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『財務省が一番いやがること①』三橋貴明 AJER2015.5.12(9)

https://youtu.be/taaHl7uoM3o

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 本日は三橋経済塾第四期第五回講義開講日です。(ものすごく漢字が並んだ・・・)塾生の皆様、よろしくお願いいたします。
 
 まさか、このタイミングでリリースされることになるとは・・・・。


 さかき漣:著「顔のない独裁者 」を原作としたスピンアウト作品、平松禎史:監督「イブセキヨルニ 」が公開となりました。




 

ねえ進・・・。結局、顔のない独裁者って、誰のことだったと思う? (CV:林原めぐみ)」


 顔のない独裁者とは、果たして誰だったのでしょうか。


 当初、「三橋貴明」が本作品の原案となっている「顔のないビッグブラザー」を企画したとき、
(※タイトルは後に著者と出版社により「顔のない独裁者」に変更されました。変更して良かったと思っています)
 想定していたのは、まさに今話題の中心である、大阪を中心とした政党が日本の政権を採った「日本国」という状況でした。


 ところが、その後、第二次安倍政権が発足すると、竹中平蔵氏をはじめとする構造改革派が舞い戻って来るわ、TPPは交渉参加するわ、労働規制の緩和は進むわ、外国人労働者の受け入れ拡大を始めるわ、消費税は増税するわ、国債発行を抑制し始めるわで、「安倍総理にとって代わられた」思いを抱いたものです。


 そして、14年には「大阪を中心とした政党」、つまりは維新の党の方も動き出し、全体主義的手法により「大阪市の解体」の住民投票が実施されることになったわけでございます。


  
自由革命で民営化。貧乏の自由。死ぬ自由。全ては自己責任 (CV:林原めぐみ)」


 本ブログのタイトルにもなっている「新世紀のビッグブラザーへ(PHP研究所、2009年)」では、「独裁者(ビッグブラザー)」の顔が明確でした。すなわち、第一地域主席(中華人民共和国国家主席)でした。顔のあるビッグブラザーから、「日本」を取り戻すための物語が、「新世紀のビッグブラザーへ」だったのです。


 同じく「日本を取り戻す」話と言えば、「コードギアス反逆のルルーシュ R2」で、黒の騎士団が「日本、万歳!」と叫び、戦う相手はブリタニア帝国であり、ブリタニア皇帝シャルル・ジ・ブリタニアでした。コードギアスもまた、独裁者に顔がある物語でした。


 ところが、「顔のない独裁者」の世界では、


The next big brother has no face. (今度の独裁者には顔がない)


 なのです。
 
 もちろん、企画段階では「顔のない独裁者」について、一応「グローバリズム」という設定ではあったのです。ところが、その後、さかき漣が本書を書き上げ、さらにアニメ化の話が進む間に、日本において構造改革が始まり、全体主義的な手法で大阪都構想(という名の大阪市解体構想)が進み、支持者たちが都構想批判派に対しすさまじき誹謗中傷、個人攻撃を始め、次第に「三橋貴明」にも分からなくなってきました


 同じ時期に、佐藤健志氏の「愛国のパラドックス」、中野剛志氏の「保守とは何だろうか」、そして藤井聡先生の「凡庸という悪魔」など、様々な書籍に触れ、ますます分からなくなっていきます。


 顔のない独裁者とは、果たして誰なのでしょうか。


 原作の方では、日比谷公園のクライマックスシーンで、度重なる裏切りに耐え兼ね、怒りと絶望に支配された西崎議員が叫びます。

「・・・・もうわかったで、お前えらを苦しめている独裁者は、その実、誰や! 新党自由日本か? アメリカかシナか? それか・・・・・」


 西崎が「誰」といいたかったのか、それは著者にしか分からないわけですが、いずれにせよ「○○が悪」といった、シンプルな話だけではないのは確かなのだと思います。


 明日、5月17日。大阪市で住民投票が実施されます。


 住民投票で賛成多数となり、大阪市が解体され、全体主義的な手法を使うことに躊躇しない連中が権力を高めていく。その先の「日本」は、どうなるのか。


 まさにそれを、今回、平松禎史とさかき漣というコンビが、アニメーションという日本が誇るコンテンツ形式で表現してくれたように思えてならないのです。


「顔のない独裁者」について、真剣に考えて下さった方は、このリンクをクリックを!
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