでございます。とはいえ、現実には全員、ぴんぴんしています。
それはともかく、上記の京都の会の後、我々の象徴たる「「新」日本経済新聞」には、宍戸駿太郎先生、青木泰樹先生、佐藤健志先生、それに浅野久美先生、上島嘉郎先生、島倉原先生、さらには「イブセキヨルニ」を監督された平松禎史先生などなど、現代の「知」を体現する皆様が集い、メルマガ配信を続けております(しつこいけど、全員、ボランティアです)。
さて、大阪都構想という名の大阪市解体構想について、「朝生ワイド す・またん!」(読売テレビ)で、ニュースキャスターの辛坊治郎氏が、
「今回、(投票では)反対が若干多かったんですけど。原動力となったのは圧倒的に70代以上ですから!」
「老い先短い人たちの目の前の不安感を解消することができなかった」
「これからの世代の子はかわいそうかなって気がします」
と、語りました。
『辛坊治郎氏が大阪都構想の否決に高齢者の反対票を批判「これからの世代の子はかわいそう」
http://news.livedoor.com/article/detail/10126081/
18日放送の「朝生ワイド す・またん!」(読売テレビ)でニュースキャスターの辛坊治郎氏が、大阪都構想の否決について、高齢層の反対票に対し批判的な見解を示す一幕があった(後略)』
大阪弁風に言うと、「アホ、ちゃうけ?」という感じでございます。
何しろ、大阪市の人口構成上、最も人数が多いのは30代、40代なのです。
確かに、出口調査の結果を見る限り、70代の反対票は多かったわけですが、人口構成で言えば「30代、40代の有権者が多数派」なのが大阪市なのです。それにも関わらず、70代の投票が「多く見える」形で都構想が否決されたということは、単に30代、40代が投票に行かなかっただけの話です。
要は、大阪都構想を否決したのは、70代の「反対票」ではなく、30代、40代の「棄権票」の影響も大きいのです。そんなことは、数字を見れば誰でも理解できるはずなのですが、マスコミは、
「高齢者が反対したから、大阪都構想が実現しなかった。敵は、高齢者だ」
系の報道を実施し、大阪で「高齢者 対 若年層」の対立があるがごとく報じようとします。この手の、共同体内で「敵」を作り出し、互いに攻撃を煽る手法こそが、まさしくナチス・ドイツに代表される全体主義的手法なのです。
「ユダヤジンガーッ!」
「キョウサンシュギシャガーッ!」
などなど、国民を「敵と敵」に分類し、攻撃させ合い、弱者を叩き潰し、多数派のルサンチマンを満たす。これが、全体主義推進のための「プロトコル」なのでございます。
「コウレイシャガーッ!!!」
大阪市役所の次は、高齢者を攻撃し、多数派のルサンチマンを煽り、国民を分断しようとする。ひどい話です、本当に。
堤美果氏の最新刊「沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉 (集英社新書)
」では、医療関係にについて、
「医師は既得権益だ~!」
系の、国民を「分断」する動きこそが、国民を貧困化させるグローバリズム、新自由主義を推進すると警鐘を鳴らしています。国民が「医師」と「患者」に分断され、誰が喜ぶのか。もちろん、医療サービスで「儲ける」ことを目指す誰かです。
少なくとも、患者も医師も、共に得をしないのは間違いありません。
ナチスの労働組合弾圧や、ボーイスカウト解散といった「国民の孤立化」は、もちろん国民一人一人から共同体を奪うことで、ナチスに帰属させるという目的がありました。とはいえ、もう一つ、国民が組織に基づき「団結して」ナチスに逆らうことを防ぐ目的もあったのです。
大阪都構想という名の大阪市解体構想が実現すれば、大阪市民は「大阪市」という寄るべき共同体を一つ、失う羽目になったでしょう。
とはいえ、大阪都構想が挫折しても、今度は「大阪市の高齢者が~っ!」「大阪の南部の連中が~っ!」と、国民、市民の分断を推進する連中が、まさに次から次へと出現するわけです。この手の連中のプロパガンダに敗北し、日本国民が互いにいがみ合う状況に至ったとき、日本国は終わりを迎えることになるでしょう。
日本国の将来におけるディストピアを描いた「新世紀のビッグブラザーへ
」や「顔のない独裁者
」は、別に空想や妄想や想像ではないのです。少なくとも「可能性」の一つであることは間違いありません。
いずれにせよ、将来はどうなるか分かりません。とはいえ、現代の日本人を「分断化する」言論にくみしてしまうことは、いずれにせよ日本国の将来を危うくするものであると確信し、本日は上記のエントリーを掲載させて頂いた次第でございます。
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