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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)

https://youtu.be/I8KgC0MxR_w

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 さかき漣:著「顔のない独裁者 」を原作としたスピンアウト作品、平松禎史:監督「イブセキヨルニ 」が公開となりました。



 

ねえ進・・・。結局、顔のない独裁者って、誰のことだったと思う? (CV:林原めぐみ)」


 明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 昨日の「【ニコ生(2015/05/18 22:00開始)】【出演:平松禎史,さかき漣,藤井聡】日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-「イブセキヨルニ」」が無事に終了し、ホッとしております。タイミングがタイミングだけに、アンチを呼び込むことを恐れ、あえて告知いたしませんでした。


 本来は今日から通常エントリーに戻るはずだったのですが、大阪住民投票に関連し、書き留めておかねばならないことがあります
 
 先日、三橋経済塾で施 光恒先生が「翻訳と土着化こそが近代を作った」という、素晴らしい講義をして下さいました。(塾生一同、皆絶賛!という感じでした)インターネット受講の方は、間もなくアップされますので、ご期待くださいませ。


 宗教改革の一環として、マルティン・ルターは「一般庶民が理解できないラテン語で書かれた聖書を、ドイツ語に翻訳した」わけでございます。それまでは聖書を読めなかった人々が、母国語(あるいは土着語)で読めるようになり、ローマ教会の権威が失われていきます。そして、母国語で「世界」を学ぶことが可能になった人々は、次第に「共同体」としての価値観を共有していきます。「知の開放」です。


 「ラテン語の世界」というグローバリズムの社会が、聖書の翻訳等により「母国語の世界」というナショナリズム、別名「近代国家」という共同体の社会に変わっていったわけです。日本の近代化(あるいは「近代国家化」)にしても、外国語の翻訳と土着化(日本語化)により達成されたことは、今さら書くまでもありません。


 話は変わりますが、ソ連やナチスドイツは、それまで地域に根ざしていた共同体を破壊していきます。ナチスは労働組合やボーイスカウトなど、土着の共同体を廃止し、国民を「孤立した大衆」と化し、「党」へと帰属させていきます。寄る辺のない「孤立した大衆」は、ナチスに属することで安心感を獲得し、ドイツは一党独裁国家となりました(大雑把に書くと)。


 さらに、言葉を制し、つまりはマスコミを統制し、スローガンや記号(ハーケンクロイツなど)を多用。国民の「知」を奪っていきます。独裁者や「党」にとって最も望ましい、「無知で孤立した大衆」が誕生しました


 ナチス時代のドイツを「国家主義」と表現する人がいますが、明確に間違いです。当時のドイツは「一党独裁主義」であって、国家主義ではありません。何しろ、国家の上に党が位置していました(今の中国共産党も同じですが)。


 もちろん、ナチスは求心力を高め、大衆を扇動するために「国家というブランド」は利用しました。(あるいは「民族というブランド」) とはいえ、行政のシステム的に、全権委任法成立後のドイツは「ナチス」であって、ドイツ国家ではなくなってしまったのです。


 そういう意味で、ソ連のスターリンがナチス・ドイツとの戦争を「大国家戦争」と名付けたのと同じです。「無知な大衆」と化したとしても、国民はやはり国民であり、「国家という共同体」のためにたたかったとしても、「世界同時革命」といった抽象的なイデオロギーのために命をかける人は少ないという話でしょう。


 ちなみに、全体主義国家として、ナチスの先駆けとなったソ連は、最後は「家族」という共同体も徹底的に破壊してしまいましたが、恐ろしいほどの少子化となってしまいます。このままでは、「自分たち」を守るための兵士がいなくなると危機感を抱いたソ連首脳部は、慌てて家族を讃えはじめ、プラウダが「結婚賛美」の記事を書きまくる状況になりました。
 
 さて、「三橋貴明」は、
「日本の問題は、解決できる」
 と、語り続けています。「いわゆる国の借金問題」が典型ですが、そもそも問題が存在しないケースも少なくないのです。


 とはいえ、別に無条件で解決できるなどと言っているわけではありません。「日本国民」が問題を「正しく」共有し、解決のための手を打てば解決できると言っているだけです。


 というわけで、「三橋貴明」は「日本国民」「国民意識」「日本国として」などなど、国家という共同体を意識した言い回しをするのに加え、各種の問題(主に経済問題)をグラフを多用することで「見える化」しています。実は、三橋がやっていることは、ただこれだけの話で、
「国民が問題を正しく認識できるよう、見える化している」
 に過ぎないのです。


 ここが重要ですが、「三橋貴明」は、
「三橋貴明を信じて欲しい」
 などと思っているわけではありません。

問題を正しく(数値ベースで)認識し、抽象表現やスローガンで認識するのは止めて欲しい
 と思い、言論活動を続けているのでございます。


 逆に、例えば「いわゆる国の借金問題」をでっち上げた財務省は、国民に「無知」でいて欲しいわけです。国民が無知なまま、「日本は国の借金で破綻する~っ!」と、無知な大衆と化してくれれば、問題は永遠に解決せず、財務省は増税と政府支出削減という緊縮財政を推進できます(というか、されています)。


「だって、財政のプロの財務省が国の借金で破綻すると言っているんだよ。破綻するに決まっている」


 と、日本国民が「誰か(財務省)」を信じ、「何が正しいのか」を追求しない限り、我が国は永遠にデフレのままでしょう。(そのうち、中国の属国化です)


 先日も書きましたが、
「誰が言っているから正しい」
 ではなく、
「何が正しいのかを、一人一人が考え始める」
 ことが重要
なのです。
 
 一昨日の大阪住民投票の結果を受け、橋下市長が辞意と政界引退を発表しました。実際に彼が政界から永遠に去るなどとは、わたくしは全く信じていませんが、それはともかく、いわゆる「保守言論人」たちの多くは、橋下市長を賛美し、彼の引退を惜しむ発言を(主にネットで)繰り返しています。(ちなみに、しつこいですがわたくしは「保守派」ではありませんし、「保守派」と名乗ったこともありません)


 そして、彼らの多くは大阪都構想という名の大阪市解体構想についても、無責任に推進していました。しかも、大阪都構想の「中身」について語ることは決してなかったため、単に「橋下市長が推進しているから、賛成」であるとしか見えなかったわけです。


 「彼ら」を名指ししてしまうと、
「誰ではなく、何が正しいかが重要」
 などと書いたそばから、「誰」の問題をぶち上げることになってしまうため、あえてしません。
 が、明日に続きます。


「誰が言っている、ではなく、何が正しいかを追求する」に、ご賛同下さる方は、

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