デモクラティア(前編)

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『経済力の正体①』三橋貴明 AJER2015.4.21(7)

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5月9日(土) 熊本市国際交流会館 18時00分より三橋貴明講演「日本と台湾の明るい未来を築くためには
5月15日(金) 19時30分より『Voice』特別シンポジウム『日本の資本主義は大丈夫か――グローバリズムと格差社会化に抗して』
パネリスト:小浜逸郎、三橋貴明、中野剛志
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  何故か日本で「民主主義」と訳される「デモクラシー(本来は「民主制」だと思います)」の語源は、ギリシャのデモクラティアです。デモクラティアとは、「デーモス(民衆)」と「クラティア(支配)」組み合わせた言葉で、本来は「民衆による支配」という意味を持ちます。


 古代ギリシャでは、デモクラシーが史上初めて採用されました。衆愚政治(正しくは暴民政治だと思いますが)の始まりも、古代ギリシャに遡ります。


 民主主義の始まりとなった土地、つまりはギリシャで、
民主主義による緊縮財政の否定
 という総選挙が1月25日に実施され、急進左派連合が政権を握り、チプラス政権が誕生したものの、その後、延々と「デフォルト」「ユーロ離脱」を巡るグダグダが継続しているのはご存知の通り。


 明日、5月7日。イギリスで総選挙が実施されます。ギリシャが民主主義の祖であるとするならば、イギリスは元祖議会制民主主義の国です。さらに、一部の日本人がやたら持て囃す「二大政党制」の国でもあります。いや、ありました。


 現時点では、二大政党と「言われた」保守党も労働党も、共に過半数を握れない可能性が濃厚になっています。


 となると、連立政権ということになりますが、2010年の総選挙後に保守党と組んだ自由民主党は、大きく議席を減らしそうな状況です。


英、連立交渉の難航必至 7日に総選挙
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H0B_V00C15A5FF2000/
 英国で任期満了にともなう5年ぶりの下院議員選挙(総選挙、定数650)が7日、投開票を迎える。世論調査では与党保守党(党首はキャメロン首相=48)、最大野党労働党(党首はミリバンド氏=45)のいずれも単独過半数に達しないハングパーラメント(宙づり議会)となる可能性が高い。小政党を加えた選挙後の連立政権樹立への作業は難航が必至だ。政策の不透明感が一段と高まってきた。(後略)』


 代わりに票を伸ばすと言われているのが、スコットランド民族党(SNP)です。SNPは、自由民主党を抜き、第三党に躍進すると言われています。

 とはいえ、SNPは反緊縮、財政支出拡大、EU残留と、政策が保守党の真逆になっています。保守党は、2017年までにEU脱の国民投票を実施し、同時に緊縮財政を継続を公約に掲げているのです。


 しかも、SNPのスタージョン党首は、
保守党政権を排除する
 と公言しているため、いずれにせよ保守党との連立政権は無いでしょう。


 となると、労働党がSNPと組むのか、という話になりますが、そうなると今度は「スコットランド独立」問題を俎上に上げなければならなくなり(保守党と組んだ場合も同じですが)、イギリス政界は混乱もしくは停滞せざるを得ないでしょう。


 ちなみに、労働党のミリバンド党首は、
スコットランド独立を目指すSNPとは連立しない
 と、発言しています。当たり前といえば、当たり前ですが。


 さらに、EU離脱、反移民、防衛予算拡大を掲げるUKIP(イギリス独立党)も、保守党の票を食い、それなりに票を伸ばしそうで、英国放送協会(BBC)は、
「戦後最も予測が困難」
 との見方を示しているのです。


 ポイントは、「EU・グローバリズム」と「緊縮財政」に対する姿勢です。ややこしいので、整理しておきましょうか。


保守党:EU離脱の国民投票実施+緊縮継続
労働党:EU残留(但し、移民は一定の制限)+財政拡大
自由民主党:EU残留+財政拡大
SNP:EU残留+緊縮終了、財政拡大
UKIP:EU離脱、反移民


 と、主要政党では保守党以外のほとんどが反緊縮あるいは財政拡大路線を主張しています(正しいと思いますが)。逆に、EUや移民問題については「バラバラ」というわけで、この混沌ぶりが、イギリスで「二大政党制」が終了しつつある証なのだと思います。何しろ、最も違和感がない「連立政権」は、保守党とUKIPになってしまうのです。


 といいますか、UKIPに流れ込む票は、反移民あるいはEU懐疑派の「保守党の票」であり、支持層は相当に重なっています。


 もっとも、それを言うならばSNPが獲得する票は、スコットランドの労働党票なのですが。


 かように、イギリス総選挙後は相当に混乱し、政権が成立しない期間が長引きそうです。(早くも、一年後に再選挙という声も聞かれます)


 いずれにせよ、ギリシャ、イギリスと、
「グローバリズム(移民政策含む)」
 と、
「緊縮財政」
 が選挙の争点になるケースが増えてきています。これは「歴史的な流れ」なのでしょう


 もちろん、
「民主主義(選挙)で反緊縮、反グローバリズムの政党や政治家が勝てば、全て解決」
 などという話にはならず。各国の対グローバリズム政策、財政政策は、現在のギリシャのようにグダグダと「方向を模索」する状況が続くのだと思います。


 グローバリズム(あるいは構造改革)と緊縮財政とは、セットです。


 現代という時代が、80年代のサッチャリズム、レーガノミクスに始まる(緊縮財政含む)グローバリズム的な「考え方」が行き詰った過渡期であることが、ギリシャやイギリス、そして日本の政治を見ていると理解できるのです。


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